表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
積み木の世界  作者: レンガ
~ 水の国 ~
14/189

街に向かって

 船が動くことになれたのか、リドはカウンターに戻って食器を拭き始めた


 アリアと僕は一緒に店の外に出て、船が作り出す波を眺めていた


 「まさか、本当にこのレストランごと動くなんてね」


 潮風になびく髪を抑えながら、僕に語りかけるようにアリアは言う



 「驚いた?」


 試しに聞いてみた僕にアリアは全力で頷いてくる


 「だって、見たことないもの、こんな光景」

 泳がずに海を渡るなんて・・・、と隣りで言っているアリアは嬉しそうだった



 僕は背を伸ばしながら、海の方を眺める


 「そっか・・・」


 日本ではこれが当たり前なんだけれど


 そのことを言ってもアリアには分からないんだろうな


 


 僕は手の平の円球を握りしめた



 

 しばらくして、街が見えてきた


 「水の国3大都市のひとつ ヴァレンシアよ」


 見えてきた街に対し、アリアは僕に教えてくれた


 








 街に着く前にどうするか、一度話し合う必要があると思い、リドの居る店内へアリアと一緒に入る



 今日一日レストランは休業で、リドが単独行動、僕とアリアが一緒に行動することとなった




 部屋から、リュックを持ってくるリドを見て、遠足のようだと言ったら、


 


「アリアとハジメはデートのようだな」




 さらっと言ってくるリドに僕は赤面した



 アリアは幸いにもその場にはいなかったから、本当によかった


 聞かれていたら、今日一日中気まずいだろうからな


 

ほっと胸をなでおろしていると、アリアが部屋から出てきた



 あいも変わらず、ドアをバンっと開け放つ



 「ねえ、マスター!!明日からレストラン営業するでしょ?そのために、今日は私の友達とかを訪ねて、明日来てもらうようにしたいんだけど・・・」


 同じようにリュックをからってきたアリアはマスターにそっくりだった

 はしゃぎようとかが特に


 「おう、いいぞ」


 腕がなるなと言い、カウンターに携帯用の飲み物と弁当を二人分おいてくれた


 「今日は、外で食べるだろ、これ持ってけ」


 そう言って、自分のリュックにも同じものを一つずつ入れていく


 「ありがとう、マスター」


 「ありがとう、リド」


 リュックを開け、アリアと僕は同じように二人分を入れていく



 どうやら、リュックは2つしかなかったようで、僕が担ぐ分がなかった


 今日はそのリュックも調達しに行くらしい



 まあ、アリアがいるから、迷うことはないだろ、と言っているマスターはドアに手をかけていた



 僕たちも急いでリュックを持ってドアの外に出る


 マスターが店の鍵を閉め、戸締りの最終確認をする


 戸締りよーし、とマスターが言った後に、アリアと僕が復唱した





 3人は次第に近づく街の方に目を向ける


 「5年ぶりの街だな」


 リドが、感慨にふけっているようだった


 アリアはそのリドに向かって、よかったじゃないと背中をバンバン叩きながら言っていた


 

 5年も街を離れ、お客が来ないのだったら、きっと僕だったら絶望するな 



 リドに心の中で賞賛を送りながら、僕は街の前まで来るときを待った。 




  

 リドは5年ぶりに街に行くということで、それはもう街へ行くのを3人の中の誰よりも楽しみにしています。さて、彼は街に着いたらどこに行くのでしょうか?

 それは、私にも分からない予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ