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積み木の世界  作者: レンガ
~ 土の国 ~
136/189

いい意味で

 「まあ、なってしまったものは仕様がないですわ」


 では、参りましょうというアーシィに、僕は心の中で少し呆れていた



 僕のときもそうだったんだけどさ


 もう少し殴られる側、ビンタされる側の言い分を手を出す前に聞く、その姿勢がアーシィにはいるんじゃないのか?



 心の中でアーシィにツッコんでいると、タイニーが急に叫び声をあげた



 「僕が本を買おうと思っていた店が!?」


 な~い!!と向かって叫んでいるところは、さっきマッドが摘発した店だった



 「仕方ないですわ。許可を取っていない人はここでは売ってはいけない、そういう決まりなのですから」


 

 アーシィの話は頷けることなのだけれど、タイニーはそのことに納得していない様子だった



 「僕の本・・・」


 項垂れているタイニーを見かねたアーシィは僕に小声で相談してきた

 


 「ど、どうしたらタイニーの機嫌をよくすることができますの?」


 何か案はございません!?という彼女の話に、僕はタイニーが以前話していたことを思い出していた



 タイニーはいい土を手に入れる、もしくはいい土にする知識をつけて、ハーブのさらなる改良を行いたいと、風の国から土の国へと向かう僕たちの船に転がり込んできた時に言った


 だから、いい土を手に入れるか、いい土にする知識をつけるかのどちらかをタイニーができれば、きっと機嫌もよくなるはずだ



 僕はそのことをアーシィの耳に手をあて、タイニーには聞こえないように伝える


 

 「あら、そんなことでいいのかしら?お安い御用ですわよ」


 本の売られていた店があったところを見つめて動かないタイニーのところにアーシィはそろりと近づく


 そして彼女が何か伝えると、次の瞬間にはアーシィに嬉しそうにお礼を言っていた



 「いいの?本当にいいの!?」


 嬉しい!と言う彼に子犬の尻尾が本当についていたら、扇風機顔負けの回転具合だったと思う


 タイニーの感謝の言葉に彼女は苦笑する


 僕それを見計らってから、二人に提案することにした


 「とりあえず、ポルカさんの言っていた通り適当にこの市場を見てまわる?」

 

 僕の提案に二人は賛成し、ポルカさんの店をアーシィに案内してもらいながら、その間で通る出店をまわることにした









 三人で見ていると、急にタイニーが果物を売っている出店に向かって行った



 「見て!!あれ、アリア姉が大好きなブルーベリーだ」


 タイニーの指差した方向を見てみると、そこには水の国の市場で売られていたものよりも多くの種類のブルーベリーが、出店の棚に所狭しと並んでいた


 僕の目ではどう違うのか分からないが、どうやらここには三種類のブルーベリーが並んでいた


 ハイブッシュブルーベリー、ラビットアイブルーベリー、ローブッシュブルーベリーと言うらしい


 「ブルーベリーって三種類もあるんだ」


 知らなかったよという僕の言葉にタイニーも頷いていた



 アーシィだけは違って、僕たちにブルーベリーの違いを教えてくれた


 「まずは、ハイブッシュブルーベリー。これは寒冷地向きのもので、主にリンゴなどの寒さに強いものが栽培される地域で作られますわ」


 暑さには弱いですわというアーシィの言葉に


 「土の国でも寒いところはあるんだね!」

 

 とタイニーは言っていた


 

 

 

 土の国でも寒いところはあるんだね・・・


 風の国も寒いところはあるんだけれど、とも言えるのかな?



 僕はそのことを考えながら、アーシィの説明を聞き続けることにした



 「次に、ラビットアイブルーベリー。これは温暖地向きのもので、主にミカンなどが栽培されるような地域で作られますわ」


 ハイブッシュブルーベリーが栽培されているところではラビットアイブルーベリーが栽培されない、そういうことが言えるのか


 口に出さずに考えていると、タイニーは最後の説明をアーシィに催促していた



 「最後に、ローブッシュブルーベリー。これは野生種で、土地に慣れるかによって栽培できるかが変わってくるものだと言われておりますわ」


 加工されることが多いですけれどね、というアーシィの説明に出店を開いている人が感心していた



 「ほう、お嬢ちゃん。ブルーベリーのことをそんなに詳しく知っている人なんて、なかなかいないぞ。おっちゃんは嬉しいな。そんなにブルーベリーのことを熱く語ってくれるなんて」


 満面の笑みで言う果物出店の店主は、そうアーシィに言った後、店の奥から麻袋を持ってきた


 「おっちゃん感動した!最近の若いもんは、農作物の良さを分かっちゃいないんだと思っていたけどな、お嬢ちゃんのおかげでいい意味で裏切られたよ」


 ありがとうな、というおっちゃんは麻袋にせっせとブルーベリーを詰めていっていた



 一体何をしているんだ?


 おっちゃんの行動に一人警戒していると、大量に入れられたブルーベリを麻袋ごと僕の方に突き出してきた


 「これはお嬢ちゃんたちにあげるよ。重いからこの坊主に預けとくな」


 そういうおっちゃんの好意にアーシィはお礼を言う



 なるほど、そういうことか



 僕はおっちゃんからブルーベリーを受け取ってお礼を言った。



 

 今日はブルーベリーの雑学をいれて見ました。この話に出てきたものが、大きく分けられる三種ということだそうです。URLは貼り付けていいのか分からないので調べ方だけ書いておきます。


 ブルーベリー 種類 見分け方 で検索しました。興味のある方はこれで調べてみてくださいね。


 今日はこれで失礼します。

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