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積み木の世界  作者: レンガ
~ 水の国 ~
13/189

船上レストラン 宿り木

 昨日僕はレストランに積み木を使って仕掛けをした


 まさか、うまくいくとは思ってなかったけれど、どうやらここは僕の創った世界に違いないようだ


 

 この世界のレストラン 宿り木に限定して、積み木を組み立て、





 僕はこのレストランが「船」になるようソウゾウした


 


 


 この世界には、海を渡る術が泳ぐことしかないと二人から昨日の話で聞いていた



 ならば、それ以外の方法を積み木でソウゾウするしかない



 海上レストランならば、船が妥当だろうと考えた僕は、このレストランを船上レストランに変えたのだ



 「ハジメがレストランのことを考えてしたことは分かったわ。でも、フネの説明がないとピンとこないわね」


 アリアは真面目な顔で聞いてきた


 

 だから、僕はその質問に答えよう



 「船はね、レストランがこの渦潮から抜け出して、他の街に行くことができる乗り物なんだよ」


 えっと・・・・、つまり?


 アリアは首をかしげている


 どうやら理解するのに時間がかかるようだ



 僕は、隣りにいるリドにも聞こえるように、船の説明を続ける



 「つまり、渦潮で流されてくる前の街に、リドが泳がないで帰れることになるんだ」



 分かる?とリドとアリアに同意を求めた


 


 ちなみにリドは、僕の説明の途中から料理をする手を止めていた




 「・・・もう一回言ってくれ」




 絞り出すように言うリドの声に、僕はもう一度説明する




 「リドが居た街に戻れるし、お客もこのレストランに来れるってことだよ」


 だって、このレストラン船だから、泳がなくても移動できるんだ


 そう続けて説明していると、リドが僕の方を向いた



 「本当か!!」


 

 今までで、一番はっきりしたリドの声だったと思う


 「うん、そうだよ」


 僕はにっこりリドに微笑んだ



 「えっ、ということは・・・」


 アリアは手を組みながら僕に問いかけた


 「このレストランでまともに接客できるってこと!?」




 ああ、接客できないことがストレスだったんだろうな




 「うん、そうだよ」


 アリアの言葉に苦笑しながらも僕はにっこり微笑んだ




 アリアの顔がみるみるうちに幸せそうな表情に変わっていったのが分かった


 リドは感動のあまりなのか、震えている



 

 うーん、もう少し時間を置いてから船にするべきだったかなと、僕は思った


 



まあ、もう遅いけどさ





 

 その後、二人からなぜそんなことができるのかと聞かれたので、部屋に置いていた麻袋を持ってきて、積み木を使って創ったことを簡単に説明した







 「いやー、でもなあ」

 「うん・・・」


 二人は未だに信じられないようだった




 


 そんなに信じられないのだったら、実際に目で見て、体感してもらおう



 「じゃあ、早速街に行ってみる?」


 僕は麻袋の中から円球の積み木を取り出して二人に言う


 

 二人は顔を見合わせていたが、その後頷いた



 その後は二人に街のある方角を聞いて、行く方向をソウゾウする



 僕は、円球を手の平に乗せて、街のある方角に球を回転させる



 店の外から波しぶきが上がる


 テーブルやイスがガタガタと揺れる


 僕たちも同じように揺れる




 3人で、それぞれカーテンを開けて、店の外の様子を見る


 


 先ほどまで周りにあった渦潮は遥か遠くの方にあった。


 



 創がついに積み木の力で、レストランを船にしました。お客が来れないのなら、レストラン自体が動けばいいという発想をした結果でもあります。

 

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