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積み木の世界  作者: レンガ
~ 土の国 ~
122/189

手の平に

 「これとは?」


 「何もないじゃないか」



 僕が突き出した手を見て、ワグマさんとクレイは首を傾げていた



 確かに手の平に硝子細工はあるのに


 どうやら二人には見えていないらしい



 僕は手の平にある硝子細工を指差し、僕はウィズさんとマッドに確認を取った



 「ウィズさん、マッド、これが見えますか?」


 僕の質問にマッドとウィズさんはもちろんという



 「三日前に見せてもらったからな」 


 「きれいな硝子細工ですね。二人には見えていないようなのですが?」


 それはどういうことです?というウィズさんの不思議そうな表情が見えた



 僕はウィズさんだけに対してだけではなく、見えていない二人にもしっかり聞こえるように僕は説明した


 「僕の手の平にあるものは、嘘を発見することと悪さをした人を見分けることができる、優れものなんですよ」


 僕は静かに聞くウィズさんと二人に語りかけるように話していく


 「見える人は、人に迷惑をかけるような嘘をついていない人、もしくは悪さをしていない人なんです。そして、見えない人は・・・」


 「見えない人は?」


 ウィズさんの言葉に僕は口を開く


 「人に迷惑をかけるような嘘をついている人、もしくは悪さをしている人なんです」 


 僕の言葉をやっとのことで呑み込んでいる二人に向かって僕は笑顔を投げかける


 「お二人は見えていないんですよね?ということはどういうことなのか、お分かりですよね?」


 僕はブラックな心を覗かせながら、二人の様子を伺っていた




 僕のささやかな威圧に気づいてくれたかな?


 気づいてくれるといいなとわくわくしていると、クレイが蚊の鳴くような声で僕に尋ねてきた


 「・・・つまり、僕たちは迷惑をかけるような嘘をついているか、悪さをしている人だってことなのか?」


 クレイの言葉に僕はにっこり笑顔で微笑む


 でも、その微笑みに逆上したワグマさんが怒りの矛先を向けてきた



 「見えないものによって私たちが悪者だと決まってしまうなど、有り得ないことですな」


 ワグマさんは確実な証拠がないということで、僕の意見もさっきのマッドの報告も否認していた


 クレイもワグマさんの指摘に同調したのか、生き返っていくのが見えた




 そんな見えないものがどうして悪者と決まる要因になる?


 やはり、確固たる証拠がないじゃないか


 でたらめだ



 ワグマさんはそう言いたいのだろう



 マッドの報告だけでは弱いかもしれないと思って出したこの硝子細工は、見える人には見えるが、見えない人にはとことん見えない



 だから、その見えないものを見えない人に信じろ


 というのがおかしいということなのだ



 僕はワグマさんの言葉に一人勝手に納得していた




 こんな状態、日本では話にならない


 警察とかが証拠と証言、動機を聞いてその人が悪さをしたのかしていないのかを判断している


 そのことからもごく普通のことだと言える



 動機は後で聞くとしてもだ


 確実な証拠がなければいけないのだ



 当然の反論だな



 僕はそう思った




 けれど、それで引き下がるような僕ではなかったわけで


 「そうですね。見えないものを信じろというのは無理がありましたね」


 じゃあ、見てください



 そう言って、僕は硝子細工のてっぺんに手をあてた



 瞬く間に硝子細工は僕の手の平で柔らかな緑色の光を放つ


 その光が収まった後、僕は二人の方に近づいて行って手の平を突き出して見せた



 「どうですか?見えるでしょう?」


 僕の質問に二人は頷く


 「ほう、これは・・・」


 「・・・きれいだ」


 硝子細工を見つめる二人の目はしっかりと硝子細工を写していたようだった



 ファイに手伝ってもらって、見えない人にも見えるような仕掛け施したんだ


 まさか、この国で役に立つとは思わなかったな



 そう考えていると、目の前で二人が顔を上げ僕を見てきた



 「それで?それを僕たちに見せてどうなるんだい?」


 クレイの言葉に僕は、硝子細工にまた手をかざした



 「今からまたこれを消します。その後も見えなかったら、言い逃れはできなくなりますが」


 良いですか?という僕の言葉に二人は驚いていた



 「はあ!?見せてからまた消してって、どういうことなんだ?」


 理解できないという表情をしている二人の顔を見つつ、僕は硝子細工のてっぺんに手をかざし消して見せた



 「そういうことなんですよ」


 僕は二人に笑顔を送った


 そして、僕はアリアたちが持っていてくれた僕のリュックの方へ歩いていく


 自分のリュックの中から一冊の本を取り出し、二人のもとへと持っていった



 「この本、何だと思います?」


 二人に向かって本を差出して見せると、タイニーが声をあげていた



 「あっそれ!小学校の時に使った教科書だ!!」


 懐かしいな、という感じでタイニーは教科書のもとに駆け寄ってきた



 「教科書?」


 「どうしてですの?」


 「さあな?」


 アリアとアーシィ、マッドが口々に話す



 その三人の疑問に僕は答えていく



 「教科書に証言を確実にするものが書いてあるからなんだよ」


 印のあるところのページをめくって見せる








 『真実の硝子について』



 それが開いたページに載っていた言葉だった。


 ぎりぎりになりました。サブタイトルを考えるのにものすごく時間がかかってしまいました。

 

 今更なのですが、気づいたら100話超えていたということに気づきました。まだ、この物語半分もいってないのですが、ここまでになるとは正直思ってなかったです。


 これからも頑張って書いていきますので、読んでくださっている皆様、暇な時にでもお読みくださいね。明日も投稿できるように頑張ります!


 それでは、おやすみなさい。

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