リンネの積み木
「つまり、表の世界と裏の世界は互いに影響し合っている、ということになる」
僕が答えたことに対し、素晴らしいとですと賛辞してくれたリンネは、いつの間にか僕の隣にまで来ていた
「そこから、どんな答えが導き出せると思いますか?」
リンネはさらに僕の答えを求めてきた
だから僕は思ったように答えることにした
「例えば、表の世界に変化が訪れれば、裏の世界にも同様に変化が訪れる」
という感じなのかな?と僕が言うと、リンネは僕の肩を思いっきり掴んでいた
「そうです、表の世界の創造者、創。あなたはその有り余る力をその積み木に注ぎ込み、表の世界に良くも悪くも変化をもたらした」
リンネの必死の言葉に僕は驚いていた
なぜそんなに必死なのだろうか?
僕は疑問を抱かずにはいられなかった
「あなたが湖と木を沈めてしまったときも、私が裏の世界で世界全体が壊れないようバランスを取っていたのですよ」
分かっていますか?というリンネの言葉に僕は聞き間違いかと思った
僕が湖と木を沈めた?
身に覚えの無いことに僕は咄嗟にリンネから距離をとっていた
「ちょっと待って!僕がこの世界の中心にあった湖と木を沈めた!?そんなことはないはずだ!!」
僕は必死にリンネに説明した
「僕がこの世界に来た時にはもう湖と木は無くなっていた。なのにどうして僕のせいだと言えるんだ!?」
僕の言葉にリンネが悲しそうに顔を伏せていた
「そうですか、あなたはそのことを全く身に覚えがないことだと、言いたいのですね?」
分かりましたというリンネがポケットの中に手を突っ込んだ
「では、証明して見せましょう!!」
取り出して見せた手の平のものを見て僕は目を瞠った
さっき僕が夢の中で手に入れた積み木と全く同じだ
僕はその積み木が発する光に意識を奪われてしまった
意識を失う瞬間、思い出したのは悲しそうな顔をしたアリアだった
何をしているのだろうか・・・
意識を失った僕に知る術はなかった
~ マッドの根城 洞窟前 ~
「待って、皆!!」
私の言葉にその場にいた全員が目線を向ける
「その人の言っていることが本当なのかどうか、調べてみようよ」
私の提案にアーシィは金切り声をあげていた
「そんなこと、不可能に決まっていますわ!!」
私から視線を外し、アーシィは再びマッドを睨む
「不可能じゃない!!」
私はアーシィに言いかえしていた
「これがあれば、不可能じゃないわ」
私が持ち上げたものを目にしたタイニーが目を瞠った
「それは、真実の硝子!!」
どうしてアリア姉が?と言う風に見てくるので、私はタイニーに微笑みかける
「あー、実は私のものではないのよね、コレ」
片手に持ち直し、頬をかきながら私は白状する
「本当はハジメのものなのよ」
私はその後、ファイさんから創に借りて使えと言われていたことを皆に伝えた
「それなら、大丈夫!!それが見えていれば、マッドさんは嘘をついていないことが一発で分かるよ、アーシィ姉」
タイニーの言葉にアーシィは睨むのを辞めていた
そして、その二人の間に私は割り込んだ
「どう、マッドさん?これが見えるかしら」
私は片手でマッドの前に硝子細工を出して見せた
「おう、見えるぞ」
マッドの言葉に私はさらに確認する
「具体的にどんなものか、言ってもらっていい?」
私の言葉にマッドは快く答えてくれた
「おう、いいぜ。木の形をした硝子細工みたいなので、今ちょうど緑色に光っている」
これでどうだ?というマッドの言葉に私は安堵した
良かった
この人は嘘をつくような人ではなかった
私は安堵した表情をマッドに見せた
「この人は本当のことを言っているわ、アーシィ」
私の声掛けにアーシィはため息をついていた
「アリアさんの言うことならまちがいありませんわね」
アーシィは全身の警戒態勢を解いていた
~ 白と黒の世界 ~
リンネに飛ばされた意識が覚醒する
そこは日本にあるはずの僕の部屋だった
部屋にあるものがほとんど変わらない
僕は日本に帰ってきた錯覚を起こしていた
その部屋にドアを開けて無邪気に入ってくる子どもがいた
僕の小さいころ、八歳ぐらいのころだろうか?
僕は目の前にいる子どもに目を向けていた
部屋に入ってきた僕は真っ先に積み木が置いてある机の前に座った
そこには規則正しく積まれた積み木が一つ創られていた
それは、僕が最近作った積み木と似ていた
この積み木の組み立て方は・・・
僕は自分の目を疑いたくなった
十年前に僕はすでにこの世界を創りだしていたのか
僕は覚えのない事実に驚いていた
じゃあ、この世界は一度僕の手によって完成された世界たのだ
僕は目の前で遊び始める昔の自分を眺めながら、そう考えていた
しばらく他の積み木で遊んでいる自分を見ていた
円柱を横に並べたり、三角の積み木をひたすら積み上げていったりしていた
それを微笑ましく思いながら見る
昔の自分のことなのにそれを覚えていない自分がいる
本やゲームが大量にある中で、積み木だけを使って遊ぶ
そんな自分の姿をしっかりと目に焼き付けていた。
創の過去にタイムスリップもどきをします。リンネは創に何を伝えたいのか、はっきりすると思います。
明日の投稿を待っていて下さいね。それでは皆さん、おやすみなさい。




