疑問
僕は最後の疑問をリドにぶつけることにした
「リド、最後の質問していいですか?」
「おう、なんだ」
リドは、カフェオレをアリアに手渡しながら、僕の方を見る
「さっきリドは、アリアみたくは潜水できないって言ってましたよね?」
「ああ、そうだな」
「じゃあ、リドはどうやってここに来たんですか?」
リドは面食らったような顔で驚いていた。
カフェオレおいし~、と横で言っているアリアは最高の笑顔を見せていると思うのは僕だけだろうか・・・
「アリア、ここの渦潮の特徴のこと、ハジメに言ったか?」
「うんや、言ってないよマスター」
マグカップを置きながら、アリアは答えた
「そうか、じゃあ知らないのも無理ないな」
じゃあ、話そうか・・・と言って、リドは語りだした
「まず、俺がここに来るまでの経緯を話そうな。あれはな・・・」
リドが言うには、昔も料理人として街のレストランで働いていたが、自分のこだわりを強く出せるレストランをめざすために、そのレストランを辞めたらしい
しばらく、水の国でどこかいいレストランがないか探していたら、このレストランの話を聴きつけたようでだった
ただし、ここは街から隔離されたところだとは知らなかったらしく、最初は来てから後悔していたみたいだ
「俺は、その時絶望に陥ったね」
だって客が来ないんだ、と頷くその顔は哀愁が漂っていた
「ふふふ、私はそのマスターを見て面白がってたけどね」
アリアは、カフェオレを飲みきっていた
「さて、どうやってこのレストランに来たかの話に戻るんだがな、結構簡単な理由なんだよこれが」
コーヒーを片手に、僕は一口飲む
「渦潮は街からこのレストランに向かってなら、誰だって簡単に行けるんだ」
どういうことだろうか、と考えていると、アリアがカウンターの横の席に座ってきた
「つまりね、渦潮はレストランから街に行くのは拒むんだけど、街からレストランに行く分は拒まないの」
「・・・どうして?」
アリアの方を向いていると、マスターが空になったマグカップを取り上げていた
「単純に、渦潮の流れが街からレストランの方に流れていた、ってことだな」
そういうことか、ということは、リドは・・・
「ただ、単に渦潮に流されて来たってこと?」
「そうだな」
それで正解だ、と言って3人分のマグカップを洗い始めた
その後、リドから聞いた話では、街では人を呑み込み、帰ってこられない悪魔の
渦潮と噂されているようだった
その中で、リドは情報屋から渦潮で流れ着くレストランのことを聞いたらしい
そんな噂があるのによくこのレストランを目指そうとしたなと、こっそり僕は呆れていた
ちなみに、アリアは幼いころから、潜水の力を身に着け、このレストランに遊びに来ていたらしく、アリアの方が先に住み着いたようだった
渦潮の上にレストランが建っていたのはなぜだろうかとかも思ったが、二人ともさっきまでの口ぶりでは知らないだろうなと思った
だから、今日はここら辺で質問するのをやめにしようと思う。
創の疑問はとりあえず終了です。やっと、流をもとに戻せるなあと思っています。
頭の中で考えた物語を文字におこす作業は大変だなと思いました。




