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26話 竜と旅人のおはなし
あるところに生まれてからずっと旅をつづけている人がいました
旅人は自分がどうして旅をしているのか覚えていませんでしたが
それでも旅をやめることはありません
ある険しい山を登っていると誰かが泣いているのが聞こえてきました
旅人が声のする方へ行ってみると 見たこともない美しい竜が泣いていました
どうしたのかと尋ねると 竜は泣くのをやめて言いました
とても大切なものを探しているのに ちっとも見つからないのです
あんまり長い間探していたので 何を探していたのかも忘れてしまったのです
そう言ってまた泣き続けるので 旅人は竜が気の毒に思えてきました
私は旅人です
世界中に旅をするから あなたの大切なものを探してあげましょう
ただ旅をするよりも
あなたの為に旅をしましょう
旅人がそう言って慰めると竜は大喜びして泣くのをやめました
あなたは何て親切なんでしょう
私の大切なものを見つけてくださったら
私はあなたにそれ以外をさしあげましょう




