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結婚するとは言っていません【書籍化・コミカライズ化決定】  作者: 白雲八鈴


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第46話 明日は休暇を取っていいらしい

「明日は休暇を取っていただいていいです」


 夕刻に王都の騎士団本部に到着したところで、レクスから言われました。

 休暇! それでは明日は下町をプラプラしましょう!


「あの……それでですね……あし……」

「団長! お疲れ様でした! ゆっくり休んでくださいね!」


 明日が休みとわかれば、王都の家に帰りましょう!

 私はレクスに別れを告げて、宿舎の方に早足で向かっていきます。


 ん? そう言えば、レクスは何かをいいかけていたような。

 まぁ、急ぎの用があれば、休み明けに言われることでしょう。



 宿舎まで戻って、ディロべメラ夫人の管理室の扉をノックします。


「はーい」


 女性の声が聞こえてきて中から扉が開かれました。


「あら? マルトレディル君」

「明日、休暇をもらったので……」

「貴方凄いじゃない! あの凶剣を討ち取ったのよね!」

「討ち取っていませんけど」


 別に首を取っていませんよ。トドメはレクスがバッサリと切りましたけど。


「夫の(かたき)を取ってくれたのよね!」

「え? ディロべメラは別に凶剣に……」


 あの戦いに凶剣はいませんでしたよ。たぶん、別の戦線にいたとは思いますけど。


「憎き帝国の軍人をぶっ殺してくれたって……」

「あの……だから殺しては……」


 情報がどこかで歪められています!

 だから、凶剣を捕縛しましたが、殺していません!


「ありがとう」

「私は、私の仕事をしただけですので、感謝を言われるようなことはしていません」


 私は私の与えられた役目をこなしただけに過ぎません。

 それに、伯父様の罠の中で戦える者がいなかったというものありますけどね。


「夫の上官みたいなことをいうのね。でも、ありがとう。私は何もできないからね。ここで待つことしかできないの」

「そうでもないですよ。待っている人がいる。それが大事なのです」

「それも同じ……ああ、そうそうファングラン団長の部隊の人たちが戻ってきたら、パーティーをしようと皆が準備をしているのよ。お祝いですって」


 え? なにか面倒くさそうなことを言われました。こういうのには参加しないほうが無難です。


「あ、私は家に帰りますので」

「あら? そうなの? 今回の主役でしょう?」

「主役は団長です。あと将校セレグアーゼ様ですか」

「どちらも、いるだけで雰囲気が悪くなりそうね」

「ということで、私は今日はいませんので皆さんで楽しんでください!」


 私は捕まらないうちに、踵を返して宿舎を出ようと足を踏み出しました。が、なにやら弾力のある壁にぶつかってしまいました。

 そして、捕獲される私。



「マルトレディル君。おかえり。おねーさんと遊ばない?」

「今から家に帰るので遊びません」


 弾力のある壁は、メリッサさんの肉肉しい(憎々しい)壁でした。


「そんなつれないこと言わないで、今日は厨房の人たちも腕を大いに振るって、とても豪勢な夕食なのよ」

「五日間。頑張ったので家でゆっくりしたいです」


 他の人にバレないかヒヤヒヤしながら……と言うほどでもなかったですが、よく分からない疲れ方をしたのは事実です。

 あの最終日の令嬢の姿は必要だったのでしょうか?


「そうね。言われてみればそうね。それじゃ別の日に」

「しなくていいです」


 私は谷間から見上げてはっきりと言います。


「つれないわね。ふふふ、今日はゆっくり休んでね」


 メリッサさんはそう言って、私を解放してくれました。

 良かったです。このまま連行されなくて。


 そして、早足で王都の屋敷に戻ったのでした。



 *



 今日は、待ちに待った休日です。

 久しぶりの日課の訓練をして昼前に屋敷をでたのです。


 ええ、任務中は日課の訓練ができませんでしたからね。


 そして、侍女に言って、私がアルバートと分からないようにして欲しいとお願いをしたのです。

 お化粧をして、金髪をふわふわに巻いてもらい、涼し気な青色のエプロンドレスに……ん? これ商人の妹設定の……はははは……うん。大丈夫。

 顔が隠れる大きめのヘッドドレスをつけているから、顔は見えにくくなっているので、大丈夫……のはず。


 貴族街を出たところで、御者の者に夕刻に迎えに来て欲しいと言って、いざ行き付けのカフェに!


 今日も全種類のケーキを食べるぞと意気込んで、カフェの扉を開けました。


「いらっしゃいませー。二名様ですね。空いている席にどうぞ」


 は? 二名?

 まままままさか、また私の背中に背後霊が!


 恐る恐る振り返り視線を上げると、普段着のレクスの姿が!

 またですか。また、背後霊化しているのですか!


「隊長、いつもの席でいいですよね?」


 何故か、背後霊化したレクスが私の背中を押して、テラス席に行くように勧めてきたのでした。



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― 新着の感想 ―
 レクス、それはさすがにやべーよ。
やっぱりつけてくるの(、._. )、 こわい……(、._. )、
怖い...背後霊。 ちょっと、これは... ストーカーでしょうね。
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