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結婚するとは言っていません【書籍化・コミカライズ化決定】  作者: 白雲八鈴


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33/33

第33話 膝枕だとう?

 


「手を離して欲しいのですが? 団長」


 私は手をブンブンと振りながら団長の手を離そうとしますが、離れる様子がありません。


「側にいて欲しいです」

「……この馬車の中にはいますよ」

「私には隊長が足りないのです」

「ラドベルト。これぶん殴って寝かせていいか?」


 これ絶対に寝ていないから、おかしなことを言っているのですよね?


「マルトレディルが膝枕すれば寝るんじゃないのか?」

「あ?」


 だから膝枕すると、私がいざというときに動けないではないですか。

 ……いいえ、これは動くときにレクスを床に叩きつけていいということだと。


 おかしな言動が目立つので、仕方がありません。

 私は手を繋がれたまま、揺れる床に足を揃えて座ります。


「団長。さっさと寝てもらえます?」


 新しくタバコを取り出して、火をつけて一服吸います。


「マルトレディル。それ団長に向ける目じゃねぇぞ」

「ラドベルト。独り言が多いおっさんになっていますよ」

「目が笑ってねぇって言っているんだ」


 わざわざ振り返って、こちらを見てこなくていいですわよ。

 そして無言で私の膝の上に頭を乗せたレクスは、直ぐに寝息を立て始めました。


 鎧の残骸からみてわかっていましたが、かなりの魔力を消費したのでしょう。


 ふぅ〜。

 白い煙が馬車の中にただよっていきます。

 ヨメリスまでこのままですか。

 あとどれぐらいで到着するのでしょうか?




「マルトレディル。団長。着いたぞ」


 ラドベルトの声にふと目が覚めました。

 どうやら、馬車の揺れに心地よくなって寝てしまっていたようです。

 夜中から動いていたので、疲れていたようです。


 って、目を開ければ赤い目が私を見ているのですが?


 あれ? 見下ろされている? もしかして、私が逆に膝枕されているのですか?


「なに? この状況は?」

「え……いや……そう! 隊長が寝ていらっしゃったので」


 何故かレクスが顔を赤らめて、言いどもっています。

 なに? この挙動不審は?


「ラドベルト。これはなんだ?」


 私は身を起こして、幌馬車を引いていた騎獣を外しているラドベルトに聞いてみます。

 レクスを指しながらです。


 背後で何があったか知っていますよね。


「ん? ああ、マルトレディルが寝始めて舟を漕ぎだしてな、前に……」

「ラドベルト部隊長。それが終わったら部隊を休ませるように、私はマルトレディルと次の準備に取り掛かる」


 ラドベルトが話しているのを遮って、命令をだしました。

 私が寝始めて、前に? どうしたって?


 私は聞こうとしましたのに、ラドベルトは部隊の人たちと騎獣を連れて去って行ってしまいました。

 彼らも夜通しの任務でしたので、止めようとは思いませんが。


「では、私たちも行きましょうか」


 私は手を取られて幌馬車を降ろされてしまいました。

 あの、次の準備とか私は聞いていませんよ。


「団長。次の準備ってなにですか? それに拠点のほうはどうするのです? 今日の……明日の未明に襲われる予定なのですよ」

「そちらは時間がまだあります。この時期に湧く野盗を討伐するのが優先です」

「……毎年のことなのですか?」

「物の移動が頻繁になりますからね」


 ああ、街道を通る商品に価値があるものが多くなるということですね。それを狙う輩が虫のように湧いてでてくると。


 ということは、元々今回の作戦は、毎年湧き出る野盗と、特殊部隊から得た情報の戦勝記念に当てつけて狙ってくる馬鹿共の二つを相手にしようというものだったのですか。


 そして、一般の騎士には毎年の野盗討伐と思わせていたと。

 クソジジイ。相変わらずえげつない作戦ですね。

 蓋を開けたときに困るのは現場の騎士たちです。


 このようにです。はぁ、いつかクソジジイと会ったときに殴りたいですわ。


「では団長には今後の行動の説明と、私の手を離すことを求めます」


 これ、寝る前から握ったままですよね。


「ファングラン団長。こちらです」

「準備は整っております」


 二人の女性騎士の方が手を振って呼びかけてきました。


「取り敢えず、今から食事をとって休むように、出発は1200です」

「団長。手、離しましょうか。ガン見されていますけど」


 女性騎士の方々が私と団長の繋いだ手をガン見しています。

 変な噂が立ちそうなので、いい加減に離して欲しいです。


「マルトレディルが何処かに行かないようにですよ」

「そもそも団長の従騎士なので、どこかに行くときは許可を取ります」


 そして、女性騎士にガン見されながら、建物の中に入ったのでした。




「キャー! やっぱり団長とマルトレディル君って、できているって噂は本当だったのね」

「メリッサお姉様のおっしゃっていたとおり」

「あの怖い団長が笑顔でいるなんて、凄く素敵」

「そういえば、眼帯を外した姿って初めてみました」


 背後からヤバい話が聞こえてくるではないですか!


 左手を握り、レクスの脇腹に打ち込みます。


「意地でも手を離さないつもりですか!」



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― 新着の感想 ―
あけましておめでとうございます!初笑いありがとう御座います。女性騎士内ではBL話が盛り上がると思うと更に笑えました(≧▽≦)
 あけましておめでとうございます。  これはきっと、ラドベルト部隊長、寝ている間にマルトレディルが女性であること、姉の方であること教えたのでは。  いつになったらレクスが気付くのか。  それとも気付い…
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