No.58 残り数秒
鉄砲玉の奴らは、手の平にエネルギー?を集め終わり発射する数秒前だ。
僕は、ジャケットを素早く脱ぎ、女頭領のマリアに覆い被せた。
「え?何に?」
強制的にジャケットを被せた。特殊素材のジャケットだから、ある程度の攻撃は、防げるだろう。僕もジャケットの中に、同じ素材の服を着ているから大丈夫だ。
後は、勇者?一行だが仕方ないが、見捨てる。いい交渉材料だと思ったが、流石に命掛けてまで守る義理も無い。
最後に、ボタンが一つしか無いリモコンを押す。
そして、鉄砲玉の奴らが魔法を放つ。
放った魔法は、全員が火魔法だった。一瞬で馬車は、火の海に包まれた。
熱い。凄く熱い。
馬車が燃えた事によって油断をして隙ができた為、熱い車内を抜け出す。
幸いに、特殊素材の服のお陰で僕とマリアと死神君は、丸焦げにならずに済んだ。
そして僕は、馬車の前方の鉄砲玉。死神君は、馬車の後方の鉄砲玉達を相手にする。マリアは、勇者達?の見張りだ。
死ぬ覚悟が決まっている、鉄砲玉達と向き合う。
先に動いたのは、やはり鉄砲玉達だ。
複数人が剣やナイフを持って、突っ込んでくる。
「死ねえー!」
それを軽々と避けて、カウンターの一撃を放つ。
「お前が死ねよ。」
その一刀は冷徹に、心臓を確実に突き刺し、更にそれを下に向けて、強引に切り裂く。
辺りに、大きな赤い池が出来る。
実力の差を理解したのか、他の人達が無闇に突っ込まなくなった。
一方その頃。馬車の後方。
死神君は、無双状態だった。
死神の格好通り、大鎌で戦闘をして人間の上下が分断されている死体を量産し、それが辺りに散乱している。
残りの鉄砲玉達が少なくなると、とある女が死神君の目に入る。その女は最初から居なくて、途中で合流していた。
女は、短剣を持ち今にでも襲い掛かって来そうだ。その女に先制攻撃として、死神君が投擲用ナイフを投げた。
だが、そのナイフは眉ひとつ動かさずに避けられた。
明らかに強者だ。
並大抵の人間は、ナイフが刺さってやっと気付く早業だ。それを眉一つ動かさずにだ。日頃余り動かない死神君は、久しぶりに戦う強者だ。
正体不明の女と死神君は、お互い次は何をしてくるのか、穴が開くくらい見ている。




