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95.アルカ、初ライブ配信を行う

 アルカとキメラはメニュー画面から設定を行い、パーティーを組む。

 そして、今回初めて利用するのがライブ配信機能である。

 GWOは多くの動画サイトと提携しており、誰でも簡単に配信をすることができる。

 今回はヴァーチャル☆ちゅぅぶでのライブ配信を行う。チャンネルを開設しなくとも、ライブ配信ができるのが強みである。

 アルカはメニュー画面をキメラに教わりながら操作し、ボス部屋に入る前にライブ配信のボタンをタッチする。入る前に配信スタートされていなければ、アルキウスは超絶パワーアップをしないのである。


「よしっ! 久しぶりのボス戦だな。キメラちゃん、行こう」

「はい。って挨拶とかいいんですか?」

「そういえばそうだったな。はじめまして、アルカと申します。ご視聴いただき、誠にありがとうございます。短い間となるとは思いますが、宜しくお願い致します」


 アルカは軽くお辞儀をした。


「私キメラって言います。今回は超絶強化された激ムズ状態でアルキウスを倒しちゃおうと思います! 皆さん、応援宜しくお願いします!」


・キメラちゃんが配信してるだと……? これは見なくては!

・超絶強化されたアルキウスはマジで強いから気をつけてね

・『短い間となるとは思いますが』……!? あの強力ボスを瞬殺する気か……?


 少ないながらもコメントでの返信が来た。

 本来であればもう少し人が来てもおかしくない知名度なのだが、宣伝もチャンネル開設も何も行っていない為、視聴者数がかなり少ない。

 しかし問題ない。今回のアルカ達の目的はあくまで超絶強化されたアルキウスを倒すことである。


「コメントありがとうございます! 私目当てで見てくださった方もいるんですね! 嬉しいです! 今日は勝てるよう、がんばっちゃいます!」


 キメラが元気よくコメントに対して返答をした。

 対してのアルカは。



「同じく、コメントありがとうございます。瞬殺は無理ですが、勝てるように努めさせていただきます」


 丁寧にコメントへの返答をしたのであった。


「アルカさん、何かかたくないですか?」

「いやいや、キメラちゃんが慣れてるんだと思うよ? 本当に動画投稿とかしたことないの?」

「ないですよ。ただ、ヴァーチャル配信者の動画はよく見ていますね」

「なるほど、だから慣れてるように感じるのか。ちなみに俺はある」

「何がですか?」

「動画投稿」

「えっ!?」


・アルカさんが動画を投稿していた? え、マジで……?

・どんな動画投稿してたん?


「歌ってみた動画ですね」


・歌ってみた!?

・もしかしてこの人そっち方面でも有名なのか!?

・ごめん、想像できない


「有名じゃないですね。残念ですが……」


 視聴をしている人達の中には、身バレ防止の為に嘘をついているのだと考える者もいた。

 有名人であれば、運営が何かしらをし、特殊なアバターになったことにも辻褄が合うと考えた為である。

 だが、実際に有名でなかったのだ。


 アルカは中学時代に歌ってみた動画を動画サイトに投稿していた時期があった。

 結果、視聴者数は二桁。コメントは全部の動画合わせても10件ほどで「ネタだよな?」などとアルカがふざけて歌っているのかと思われる程に下手だという意のコメントもあった。アルカの目的は“有名になること”であり、その1つの手段として歌ってみた動画を投稿しただけだったので、特別歌が上手いわけではない……というかかなり音痴であった。



・それは残念

・もう歌わないの?


 アルカは嬉しそうな表情で言う。


「もう目的は達成しましたから」


・何だこの強キャラ感は


 GWOで有名になれたので、あの日の目的の1つが達成されたように感じた。



 二人はボス部屋へと入る。ボス部屋は体育館2個分くらいの洞窟であった。薄暗く、いかにもボスが居そうな部屋だ。

 そして、“それ”は突然現れる。


「出ましたね……!」


 キメラはゴクリと唾を飲み込む。

 アルキウスの外見は、人口色の毒々しい青色の3mはあるダイオウイカであった。本来であればこのまま戦闘なのだが、条件を2つ満たしている為、形態を変化させる。超絶強化だ。


「ヘビュニウノオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」


 アルキウスは奇声と共に漆黒とも言える光を放ち、姿を変える。

 そして、そのムービーが終了するとそこに居たのは足が8本となり、毒々しいオレンジ色となったアルキウスがいた。ネットではタコキウスとか呼ばれていたりする。

 そして、触手の一本一本に龍のような蛇のような頭が付いており、それら全てがこちらを睨んでくる。八岐大蛇ヤマタノオロチのようである。


「さっき画像で見ただけでしたが、実際に見るとかなり迫力ありますね……」

「そうだな。キメラちゃん、そういえば弱体化されたとか言ってたけど大丈夫?」

「はい、変わりに強力なものが手に入りましたからね」


 キメラはニヤリとする。どうやら、とっておきがあるようだ。


「……“マジカルチェンジ“」


 キメラは魔法少女形態へと変身するスキル【マジカルチェンジ】を発動させた。

 だが、変身後の装備は従来のものと変更されていた。

 全体的に紫色を基調としており、所々白のラインが入っている闇堕ちした魔法少女とも言える外見となっていた。

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