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87.最終決戦がスタートする

 ピックの元へ、モノが倒されたという意のメッセージが通知され、それを見たピックは舌打ちをする。


「何てこった……我が最後の1人じゃないか」


 ピックは少し焦る。

 自分一人で2人を倒さなくてはならないからだ。


「モノのプレイングは相当なハズなのに、それを破ったとなると……本気でかからないとすぐに終わっちまうな。モノ……絶対にお前を助けるからな、我がソウルにかけて!」


 ピックは走り、捜索する。

 しかし、エリアははじまりの街全てなので、とても広い。


『残り人数が減りましたので、フィールドを縮小します』


 と、アナウンスが各プレイヤーの脳内に鳴り響くと、冒険者ギルド周辺に配置される。


「へっ! という事はすぐに決着がつけられるな……! 最高にロックだぜ!」


 手に汗握る熱いバトルが始まる予感がした。

 そして、各プレイヤーが冒険者ギルド周辺へと配置される。

 ミーナとピックに関しては配置された瞬間にご対面状態である。


「はぁ!!」


 すぐに演奏を始め、ミーナにダメージが入ったのを確認すると、すぐに止める。

 そして、スキルを発動させる。


「リミテッドソウル!!」


 ダメージを与えた相手に制限を設けるスキル【リミテッドソウル】

 選択したのは、“アイテムの使用”の制限だ。これでミーナはアイテム使用不可となった。


「あ、アイテムが使えません……!?」

「悪いな、こっちも本気なんだ」


 ピックは【ハイパースラッシュ】を発動させる。


「はぁ!!!!」


 【ハイパースラッシュ】とスキルキャンセルを交互に繰り返し、高ダメージを連続でミーナに叩き付ける。ミーナは粒子となり消滅する。



「いきなりワープとかビビるな」


 アルカにメッセージが通知される。ミーナが倒された件についてだ。


「ミーナが負けた……!? って事は、最後は1対1か! 面白い! 責任重大だけどな」


 そう考えていると、走って来るプレイヤーが一人。

 間違いない。相手チームのボスである、ピックだ。


「出し惜しみは無しだぜぃ!」


 ピックはスキル、【リミテッドソウル】を発動させ為に演奏する。


「うおっ! ダメージが入る……けど少量だな。これなら……!!」


 アルカはピックをぶん殴ろうと、接近しようとするが……


「か、体が動かない……!?」


 アルカに“移動の制限”を設けた。

 これで動くことはできない。


「ハイパースラッシュ!!」


 またしても【ハイパースラッシュ】の連続攻撃で仕留めるつもりのようだ。


「あのスキルは確か……」


 キメラから汎用強スキルに関しては聞いていた。

 その中にハイパースラッシュの名前もあった。

 シンプルながらに強い、剣士の汎用強スキルである。


「【第二の瞳】!!」


 アルカはスキルを発動させる。

 自らのHPを半分削るので、あまり使用しないスキルなのだが、こちらも出し惜しみはなしといった所で使用した。

 【第二の瞳】により、【ハイパースラッシュ】の効果が無効化される。

 ピックの剣から輝きが失われる。


「スキル無効化だとぉ!?」


 これで連鎖は途切れた。

 【第一の瞳】で相手を装備し、【装備破壊】で即死させる事が可能だ。


「終わりだ!」


 【第一の瞳】を発動させる。腹部から触手が伸び、ピックを捕らえる。


「コノミ!! ありがとうな!!」


 コノミからアルカの対策は聞いていたので、このスキルの弱点も把握済みである。ピックは空いている手で触手を切断する。

 結果、脱出に成功する。


「危機一髪だったぜ」


 ピックはアルカから大きく距離を取る。そして、設ける制限を変更。“移動の制限”を解除し、“スキル使用の制限”を設けた。


(スキルが発動できなくなった……が、動けるようになったな。肉弾戦に持ち込み、一気に勝負を決めるか)


 アルカは、ピックに接近し、ぶん殴ろうとした。

 が、ピックの剣が光るのを見ると、すぐに距離を取る。

 【ハイパースラッシュ】をお見舞いしようとしたようだ。


「へっ! 上手くはやられてくれないか」


 ピックはスタイリッシュにメニュー画面を開くと、剣をもう一本装備する。コノミとお揃いの金色の剣だ。


「ダブルハイパースラッシュ!!」


 ギター型の剣が光り、それがアルカに振り下ろされる。ヒットはしなかったが、今度は金色の剣が光り、アルカの翼をかすめた。


(少しかすっただけでこの威力か!)


 半分になっていたHPが更に半分になる。


「これもコノミから教わった……!」


 コノミは指導者としても優秀なようで、二刀流の戦い方もレクチャーしていたようだ。


(そして……次に我が放つのは二刀流専用のスキルだ!)


「マーキュリーストライク!!」


 二刀流専用レアスキル【マーキュリーストライク】。

 剣を二つ重ね、それに体の何倍もある水色のオーラがまとわりつく。


「はああああああああああ!!」

「くっ!!」


 かわす事には成功したが、当たった冒険者ギルドが半壊している。とんでもないダメージである。

 そして、【リミテッドソウル】の時間が切れる。アルカは再度スキルの使用が可能となった。


「……!! よしっ! スキルが使える!! 【第四の瞳-ダークネスブレイクバースト】!!」


 アルカは接近し、即死能力を持ったスキルを発動させる。

 漆黒の球体がピックに放たれる。

 そして、それがヒットしピックのHPは0となる。


「よしっ!」


 アルカが拳をギュッと握りしめ、勝利を喜ぼうとすると、粒子となったピックの体が再生し、HPが全回復した。


「何っ!?」

「危なかったぜぃ!」


 ピックはスキル【再生リ・スタート】を発動させていた。といってもオートで発動するスキルである。その効果は、自らのHPが0となった時、再び体力全開で復活するというものである。しかし、一度使用すると168時間は発動不可となる。このスキルを取得する条件はかなり厳しく、ピックも偶然手に入れただけだ。


(ありがとうな、沙耶。お前に間違って殺されまくった日々を我は忘れない)


 スキルを取得したのが、沙耶……つまりはイチゴタルトに倒された時である。

 なので、イチゴタルトに他のパーティメンバーを倒してもらっていた時期もあったのだが、何回倒そうともピック以外、【再生】は取得できなかった。

 それもその筈、このスキルは“間違ってパーティメンバーに一定回数&一定数値以上のダメージを与えられる事”であった。

 偶然にも間違って攻撃されまくり、間違って倒されまくったのがピックなのであった。

 結果、ピックは取得方法が分からなかったので、ユニーク表記を付け忘れたユニークスキルという考えに落ち着いた。


「まさか復活して来る何てな」


 アルカは、ピックが復活するまでの間、上級回復薬を使用していた。

 回復系アイテムは、使用している間動けなくなるので、丁度良かった。


「復活何て事をしてくるとは……他にも何のスキルを隠し持っているか分からないな」


 アルカは、翼を大きく広げ、空へと向かう。


「上空から攻撃してやる!」


 アルカは【爆炎】を使用しようとしたが。


「ハイパースラッシュ……投擲とうてきバージョン!!」


 【ハイパースラッシュ】を発動させた金色の剣をアルカに向けてぶん投げる。

 剣は回転せずに、まるで弓矢で放ったかのように、真っ直ぐと飛んでいく。


「モノのレクチャーも中々だったぜぃ!」


 そしてそれはアルカに突き刺さる。


「ぐあっ!」


 アルカはそのまま地面へと叩き付けられる。


「くそっ……って、ん?」


 アルカのスキル一覧にいつの間にか新スキルが増えていた。

 戦闘前には無かったので、いつ取得したか分からないが、何か条件を満たしたようだ。


「終わりだ、最高にロックな戦いを……サンキュー!!」

「まだだ!!」


 アルカは新スキルを発動させる。

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