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69.魔剣ですわ!

「まさか、キメラちゃんが早速やられてしまうとは」


 アルカが顎に手を当て考える。

 キメラのプレイングに関しては、高い方だとアルカは思っていたので、意外であった。


「油断禁物って奴だね」

「ま、まぁ私よりマシですよ。私何て1回戦で何も出来ずに死にましたからね!」


 なぜかドヤ顔のミーナ。


「自慢できる事じゃないよ。まぁ、すぐ倒されたという点では私も同じだが」


 話を続けながら下山する。

 下山中、相手チームとは出会わなかった。


「へへっ! 下山かんりょー!」


 ミーナは雪の中をはしゃいで駆け回る。


「気を付けた方がいいぜ。もしかして待ち伏せされている可能性もある」


 ミーナの背中には、ダークカリバーが突き刺さっていた。


「隙ありですわ!」


 アルカの予想通り待ち伏せされていたのだ。


「や、やられたー……何てね!」

「HPが残ってるんですわ!?」

「【命の果実】! 1つしか持てないレアアイテム! このアイテムを消費し、HPを1だけ残すー!」


 ミーナは剣が刺さったまま、ドヤ顔で叫んだ。


「その剣を渡しなさいですわー! ……!?」


 ジルコは身動きが取れなくなっていた。


「カノン殿……良い装備をありがとうでござる!!」


 良く見ると、極の腕に装着されている装置からワイヤーのような雲の糸が伸びている。

 それで、ジルコの動きを見事封じているのだ。


「どういたしまして……さぁ! フィナーレだ」

「一気に行くぜ!!」


 アルカ、極、百舌鳥17が攻撃系スキルを放とうとするが……。


「な、何……?」


 ミーナに突き刺さっていたダークカリバーが誰も触れていないのにも関わらず引き抜かれ、宙へ舞う、そしてミーナの身体を切り刻む。

 ミーナのHPは一気に0となる。


「どういう事だ……?」

「そういう事でしたか……この魔剣は1人でも勝手に動けるんですわ!」

「そうなの!?」


 ダークカリバーは、ジルコの周囲にある糸を切断すると、ジルコの手に収まる。


「凄いですわ!! これで負けなしですわ! そして、更に後1人吸収!!」


 ジルコが指パッチンをすると、チームメンバーの1人がやって来、ダークカリバーに自ら刺されると、粒子となり消滅する。


「更に強化ですわ!」


 ダークカリバーに纏っているオーラが更に大きくなり、ジルコを纏うようになる。


「お笑いだね。結局はその武器に頼り切りという訳だ」

「何とでも言うといいですわ! 融合ですわ!」


 カノンが煽るが、気にも留めず、次のフェイズに移る。

 ジルコは、ダークカリバーの持ち手部分以外を食べる。


「何をしているんだ?」

「私と魔剣はこれで1つですわ!」


 極が走る。

 そして、高くジャンプをする。


「はぁあああああああああああああああ!! 【流星群】!!」


 極の必殺技とも言えるスキルを放つ。

 流星群が相手を襲う。


「効かないですわー!」


 オーラがバリアとなり、流星群を全弾防ぐ。

 ジルコがニヤリと笑う。


「凄いですわ! これこそ闇の力! ひょひょー!!」


 アルカはゴクリと唾を飲み込む。


「全員、一旦逃げるぞ! 皆! 別方向に逃げろ!」


 ジルコが更にニヤリとする。


「逃がしませんわよ。1人ずつ……殺す!!」

「ひっ……」


 ジルコが極を狙って走り出す。

 極も追い付かれまいと必死に走る。


「中々良い速さをお持ちですわね! ですが……私のスキルでその差を埋めますわ!!」


 ジルコはスキル【獲物をこの手に】を発動させる。

 すると、何という事か、極とジルコの差が徐々に縮まっていくではないか。


「急に素早さが上がったでござるか!?」

「【獲物をこの手に】の効果ですわ! 相手と素早さの値が一定以上離れ、なおかつそのプレイヤーを追いかけている時に発動出来る限定的なスキルですわ! 相手の素早さの値を加えますわ!」


 極は精一杯走るが、ジルコに追い付かれてしまう。


「いただきますですわ!」

「しまっ!」


 ジルコを纏っているオーラが剣のようになり、極の身体をズタズタにした。


「む、無念……!!」


 極は、倒されてしまう……がむしろ今ピンチなのは、ジルコの方であった。


「こっちから来てやったぜ」

「ん?」


 アルカと百舌鳥17が歩いて来た。


「その剣は……!!」


 アルカの手には、剣部分がエメラルドグリーンに光り輝く剣が握られていた。

 その剣の持ち手部分には見覚えがあった。

 そう、あの持ち手部分をカノンが回収し、魔剣を聖剣として生まれ変わらせたのである。

 普通のプレイヤーには不可能であったが、器用値がチート級のカノンには可能な芸当であった。

 カノンがやりたかったのはこれであった。


「決着を付けようぜ!」


 アルカが聖剣を握り、ジルコに接近する。


「はぁあああ!!」


 聖剣が闇のオーラをぶった切る。


「今だ!! 【第一の瞳】!!」


 本来なら当てるのが難しい【第一の瞳】であったが、オーラを破られ焦っているジルコを捕らえる事は可能であったようで、アルカの腹部に収納された。

 更にスキル【装備破壊プロテクトブレイク】を発動し、装備品扱いとなっていた、ジルコを破壊した。

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