61.1回戦の相手が決まる
『おっと! ここでまた新たなチームが予選を突破だぁ! チーム【Curiosity】予選突破だぁ!!』
運営からのアナウンスが鳴り響く。
極がシオリとの戦闘に勝利し、Cカードの枚数が揃った為だ。
「おお! 予選突破したぞ! 何でだ?」
アルカが首を捻っていると、極からの連絡が来る。
「アルカ殿! 見事最後のCカードをゲットしたでござる! 流石、拙者でござる」
半透明のディスプレイにはドヤ顔で腰に手を当てている極が映っている。よっぽど嬉しかったのだろう。
「やるなぁ! これで一先ずは一安心だな」
「はい。ただ、本戦に進んだだけなのでまだまだ油断は禁物ですけどね」
「はは、キメラちゃんは厳しいなぁ」
キメラは、まだまだ油断は禁物だという表情だ。だが、同時に何処かワクワクしている子供のような表情も混じっていた。
(負ける気がしねぇ!)
アルカは心の中でまだ見ぬ対戦相手に対し、そう思うのであった。
☆
予選開始から7時間程であろうか、16チームが予選を突破し、めでたくそれは終了した。
「速いなぁ~、やっぱりガチなゲーマーって凄いんだな」
アルカの予想よりも、大分早くに予選が終了した。
「それを言ったら、私達もガチなゲーマーって事になるじゃないですか! いや、私は嬉しいですけどね」
キメラは、嬉しそうに言った。ゲームが大好きなので、他者からゲーマーと言われると嬉しくてたまらないのだ。
「キメラ君、落ち着きたまえ。本戦のルールについてまとめようではないか」
カノンが指をピンと立て、提案する。
現在は、アルカのマイホームにチームメンバーが揃っている。このメンバーでここに揃うのは何度目になるのだろうか?
「そうでござるな! いやー、緊張してきたでござる!!」
極が椅子の後ろ脚だけで座っている。机を持ってバランスを支えているのだが、いつ倒れてもおかしくない。手には板チョコが握られていた。言葉とは裏腹に全然緊張感が無い。むしろ非常にワクワクしている様子だ。
そして、数秒後。バランスを崩す。極は後頭部を強打し、「おぬ゛っ!?」という謎の声を発し、そのまま地面に目をグルグルとさせ倒れる。現実世界であれば、死の危険性があった。
「くっ……これも何かの陰謀でござるか……!?」
極が椅子に座り直す。
「ふざけるのは良いけど、今はとりあえず、本戦のルールについてまとめるぞ」
アルカが黒板に本戦についての情報をまとめた。
本戦のルールは至ってシンプルなものであった。
・予選時に設定したリーダーとは別に、試合毎に【ボス】を決定する。
・ボスを撃破されてしまうと、その時点でチームの負けとなる。
「誰をボスにするかで勝敗がガラリと変わりそうだね。毎試合毎に変更出来るみたいだから、対戦相手を見てから選んでも良さそうだね」
ボスが撃破されてしまえば負け。戦闘力が高くとも、そのプレイヤーをボスにすれば有利になるかと言えば、そうでも無い。
「そうだな。所で1回戦の相手は?」
ピコン、と受信音が鳴る。
タイミング良く、運営からのメッセージが送られてきたのだ。
「って言ってたら運営からトーナメント表が送られて来たな。えーと何々……」
メニュー画面から、運営からのお知らせメッセージを見る。
そこにはトーナメント表も添付されており、1回戦で当たる対戦チームもバッチリと表示されていた。
「1回戦目の相手は……【エレメンタル☆シスターズ】だそうだ」
アルカがそれを言うと、カノン以外の全員が驚いた表情をする。
かなり有名なヴァーチャル配信者と当たってしまったのだ、無理もない。
「エレ☆シスじゃないですか! アルさん、私達、いきなり大物に当たってしまいましたね……」
ミーナがちょっと自信無さそうに人差し指をツンツンしはじめる。
「ミーナは何をそんなに緊張しているんだ? 相手が誰でも勝てばいい話だろ?」
「うわっ! アルさんかっこいい! 超余裕ですね!」
アルカも分かっているのだ。いくら自分のアバターが強くとも、1人では勝てない事くらい。例え自分が5人居て、それが全て自分だったとしても勝てないだろうと思っている。
だが、この自信である。
「俺のチームには強い仲間が沢山居るからな」
「おお! 熱いですね。そうですよね! 勝てますよね。私もあのチームには
勝ちたいです」
ミーナは、顔をぶんぶん震わせ、眉を吊り上げニコリとする。
「ふふ……拙者も負けてられないでござるな! 絶対に勝つ!」
皆がニヤリと笑うと、チームメイトの目を見た後、剣や杖を交える。
「……何か、こういうの燃えますね!」
「私だけ素手だけどね」
カノンは、主にロボットを操縦しての戦闘を行うので、素手であった。
本戦は2日後、祝日である【VRの日】と次に訪れる日曜日を用いて行われる。
ゲーム内時間を加速させ、ゲーム内で各2日で合計4日分の時間があるので、忙しい人でも安心である。




