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58.データキャラと謎の少女

誤字を修正しました。

 レアアイテムを作成する為、第5層の砂漠エリアで素材を採取する事となった。

 ミーナから指示を受け、アルカ、極、キメラが第5層の「砂漠エリア」で作業を開始していた。


「流石に第5層だけあって、敵が強いな」


 アルカは、敵を粉砕しながら言った。砂漠エリアは初見だ。


「そんな事より暑いでござる……脱いでも良い……?」

「脱いでも暑さ変わらないと思いますよ」


 極が脱ごうとしているが、そんな事をしても意味が無いと、キメラが止めた。


「ミーナちゃんは平気そうだね」


 キメラが汗を流しながら、ミーナに言った。するとミーナはドヤ顔で答える。


「じゃん! 【冷却ドリンク】! このアイテムを使えば! 暑さを感じなくなる!」


「えっ? 頂戴?」


 ミーナは、皆に冷却ドリンクを配る、が、アルカは断った。


「アルさんいらないんですか?」

「俺別に暑くないし……」


 ドラゴンアバターだからであろうか? 不思議と暑くない。


 おや? 誰かが歩いている。


「ふむ」


 アルカ達に割れた眼鏡をかけた、ショートカットの少女が近付く。


「ほぅ」


 何やらアルカをジロジロと見ている。かと思ったら他のパーティメンバーもジロジロと観察し始めた。


「誰だ? 誰かの知り合いか?」


 皆が首を横に振る。


「貴方がアルカさんですか、そしてお仲間の皆さんも初めまして。私の名前は【ミナモト】、パーティ対抗トーナメントに出場する予定です。貴方達も参加するんですよね? ま、個人情報だと思うので教えなくても良いですけど? 最初に言っておきます。私はこのゲームを知り尽くしています。勿論、貴方達のデータもね。現在判明しているユニークスキルも全て頭に入っているし、戦闘パターンも分析済さ」


 何やら色々と語り始めた。


「それは凄いな。だけどな、本戦で当たったらその時は、斬る」


 アルカは、腰の【神斬剣】をチラつかせる。


「それは初めてだな。【超鑑定】! ほぅ……ふむ」


「?」


「あぁ、気にしないでくれたまえ、私の頭のライブラリに1つ項目を加えただけだからね。自慢じゃないけど、私のユニークスキルは、全てを暴く【超鑑定】! その武器も読み取らせて貰ったよ。そんなに細いのに分類は【剣】何だね。ほぅ、ふむ……まっ、本戦で会おうじゃないか! ハッ↑ハッ↑ハ↓」


 少女はそう言うと、どこかへと去っていった。

 そんな彼女の背中を見て、キメラが一言。


「私、何かあの人苦手です」


「アニメとかだと良く居るよね、データキャラ」


 ミーナは率直な意見を述べた。


「随分と自信があるみたいでござったな。でも一体何をしに……?」


 自らのユニークスキルも明かし、明らかに不利になるような事しかしていない。


「宣戦布告って奴か?」


 おそらく、そんな感じであろう。


「そもそも予選も始まってないのに自身有りすぎですね!」


 キメラが眉に力を込めて言った。余程苦手なのだろう。



 1時間後、ある程度素材が集まった。


「皆ありがとう! これでアイテムを調合出来るよ!」


「ミーナちゃん嬉しそう」


 キメラとミーナが嬉しそうに顔を合わせる。


 その時、何者かがミーナの脚を狙撃する。

 x3のダメージを受けた、3点バーストだ。


「きゃっ!」


 遠くを見ると、クリアブルーのスナイパーライフルを構えた水色ロング髪の少女が居た。ローブを羽織っており、顔を隠している。


「誰だ……?」


 そう思っていると、クリアブルーのスナイパーライフルをもう1つ装備し、2丁で走って来る。只者では無さそうだ。

 ちなみに、両スナイパーライフル共に3点バーストの攻撃を放てる。

 だが、撃っているのは鉄の弾丸では無い。水の弾丸だ。

 クリアブルーでおもちゃ感がある武器だが、その正体はスナイパーライフルでありながら、水鉄砲であった。


「チェックメイト……」


 ミーナを集中攻撃すると、あっと言う間にHPを削り取る。

 ミーナは粒子となり、消滅する。


「ミーナちゃん!」


 キメラが叫んだ。


「モードチェンジ……10点バーストモード」


 謎の少女が小声でそう言うと、10発の弾が両スナイパーライフルから発射され、キメラを襲う。


「うわあああああああああああああああ!!」


「2キル、楽勝ね」


 キメラも粒子となり、消滅する。

 明らかにゲーム慣れしているプレイヤーだ。

 次の狙いは誰だろうか? アルカと極が身構えた。


「ミサキちゃん、こんな人達にボコボコにされてたんだ。安心して頂戴、ドラゴンさんを狩るのは私じゃ無いから」


 極に狙いを定める。


 そして、引き金を引くが、水の弾丸をかわす。かわし切れないそれは、刀で斬った。


「へぇ、やるね。今日はここまでにしておくよ。君、名前は?」

「極でござる……」

「極ちゃんか~、覚えておくよ。……そこのドラゴンさん!」


 アルカの方を向く。


「ミサキちゃんに宜しく言っておくからね」


「ん? お、おう」


 ミサキの知り合いだろうか?

 その正体を知るのは、本戦時である。

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