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56.チーム名は大事

本日は、2話目の更新をさせていただきます。

「ぐはっ!」


 ここは、第4層。

 極とカノンがタッグを組み、二人組のプレイヤーと戦闘を行っていた。

 戦闘は終盤に突入しており、対戦相手は1人しか残っていない。そんな中、極は腹パンを仕掛けた。


「今でござる!」


「極くん! ありがとう!」


 カノンは、自慢の愛機、百舌鳥17に乗り込んでの戦闘を行っている。


「トドメだ! 百舌鳥17! モードチェンジ!」


 百舌鳥17は、人型のロボットである。そんなロボットが、形をみるみる変えていき、鳥型ロボットへと姿を変えた。


「完成! 【カワセミ】!!」


 どうやら、変形する事により、別な名前のロボットになるようである。

 カワセミは、腹パンで怯んでいるプレイヤーを空中へとぶん投げる。そして、クチバシ部分で相手の体を差しながら地面へと、回転&口から連続で弾丸を発射、しながら突っ込む。


「ぐああああああああああああああああああああ!!」


 対戦相手のプレイヤーが地面にめり込む。HPが0になったのを確認すると、カノンは、笑いながら近付く。


「ありがとう、君のおかげで第5層に行けるよ。もっと感謝しないといけないのは、私の機体の実験体になってくれた事だよ。本当にありがとう!」

「はは……どういたしまして」


 対戦相手は、後ろへ一歩引いた。


(後で掲示板で晒すか)


 実験体呼ばわりをされたプレイヤーは、心の中でそう思うのであった。


「拙者も5層へ行けるでござる!!」


 一部の職業は、タッグでの戦闘での勝利数も第5層へと行く為の戦闘とカウントされる。それとタッグを組んだプレイヤーもだ。よって、極も同時に第5層へ行く権利を得たのだ。







「【ドームバリア】!!」


 別な場所、別な時間では、キメラとミーナがタッグを組んで戦っている。

 本来防御スキルである、ドームバリア。それを相手に使用する。バリアの中に、大量のダイナマイトを仕掛けておくのも忘れない。

 相手プレイヤーはバリアの中で、爆発から逃げるしか無いのだが、ダイナマイトの数は50を超えており、もはや防ぐか倒されるかの二択しか残っていなかった。


「「のああああああああああああああああああああ!!!!」」


「勝てたよ!」


「やったー! イェーイ!」


 爆風に包まれる二人のHPが0になるのを確認すると、キメラ達は飛び跳ねながらハイタッチを決めた後に抱き合い、勝利を共に喜んだ。ちなみに、HPが0になった後も、ダイナマイトの爆発は続いていた。


「や、やるわね……」

「これは大会までに対策しないと不味いかも……」



 爆風が収まると、キメラとミーナは対戦相手に言う。


「「対戦ありがとうございました!!」」







「ぐぬぬ……」


 パーティ対抗トーナメントまで、後一週間。アルカのパーティのメンバー達は、とある壁にぶち当たっていた。

 その壁を壊す為に、アルカのマイホームにある教室エリアで会議を開く事となった。


「どうしましょう……」


 キメラが深刻な顔で考え、右手で顎を支える。


「サクッと決めちゃいなよ!」


「いや、これは重要だよ」


 アルカがヘラヘラしていると、珍しくカノンがシリアスムードで返した。


 一体、皆何を悩んでいるのだろうか?


「そうですよ! チーム名は大事です!」


 キメラが黒板をバン! と叩き、眉に力を込めて言った。黒板には、チーム名候補がいくつも書き出されていた。


「私、いつもゲームの主人公の名前考えているのに、滅茶苦茶時間かけてるんですからね!!!!」


 その結果、生まれた名前が「キメラ」だと思うと、何か面白いと感じるアルカであった。

 なぜキメラなのだろうか? おそらく様々なエピソードがあったに違いない。


「ふはっ!」

「何笑ってるんですか?」

「何でも無いよ? それよりもサクッと決めようぜ!」


 黒板に書きだされた名前は、メンバーがそれぞれ考え出したものだ。

 ちなみにアルカはチーム名の候補を、5秒で考えた。


・アルカ:【アルティメットゴッドドラゴンズ】


・キメラ:【Eternally☆immortal】


・極:【破壊の極み】


・ミーナ:【ミーナの楽園~黒き龍とその仲間達~】


・カノン:【超機融混ちょうきゆうこん



 皆、バラバラであった。


 キメラも一度は自分の決めたチーム名に満足したのだが、「何か違うなぁ」と悩み直したのである。


「あっ! エレメンタル☆シスターズは? 名前被りで受けを狙えるかもしれないぜ?」


 アルカがウインクをする。


 一体誰が受けるのかは不明だが、一部の人は笑うのかもしれない。


「真面目に決めてください!」


「何か今日のキメラちゃん、雰囲気が違うなぁ。というかさっきのチーム名は何で駄目何だ?」


「とあるアニメに出て来るチーム名をパクったからです」


 ただ単に、響きが良かったので採用したのである。

 だが、やはりオリジナリティが欲しい。


「そのアニメ、私知ってる! カードゲームのアニメでしょ?」

「流石ミーナちゃん! そう! 私カードゲームやらないんだけど、魔法少女っぽいビジュアルにひかれて見たら面白くて!」

「1期~4期のダークファンタジーな方も面白いから見て!」

「えっ!? ダークなの!?」


 何やら話が脱線し始めている。


 アルカは、困り眉をすると黒板を取り外し、板チョコのように食った。


「アルカさん!?」


 アルカは温厚なので、話が脱線しても1ミリも怒ってなどいない。脱線した話を終了させる為とただ単に黒板が食べたくなっただけだ。


(今日はチョコミント味か)


 このゲームの隠し仕様として、毎日黒板の味が変わるようになっている。

 この仕様は、アルカしか知らない隠し仕様である。

 トッププレイヤーですら知らない極秘情報だ。


「明日、また集合して発表しよう」


 結果、明日までに各自チーム名を考える事となった。


 実際に登録する名前なので、アルカ以外、妥協は出来ないと考えているのであった。

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