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50.これでレベル上げも楽々

 両者同時にHPが0となり、引き分け扱いとなった。


「ぬぉ……引き分けとは……お主、【錬金術師】なのにやるでござるな……」


 極は、ここまで【錬金術師】が戦闘が出来るとは想像していなかった。

 そもそも入団テストも単に実力を見るだけに行ったものであり、ここまで追い込まれるという想像はしていなかった。


「えへへ~! ありがとうございます!!」


 ミーナは、照れながら頭の後ろをかいた。


「で、私はパーティ対抗トーナメントのメンバーに入れてくれるのでしょうか!?」


 ミーナが極に近付き、問う。


「拙者からすれば全く問題無しでござる! 回復だけでなく、ある程度戦闘が出来る……正に求めていた人材でござるよ!」

「やったー!! やりましたよ、アルさん!!」


 “ある程度戦闘が出来る”と呼べるレベルを超えていたと思われる。


「おう、凄かったよ。色々と」

「私としても、問題無いと思います。自暴自棄になって自爆特攻とかしなければ合格ラインを超えていますよ。むしろ敵にはまわしたくないですよ」


 と、キメラがミーナに対して言う。

 これで残す所、カノンの賛成を得るのみである。


「そういえば、会長遅いですね……」


 キメラが辺りを見渡すが、カノンが居る気配は無い。


「君達! ここに居たのか」


 噂をしていると、闘技場にカノンが来た。


「アルカ君のマイホームで2時間後に集合という約束だったから、畑エリアで待っていたんだが、まさかここに居る何てね。凄い爆発音がしたから何事かと思ったけど」

「カノンちゃんごめん。極が急に入団テストをやりたいと言ってさ」

「別に構わないけどさ。それにしても、あの娘が新メンバーか」


 カノンは、ミーナの所に行き、顔をマジマジと見る。


「初めまして!」

「君の名は?」

「ミーナです! 職業は【錬金術師】! 出来ればパーティに入りたい……何て思いまして!」

「ほぅ……ミーナ君はロボットは好きかな?」

「? アニメ全般大好きです! 勿論ロボットアニメも良く見ますよ!」

「合格だ」


 カノンは、アルカの元へ報告をしに行く。


「問題無しだ。とてつもない力を秘めた娘だった」

「そうか! なら正式にパーティ入りという事にさせて貰うぜ!」


 アルカがミーナをビシッと指差すと、彼女は顔をパァーっと明るくした。


「やっっったー! 良かった!」


 飛び跳ねて喜ぶミーナを見て、キメラはニコリと笑う。


「元気ですね」

「貴方はえーっと」

「キメラですよ」

「キメラちゃん?、さん?……見た所、同年代っぽいですが」

「キメラで良いよ。私もミーナって呼ぶから。私のアバターの年齢とリアルの年齢は差が無いからね」

「分かった! キメラ、宜しくね」

「うん!」



 秒で仲良くなったキメラとミーナであった。

 それにしても、極に対しては普通に敬語を使用していた所を見ると、ミーナにはリアルの年齢を察する才能のようなものがあるのかもしれない。





 しばらく経つと、闘技場を離れ、学校の教室のような場所へ皆向かった。この場所もアルカのマイホーム内である。

 アルカが教卓に立ち、その他は机に座る。


「という訳で、無事メンバーが5人揃った訳で、丁度良い所だし、第四層を攻略したいと思う! 第四層のフロアボスは、えーと……ゲームオタクのキメラちゃん! 宜しく頼む!」

「わ、私ですか!?」


 キメラは、ゲームオタクと呼ばれても嫌では無かった。


「オタクってレベルじゃないかも知れませんが、説明させて頂きます」


 キメラが前に出て説明を始める。


「まず、アルカさんの誤解ですが、第四層にフロアボスは存在しません!」

「そうなのか!?」

「はい、第四層を突破するには、“レベルを40にした上で、1vs1のpvpを行い、5回勝利する事”が条件となっています。一部の職業は、2vs2の戦闘でも可で、【鍛冶師】や【錬金術師】もそれに当てはまりますが……」


 キメラがカノンとミーナを見る。


「会長とミーナは1vs1でも問題無さそうですね」

「無論だ」

「私も問題無し!」


 キメラはアルカを見る。



「という事です。まずは、レベルを【40】に上げなくてはなりませんね。これは大変ですよ」

「ふふ~」

「どうしたの?」


 既にレベルが【45】のミーナがドヤ顔で人差し指を立てる。


「【錬金術師】としての腕の見せ所ですよ~!。皆さん、このアイテムを使ってください!」


 ミーナは、【経験値倍倍アップポーション】を皆に渡す。

 このアイテムは、1時間、取得する経験値を4倍にするアイテムだ。

 かなりのレアアイテムだが、師匠と呼ぶプレイヤーから簡単な作り方を教えて貰ったらしく、それなりの量を生産していた。


「す、すげぇ! これがあればあっと言う間にレベルが上がるな!」


 だが、第四層を突破するまでは、レベルが45以上は上がらない仕様となっている。


「ミーナ、凄いよ!」

「ふふ! 私は凄いのだ!」


 こうして、レベル上げの為に、ダンジョンへ足を運ぶ事となった。

 1まとまりのパーティになっていると、雑魚敵相手には逆にやりづらいという事で、3つのチームに分かれてのレベル上げを行う事となった。

 結果、【キメラ、カノン】、【極、ミーナ】といった組み合わせとなり、アルカはソロでレベル上げをする事となってしまった。

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