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48.錬金術師

「あー……ヒーラーが居ない……そもそもどうやって目当てのプレイヤーを見つけるんだ?」


 通常のプレイヤーが分かるのは、他プレイヤーの名前とレベルのみである。おまけにそれらは、設定で隠す事も出来る。探し出すのは難しいだろう。

 そう思っていると。


「ヒーラーをお探しですか?」


 ブツブツ呟いていると、アルカの前に、カチューシャを付けた中学生くらいの女の子が現れた。

 問いからして、自らがヒーラー、又はそれらのプレイヤーを知っているといった感じだ。


「そうだけど……あれ? もしかして君、ヒーラーだったりする?」

「違います。ですが……場合によってはヒーラーの方より強力ですよ……? 何てったって私は、【錬金術師】ですから!」


 「えへん!」とでも聴こえて来そうな得意げな表情を、彼女は見せた。


「錬金術師……だと!?」


 アルカが驚いて見せると、彼女は更に得意げな表情を見せる。


「錬金術師って……何だ?」

「えっ!?」


 思わず、ずっこけそうになる彼女。


「錬金術師と言いましたら、ヒーラーから進化出来る職業ですよ!? いや、まぁ正統進化とはちょっと違いますけど、回復……何なら攻撃力強化とかも出来ちゃいますよ!」


 GWOでは、職業を進化させる事が出来る。

 正統進化とでも呼べる進化の他、ちょっと方向性の違う職業への進化や場合によっては全く別な職業へ進化する場合もある。

 ヒーラーの道の先に錬金術師という選択肢も存在していた。

 どのような職業かと言うと、アイテム同士を調合させ、別なアイテムを生み出すのを得意としている職業である。

 調合により、生成されるアイテムは様々で、回復は勿論の事、プレイヤーを強化するアイテムを生産、何て事も可能である。


「そうなの!?」

「はい! 実は以前、錬金術師のみが集まるクランに属していたんですよ!」

「今はしてないの?」

「あ、はい。ちょっと師匠譲りのアイテムに拘り過ぎちゃいまして……」


 照れ隠しで彼女は、笑った。


「そこで、もし宜しければ、アルカさんのクラン(?)に入れて貰いたいなぁ……何て……。駄目ですか?」

「俺の事を知っているのか?」

「有名ですからね!」

「そもそも俺、別にクラン作って無いぞ? パーティ対抗トーナメントに出場する為のパーティなら作っているけど、それでも良いなら是非来て欲しい。俺のチーム補助的なメンバーが不足していて、丁度探していた所だったんだ」

「ほぅほぅ……それならば、【錬金術師】はピッタリですね!」


 アルカは、とりあえず、他のメンバーに相談する事にした。

 2時間後にアルカのマイホームに再び、集合という約束をしていたので、彼女を連れて先にマイホームへと戻る事とした。


「あ、そういえば、君の名前は?」

「私? 私【ミーナ】!!」


 ミーナは、両手を腰に当て、元気よくそう言った。


「うわぁ! 畑だぁ!」


 アルカのマイホームには、畑があり、そこで作物を育てている。

 ミーナは、それらを見て目を輝かせた。


「ミーナちゃんも作物育ててるの?」

「いえ、全然!!」


 なぜか自信満々でアルカの問いに返した。


「後、私の事はミーナで良いですよ。私もアルカさんの事アルさんって呼ぶので!」

「お、おう。分かった」


 実際の年齢は、当然不明だが、アバターは中学生くらいの外見である。

 アバターの年相応の態度とも言えるだろう。


「そういえば、入団テスト的なものは無いんですか?」

「入団テスト? そういうのは無いけど、他のパーティメンバーの意見を聞こうと思ってな。今度の大会には、結構大事な物がかかっているから」

「そうなんですか! 何かアニメみたいですね! 私、アニメ大好き! それにしても早くアルさんのパーティメンバーに会いたいな~」


 ミーナがワクワクしていると、極が高所から降って来る。


「とうっ! 痛っ! 話は聞かせて貰ったでござる! 入団テスト……早速はじめさせて貰うでござる!!」


 着地をすると、あまりにも高所からの登場だったのか、極のHPが4分の1まで削れた。


「か、かっこいい!! 忍者みたいです!」

「侍でござるよ! とりあえず入団テストを始めるでござる! アルカ殿! 闘技場へ案内するでござる!」


 アルカは戸惑いながらも、マイホームに設置してある闘技場へと案内した。


「入団テスト……やるの?」

「勿論でござるよ!」


 何となく購入したのは良いものの、使う機会が無かったので丁度良かったのかもしれない。


「さぁ! どこからでもかかってくるでござる!」


「はい! 頑張ります」


 アルカは腕を組み、審判席で考える。


(錬金術師……補助系の職業だろ……? 1vs1の戦いじゃなくてレイドバトルとかで、どれだけプレイヤーをサポート出来るか見た方が良いような……)


 そんな事を考えている間に、試合は始まった。


「行くでござるよ、妖刀【冥王刀ネプチューンブレイド】!!」


 極は、刀を抜いた。


「刀ですか!」


「そうでござるよ! えーと……」


「ミーナです」


「そう! ミーナ殿は素手でござるか? 錬金術師は基本杖を装備しているプレイヤーが多いと聞いたでござるが」


「素手では、ありません。私の武器は、これです」


 ミーナは、アイテム画面をいじると、彼女の腰にダイナマイトが巻き付けられた。


「「ダイナマイト!?」」

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