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41.超必殺技

「グルルル」


 現われたのは、赤茶色のティラノサウルス型モンスター【ボルケーノザウルス】。

 ただのボルケーノザウルスでは無い。ネームドボスモンスターのボルケーノザウルス、その名も【ポチ】である。


「ポチ……まさかこんな形で再開するとはな!」


 アルカがポチを見てニヤリとする。


「今回は仲間だぜ? 俺を攻撃するのは勘弁してくれよな」


 アルカは、半笑いをしながらポチに語り掛けた。

 ポチは、アルカをギロリと睨み付けたがすぐにヒョヒョマルを睨み付けた。


「ヒョヒョ~確かに強そうなモンスターだけど、そんなモンスターを呼んだ所で私を倒す事は出来ないッヒョ!!」

「そいつは違うと思うぜ」

「?」


 アルカは、目の前のウインドウに表示されているポチのスキルをタッチで選択する。

 【召喚】によって出現したモンスターがスキルを使用するには、召喚主が命令をしなくてはならない。


(今の俺は、攻撃系のステータスが奴の【吸血】によって終わっちまってる。何とかしてダメージをあいつに与える!! その為に必要なスキルはこれだ!!)


 アルカは、ポチにスキル【限定加速】を使用させる。

 このスキルは、ポチが敵として出現した時に使用していた高速移動を10秒間だけ再現可能なスキルである。

 流石に常時あのスピードだとぶっ壊れ性能である。


「行け! ポチ!」


 10秒間のカウントダウンが始まった。


「? ……ッヒョヒョ!?」


 圧倒的であった。

 ヒョヒョマルも素早い相手であるが、ポチの瞬間移動とも言える高速移動を再現した【限定加速】の前にはウサギと亀である。


「ばっ馬鹿な……!!」


 10秒間……そこにはボロボロになったヒョヒョマルが居た。


「俺のステータス……返して貰ったぜ!!」

「くっ……許せん……許せん!!」


 ポチは、召喚状態が解除され、消滅した。

 だが、ヒョヒョマルの体力はまだ残っている。


「さて……俺達の戦いの再開だぜ!!」

「もう遊びはナシッヒョ~!!」


 ヒョヒョマルが右手を手刀のようにし、アルカの心臓部目掛けて突き刺そうとする。

 だが、アルカは右にかわす。


「よし……練習の成果見せてやる 超必殺技だ!」


 超必殺技とは、その名の通りアルカが考えた技である。

 スキルとは異なる。


「【ローリングクラッシュ】!!」


 アルカは技名を叫ぶと、尻尾でヒョヒョマルを捕まえる。

 そのままアルカ自身と共に回転をしながら、地面を移動する。

 回転移動の際に相手を壁などに当てる事がこの技のポイントである。

 最後に【爆炎】で壁に叩き付け、仕上げである。


「超必殺技が決まった! 痺れるぜ!!」

「くっ……くっそぉぉぉ!!……す、すっごく強いんだねッヒョー!!」


 ヒョヒョマルは、【爆炎】の爆発により、残り少ないHPが0となると消滅した。


 アルカが勝利すると檻が消え、仲間達がアルカの元へと駆け寄る。


「お、おお! やりおったな!」


 極が目をキラキラさせ、拍手する。


「技名を叫ぶ所とか、ただのコンボ攻撃を超必殺技とか言っちゃう所がマジアルカちゃんって感じだったでござる」

「そ、そうか?」


 アルカは照れたのか、自らの首の後ろをかいた。


「ってそうじゃないですよ!!」


 キメラが叫んだ。


「?」

「いや、あのモンスターってこの前私達が倒したネームドボスですよね!? しかも、【テイマー】じゃないのにモンスターを使役出来る何て、ヤバくないですか!?」

「ちょっ、落ち着いて……」

「あ、すみません」

「いや、確かに俺もビックリした」

「それはびっくりしますよね…… あっそうです! 【召喚】って再度使用出来ないんですか?」

「そういえばそうだな……ってあれ?」


 スキル【召喚】は存在しているのだが、灰色になっており選択できない。頭の中で考えても発動出来ない。


「どうなってるんだ?」


 よく確認してみると、【召喚カード】を空中にスキャンしなくては召喚出来ないようだ。

 ストレージを確認してみると、【ポチ】と書かれたカードがあった。


「これか……でも1回使うとしばらく使えないみたいだな」


 どうやら連続して使用出来ないようである。使用可能になると、イラスト部分が灰色からカラーになるようだ。


「懐かしいでござるな~」

「ん?」

「いやいや、昔流行ったのを思い出しただけでござる」


 極は、昔ゲームセンターで遊んだアーケードゲームを思い出していた。

 100円を入れるとカードが1枚排出されるのだ。

 先程の【召喚カード】がそのアーケードゲームに使用されたデザインと非常に似ていたので懐かしんでいたのである。


「あ、あ、あ、あの頃は楽しかったでござるぅぅぅぅ!!!!」

「き、極ちゃん!?」


 キメラは極の突然の叫びに困惑していたのだった。

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