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35.地獄層

 第三層、通称(非公式名称)【地獄層】へとやって来た、アルカ、極、キメラ。

ミサキは一緒にプレイする気は無いようで、どこかへと行ってしまった。おそらく、本番に向けて修行に向かったのだろう。

 この層が【地獄層】と呼ばれる理由は、この層全体が魔王に支配されており、全体的に暗いからである。


「物騒な雰囲気だな」


 アルカが周囲を見渡し、感想を述べた。


「どうやら、このエリアからがこのゲームの本番って言ってもいいくらいみたいですね。何でもこの層でつまづくプレイヤーが多いらしいです」

「なるほど。で、この層は何でこんな物騒何だ?」

「この層は、魔王に占領されている設定のエリアらしいです」

「このゲーム魔王とか居たんだ」

「はい。そして、この層でのフロアボスは事実上魔王であり、魔王を倒すと同時に第四層へと行けるみたいです」


 キメラの情報は全てネットで得た情報である。


「そうでござるか。さぞかし魔王殿の経験値は美味しいのでござろうな」


 極はニヤリとする。そんな極を見て、アルカは思い出す。


「そういえば、あの件の事、極に言ってなかったな。キメラちゃん、言ってもいいかな?」

「はい。協力者が増えるのは頼もしい事です」

「分かった」


 アルカは、キメラが部長を務める、歴史あるゲーム部が廃部になる可能性がある事を伝えた。


「な、何と!! 物凄く燃える展開でござるな!」

「アルカさんと似たような反応を……」


 キメラはそっぽを向き、ぶつぶつと呟いた。


「そういう事であれば、拙者も協力するでござる! 例えパーティに参加出来なくとも、レベル上げの手伝いとかは出来るでござる!」

「ん? 試合には参加しないのか?」

「良いのでござるか? 拙者そこまで強くないでござるよ?」


 現実の問題がかかっている事もあり、極は遠慮がちになってしまっていた。


「大丈夫だ。それを言ったら俺もまだまだ実力不足だ。もし極が良かったら是非パーティメンバーになって欲しい」

「アルカ殿……」


 二人の信頼が良く分かる。そんな二人を見てキメラは思う。


(アルカさん、そんな簡単に決めて大丈夫ですかね……いや、極ちゃんも強いですけど)


 廃部がかかっているのだ。不安になるのも無理はないだろう。


(いや、私が仲間を信じなくてどうするんですか!)


 キメラは顔を上げる。


「極さん、もし良ければ私からもお願いします」

「……分かったでござる! 絶対に勝つでござるよ! その為には……」


 極は、遠くにそびえ立つ黒い城を見る。


「魔王を倒さなくてはござらんな」

「そうだな。とりあえず、明日からこの階層を攻略しよう。今日はもう遅い」

「あ、はい。後……提案があるんですが……」


 キメラは、何やら意見があるようだ。

 アルカは、極の意見に耳を傾ける。


「おっ! 何かあるのか?」

「とりあえず、今の所パーティメンバーが4人集まりました。お互いの事を知る為にもお食事会でもしませんか?」


 正直、食べてばっかりな気もしなくもないが、生徒会長であるカノンを含めた食事会は行っていない。

 互いの仲を深める為には、そういう事も必要なのかもしれない。


「そうだな! この層にもレストランはあるみたいだ。俺が個室を予約しておくからカノンちゃんにも言っておいてくれないかな?」

「ありがとうございます。では、そこにあるレストランに明日の20時に集合という事で良いですか?」


 アルカと極は、大丈夫なようで頷いた。

 レストランは……というかこの層の建物は割とボロボロなので……。


「中身はちゃんと綺麗何だろうな?」


 アルカは、疑問に思ったようだ。


「第二層のレストランにしますか?」

「いや、メニューが違うかもしれないからここにしたい」

「分かりました。じゃあ、また明日」

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