表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/325

34.ライバル宣言

「はぁ!! アルカさんは確かに強い! しかしですねぇ! 私の方がレベルは圧倒的に”上”何ですよ! うえぇ!!」

「くっ! 確かに一撃一撃が重い……! でも前戦った時はここまで重い攻撃じゃ無かった筈だ」


 ユニーク武器である、大鎌のおかげもあるが、育成の方針を変えたという事も理由の1つであった。

 アルカは、クリスタルブレードで弾くが、それにもヒビが入っていってしまう。

 そして、遂には破壊されてしまうのであった。


「俺のクリスタルブレードが!!」


 武器は破壊されてしまうと、修復しなくてはならない。よって、この勝負に使用する事は叶わなくなる。


「壊れてしまいましたね……壊れましたねぇぇぇ!!!! ぶっ壊れたなぁ!!」


 ミサキは勝利を確信したかのように笑う。


「おまけにその武器を修復するには、かなりの器用値を要する筈です。残念でしたね」


 アルカは、危険を察知し、後ろに大きく下がる。そして、クリスタルブレードの装備を解除する。

 そして……。


『ユニークスキル【第三の瞳】を取得しました』


(このタイミングでユニークスキル!? 奇跡が起きたって奴だな)


 【第三の瞳】の解放条件は、武器が破壊される事である。最も、ユニークスキルなのもあり、アルカ以外取得出来ないが。


「まだまだ勝負はこれから! スキル発動! 【第三の瞳】!!」

「!?」


 スキルを発動すると、アルカの翼の三番目の瞳大きく見開く。


【第三の瞳】:

レベルが自分より上か、下のプレイヤー相手にのみ、発動する事が出来る。

相手プレイヤーのコントロールを10秒間得る。

その際、このスキルを発動したプレイヤーは、行動不能となる。


「か、体が動きません」

「それがこのスキルの効果だ! 最も、燃費が悪いから連続使用は出来ないけどな」


 アルカは、ミサキの身体を操り、大鎌でミサキの身体にダメージを与え続けた。


「な、何なんですか!」


 ミサキのHPが減っていく、そしてHPが4分の1となった所で、スキルが解除される。


「よし! 大分削った」

「ここからが本番ですよ?」


 ミサキの大鎌から、【デス・サイズ】を使用した時とは違う、赤黒いオーラが発生している。


「この武器は、私のHPが残り少なくなると、私の攻撃力と特殊攻撃力が増加する特殊な武器です。さぁ! そろそろ終わりにしますよ!」


 ピンチかと思われたその時、極が駆けつける。

 極は、ミサキを刀で攻撃する。


「キメラさん!! 何で負けてるんですか!! まぁ良いです。残念ながら貴方が来た所で変わりありませんよ」

「それはどうかな? ……アルカ殿! 合体でござる!! スキル攻撃で一気に決めるでござる!!」


 合体とは、何なのだろうか?


「おう! 来い!」

「「合体!!」」


 二人はそう叫ぶと、極がアルカの背中に乗る。


「合体だか何だか知りませんが、ただ上に乗っただけで何が変わるんですか? それに、まとまってくれたおかげで一気にキル出来ます。【グロリアス・ダークロード】!!!!」


 ミサキの両手にドス黒い球体が生成される。それを鎌で弾くと、極太の光線のように、二人に向けて発射された。


「決めるぞ……!!」

「ああ……!!」


 二人は特に作戦を決めていなかったが、何となく互いの考える事は分かっていた。


「【エンチャントレインボー】!、【流星群】!」


 極は、2枚の札を使用する。

 初めて使用する【エンチャントレインボー】は、次のスキル攻撃に全属性を付与するスキルだ。


「スキル発動……!! 【爆炎】!!」


 アルカは、爆炎を使用する。

 二人の攻撃がミサキに襲い掛かる。


「スキル同士で激突させる気ですか! 負けませんよ!」


 七色に輝いた流星群と爆炎は、グロリアス・ダークロードとぶつかり合う。


「根性だけでは勝てませんよ?」

「確かにそうでござるな。しかし、拙者の【エンチャントレインボー】で、【流星群】は全属性が付与されているでござる」

「くっ……ですが! レベルは私の方が上です! スキルのぶつかり合いでは勝てません」


 アルカが言う。


「最初からそのつもりは無い」


 アルカは、極をミサキに向け、技を回避するように上手くぶん投げた。


「ふにゃあああ!!」


 極は、そのまま、ミサキに突きを入れる。しかし、HPは削りきれていない。

 だが、咄嗟の出来事でグロリアス・ダークロードの方向がズレる。


「今でござる!! 拙者ごとやるでござる!!」

「すまない! 超至近距離! 【爆炎】!!」


 アルカは、ミサキに接近すると、【爆炎】を使用した。


「ぐあああああああああああああああ!!」


 ミサキの残りわずかのHPは削れ、極と同時に0となった。


「……ふぅ」


 アルカは、ホッとし、床に座り込んだ。


「またしても……負けてしまいました……。しかし、これは予行演習です」


 ミサキが言った。


「予行演習……だと?」

「【パーティ対抗トーナメント】。私はそこに出場します。アルカさんも出ますよね?」

「まぁな!」

「それなら良かったです。次こそが本番です。必ず勝って見せます。ですから……私と当たるまで負けないでくださいよ?」


 ミサキは、流し目でアルカに宣言するのであった。


「ああ、決勝で会おうぜ!」


(決勝で会える確率って相当低いですよね)


 キメラは、口には出さず、心の中で突っ込みを入れるのであった。


「それとキメラさん、貴方の名前も覚えました。アルカさんと同じパーティで出ると予想していますが……もしそうなら一緒にボコボコにします!!!! 絶対に!!!!」

「えっ」


 ミサキは、タッグパートナーであるキメラが倒された事に、勝手にキレていた。


「はは、ライバル登場だな!」

「そ、そうですね」


 アルカは笑いながら言ったが、キメラは苦笑いをするのであった。


「そういう訳だ。絶対に勝とう!」

「は、はい。最初からそのつもりでしたよね……?」

「? ……ああ!!」


 少し間を置いた後に、アルカは腕を組みながら返事をした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ