33.初タッグバトル
タッグバトルとは、その名の通り二人一組でタッグを組み、戦闘を行う事である。
「どうです? やりませんか?」
「タッグバトルか……いいぜ。やろう」
アルカは、タッグバトルの申し出を受けた。
「拙者はアルカ殿と組むでござる。生まれ変わった拙者の実力、見るでござる」
極は、アルカの隣へと移動した。
「じゃあ、キメラさん。私と組みましょう」
「えっ?」
「足だけは引っ張らないでくださいね」
「あ、はい」
キメラは、メニュー画面を開き、バトルモードのリストからタッグバトルを選択する。
「キメラちゃん、何してるんだ?」
「この前のアップデートで追加されたシステム、バトルモードです。バトルモードでバトルを行うと、HPが0になってもリスポーン地点へと飛ばされません」
これでフィールドでも、思う存分戦闘を行えるという訳だ。
『バトルフィールド展開、これよりタッグバトルを開始します』
電子音声が鳴り響いた。
バトルフィールドと言っても、先程居た場所と外観は変わらない。
しかし、正確には別エリアに飛ばされている扱いとなっている。
これにより、他のプレイヤーが来たとしても、その介入を防げるという訳だ。
「じゃあ、始めますか」
ミサキの大鎌が黒に近い紫色に光る。
スキル【デス・サイズ】を発動したのだ。
「先手必勝!!」
【デス・サイズ】により、攻撃力を上昇させた大鎌がアルカに襲い掛かる。
「食らったらやばそうだ……!」
ミサキの現在のレベルは、【47】レベル。現在のレベル上限である【50】に近い数字である。故に一発一発の攻撃が致命傷になりかねない。スキルを用いての攻撃であるならば、尚更である。
「【トルネード】!」
極が札をデッキケースから取り出し、手に持ち、スキルを発動させる。発動させると、札は青い炎で燃え、消滅してしまう。ちなみに発動したスキルは、小型の竜巻を発射する【トルネード】である。
「へぇ、そんなアイテムがあるんですか! ですがそんな雑魚スキル、食らった所で痛くありませんよ!!」
正確には、ユニーク職業【陰陽師】により極のみが持つ札なのだが、皆極が何かのアイテムを使用したものだと思っている。
【トルネード】がミサキに襲い掛かる。
「やはり、効きませんねぇ!」
「それはどうでござる? ……スキル発動!! 【スキル分身の術】!!」
1つだった小型の竜巻が、分身し、複数出現。まるで、第一層のフロアボス、エアーゴブリンの攻撃のようである。
「目くらましですか……!!」
極の妨害により、【デス・サイズ】は不発に終わってしまった。
「調子に乗るな!!」
ミサキは、極をギロリと睨み付けた。そして、キメラに言う。
「キメラさん!! 貴方も早く攻撃してください!! でなければ、私が貴方を攻撃しますよ!!」
「わ、分かりました」
戦闘前に【マジカルチェンジ】を使用していたので、既に魔法少女形態であった。
「【光の波動】、10連射!!」
光の球体を連続で発射するキメラお得意の攻撃である。
(【第二の瞳】……と言いたい所だが、発動すると今のHPから半分削らなくちゃならない。とにかく今は回避だ)
アルカは、飛行しながら、スキル攻撃を回避する。
「油断は禁物でござるよ?」
「しまった!?」
アルカに狙いを定めていたので、背後に迫っていた極に気が付かなかったキメラ。
「はあああああああああああああああああ!!」
刀を使用し、飛翔していたキメラを叩き落とす。そして刀を使用し、連続で攻撃を浴びせる。
スキルを発動させる方法は、通常のプレイヤーの場合、2つある。
1つは、メニュー画面を開き、そこから使用する。これは、隙が大きいのでこの方法をとっているプレイヤーは0に近いだろう。
2つ目は、脳内で所持スキルを発動させる事である。ほとんどのプレイヤーがこちらだ。
(キメラ殿は、MPを消費せずにスキルを発動出来るでござる。だが、スキルを発動させる隙を与えないように連続で攻撃を浴びせれば攻略出来るでござる)
キメラは、物理防御力に関しては正直言って高いとは言えない。
極の攻撃により、キメラのHPはゴリゴリと削られていく。
「……これで決めるでござる。【高速化】、【攻撃強化】」
2つの札を消費して、2つのスキルを発動させる。
一定時間それぞれ、素早さと攻撃力を上昇させるスキルである。
極は、すれ違いざまに斬り付ける行為を連続で行った。素の素早さが高い極が【高速化】を使用しているので、かなりのスピードである。
「くっ……」
キメラのHPは、0になった。
「やった! 勝ったでござる! ……と言いたい所でござるがこれは、タッグバトル。アルカ殿を助太刀するでござる!」
アルカが、【クリスタルブレード】を装備し、ミサキの大鎌と何回もぶつかり合っている。
「やはり、貴方には、私の戦闘本能を刺激する何かがありますね!」
「誉め言葉として受け取っておくぜ!」
極は、助太刀しようとしたが、中々入る隙が無かった。下手に介入すれば、レベル【47】の攻撃が飛んでくるからである。




