3:活発系銀髪ロリポニテ美少女
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ログアウトをするとヘッドギアを脱ぎ、椅子に座り、パソコンを開く。
通話も出来るチャットソフト、【ランド】で極に文章を送る。
アルカ「極、今暇?」
10秒くらい経つと返信が返ってきた。
極「ア、アルカ殿! 事件でござるよ!」
アルカ「どうした?」
極「GWOの割と序盤の森で化物が出没したもようw」
アルカ「化物?」
極「人気配信者……配信者と言ってもヴァーチャルな配信者な訳だが、その化物にボコられたらしいw」
アルカ「俺配信者あんまり詳しくないけどそんなにやばいのか?」
極「その娘達はアイドル的存在でござるからな。ファンがお怒りでござるよ」
「ん?」
化物、森……そして娘達……アルカはもしやと思い、極に尋ねてみた。
アルカ「もしかしてその化物ってドラゴンだった?」
極「ドラゴンはドラゴンだが、翼に目ん玉あって割とグロかったでござるよw」
「それ俺だ」
アルカ「それ俺かもしれない」
極「ちょっwマジでござるか? GWOは美少女アバターになるのがお決まりでござるよ?」
アルカ「マジだよ。全然美少女じゃない。でもステータス見る限りは♀だった」
極「ドラゴンの中では美少女なのかもしれないでござるな。というか実は拙者まだプレイしてないのでござるよ」
アルカ「えっ? そうなの?」
極「あいっ!」
アルカ「じゃあ、俺のフレンドコード教えるからゲーム内で連絡取ろうぜ。俺一人じゃモンスターだと誤解されてしまう」
カケルはフレンドコードを打ち込むと、極にそれを送信する。
そして30分程休憩した後に再びGWOへとログインする。
「相変わらず可愛く無いぜ」
湖に映った姿を見てそう漏らしたのであった。
「だが、悪くない」
そう感想を述べていると極から連絡が来た。
連絡に応答すると、空中にディスプレイが開き、そこには銀髪ロリの美少女が映し出された。
「も、もしかして極?」
「そうでござるよ! 惚れたでござるか?」
目力の強いキリッとした瞳にポニーテールにした髪型が印象的であった。
活発系ロリと言った所であろうか。
「声も可愛いな」
「てっ照れるでござるよ! なんつって!」
失礼だが、アルカにとって、極の容姿イメージは正直あまり良い物では無かった。
メタボで髭も剃っていない40代くらいのニートのおっさんを想像していた。
なので、今のロリボイスロリ美少女な極は違和感が半端無かった。
まぁ、これはアバターなので実際はアルカの想像通りなのかもしれないが……。
(このゲームが人気な理由が何となく分かった気がするぜ)
「で、アルカ殿は……かっこ良いでござるな!」
「さっきグロいって言ってただろ!」
「グロかっこいいって奴でござるよ!」
アルカは素直に誉め言葉と受け取る事にした。
「で、極は今どこに居るんだ?」
「はじまりの街でござるよ。さっきチュートリアルを受けてモンスターを倒して来た所でござるよ」
「え? 俺はいきなり森に捨てられたんだけど……」
「捨てられたとは面白い表現をするでござるな!」
「いやだって、捨てられてるでしょこれは。というか何か俺だけ他のプレイヤーと扱い違くない?」
「まぁまぁ、気にするな。オンリーワンは大事でござるよ?」
極はウインクをアルカに向ける。
「……で。何か良い方法は無い?」
「え?」
「俺がモンスターだと間違われない方法だよ!」
「か、簡単でござるよ! キシシ」
変な笑いをすると人差し指を立て、アイデアを出す。
「拙者のテイムモンスターって事にするでござるよ! それで無害さを証明した後にプレイヤーと明かせば宜しい」
「そんなに上手くいくかねぇ」
「とりあえずやってみるでござる。……それか美少女化するかでござるな」
「美少女化……?」
「あ、あれでござるよ……色々あって人外が美少女に変身出来るようになるあれでござる」
「変身か……」
アルカは自らの翼を広げ閉じた瞳を見る。
(瞳の数は全部で8つ、第一の瞳はプレイヤーを装備する効果を持っていたけど、もしかしたら人間化出来る能力もあるかもしれないな)
アルカは翼を折り畳み、ディスプレイに映った極を見る。
「とりあえず、会おうぜ」
「オ、オウフ! で、ではメニュー画面から、フレンドに居場所を知らせる、を選ぶでござる」
アルカはメニュー画面を開き、それらしきものを探す。
確かにあったので、極に居場所を知らせるを押した。
「近くでござるな。今行くでござるよ」
通話が終了すると、ディスプレイは閉じた。
「さて、どうするかな」
とりあえず極が来るまで暇なので、その辺に生えてるキノコを食べる事にした。