表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

268/325

255.スペシャルおみくじ

 おみくじの結果を変える、一体どのような方法なのだろうか?


「一体どんな方法なんだ?」

「それはですわね! こちらですわ!」


 ジルコは運営からのお知らせメッセージを広げる。


「たった今届きましたの! おそらく、お二人にも届いている筈ですわ」


 ジルコがそう言ったので、アルカとミサキはメッセージの確認を行う。

 すると、新たな正月イベントについて書かれていた。


「【スペシャルおみくじ争奪戦】……!?」


 スペシャルおみくじ……今あるおみくじを捨て、自由におみくじの結果を書き込めるアイテムのようだ。

 ミサキは落ち込みから回復し、目を見開いてメッセージを読み進めた。


「これなら……! これならいけます!」


 ルールは実にシンプルなものであった。

 まず最初にサバイバルエリアという専用エリアへと転送され、その中で生き残ったパーティ2組が戦うようだ。

 そして、勝ったチームが優勝者となる。

 ということで、パーティを組むことが必須となる。


「ははっ」


 アルカは笑った。


「何がおかしいんですの?」

「いや、なんだか美少女コンテストとか、パーティ対抗トーナメントのことを思い出してな」

「確かにルールは似てますわね」


 大体イベントというのは、似たり寄ったりになったりしてしまうのかもしれない。

 だが、別にアルカはそれに不満はなかった。

 笑ったのは、数カ月前の出来事なのになんだか懐かしく感じたからだ。

 それだけ、GWOはアルカに充実をもたらしたのだと言えよう。


「それで、パーティはどうするんだ? クランとか関係なく自由に組めるみたいだけど」


 アルカはミサキを見る。


「アルカさん。お願いがあります。協力してください」


 いつになく落ち着いた感じで、ミサキは言った。


「俺がか!? ここはもっと仲のいい人とやった方がいいんじゃないか? 負けても死ぬわけじゃないし」

「私達仲良くないんですか!?」

「えっ!? 俺達ってそんな深い関係だったのか!?」


 アルカは冷静になる。


「1つ訊いていいか?」

「なんですか?」

「今のは愛の告白か?」

「なんでそうなるんですか!? 普通にライバルって意味ですよ! まぁ、友達って意味合いもなくはないですが」

「そういうことか! ミサキちゃんがいいなら、俺は協力できるぜ!」

「勿論、タダでとは言いません! なにか条件を付けてください!」

「条件!?」


 特に考えていなかったので、あたふたしてしまう。


「う~ん」


 アルカは首をかしげる。

 特に頼みたいこともないのだ。

 けど、それではライバルに失礼だ。


「じゃあ、条件だ! ゲームについて、俺が困った時に協力してくれ!」

「な、なんですかそれ」

「いいからいいから! それが、俺が引き換えにする条件だぜ!」


 嘘は言っていない。

 ミサキは強いので、何か困ったら協力してもらうおうと考えているのだ。

 それに対し、ミサキは少しムッとしながらも頷く。


「なんか、甘やかされてる気がしますけど、ありがとうございますとだけ、言っておきます」


「でも、良かったじゃありませんか! そして勿論、ワタクシも参加いたしますわ!」


 ジルコはニヤニヤする。


「これで優勝したら、人気Vtuberのミサキさんの協力者として有名になること間違いなしですわ! そして、Vtuberデビューして、たんまり稼ぎますわよー!」


「ジルコさんもありがとうございます。それにしても、貴方は本当にお金が好きですね」


 少し呆れながらもミサキはジルコに対して感謝を述べるのであった。


(ジルコちゃんってお嬢様じゃないのか……?)


 お嬢様口調なので、アルカはジルコのリアルをお嬢様だと思っているようであったが、実際はどうなのだろうか?

 だがそこはプライベートな問題。

 あえて突っ込まなかった。


「俺、ジルコちゃん、ミサキちゃん、これで3人揃ったな」


 今回のイベントは5人までパーティに加えることができる。

 パーティ対抗トーナメントの時と同じだ。


「後2人ですか……クランメンバーのセイさんでも入れますか?」

「う~ん、セイさんの場合、サバイバルルールに適していませんからね。それに、連絡も取れていませんですわ」

「開催は明日ですからね。なんでこんなに急なんでしょうか」


 そう、急ではあるが、明日それが行われる予定だ。

 優勝したところで、当たるかも分からないおみくじの結果が変わるだけだ。

 その為、「参加できる人は暇つぶしに参加してね」

 くらいに、運営はとらえているのかもしれない。


「後2人だったら、各クランから1人ずつってのもいいよな」

「明日急にってなりますと、厳しいかもしれませんわね……」

「とりあえず、俺の方はクランメンバーに明日出られる人いないか訊いてみる」


 と、2人で話していると、隣でミサキが連絡をし始めた。

 アルカとジルコは気が付かずに話を続ける。


「あ! OKですか! えっ? 事務所の許可? 明日までにお願いします!」


 ミサキが嬉しそうに声をあげると、アルカとジルコは気が付く。

 ミサキは話しを終えたようで、通話相手との連絡を切る。


「誰に電話してたんだ?」

「ふっふっふ! 内緒です! とりあえず、安心してください! 1人確保できそうです!」

「本当か!? 一体誰なんだ!?」

「確定ではないので、まだ秘密です! かなり強力な助っ人とだけ言っておきます!」

「おお! なんだか分からないけど、期待しておくぜ!」


 ミサキが連絡をした人物とは一体誰なのだろうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ