26.火山エリアの強い奴
「とりあえずレベル上げから行くか」
「そうですね。何処でレベル上げしますか?」
「どうしようかな」
「えっ?」
アルカは考え込んでしまった。
レベル上げをすると言っても第二層へ来たばかりで、どこにどんな特性を持ったモンスターがいるか不明だからだ。
「そういえば、キメラちゃんはこのゲームについて割と詳しかったよな」
「ネットで公開されている情報でしたらある程度は……」
「じゃあ、お勧めのレベル上げポイントとか分かるか?」
「第二層の火山エリアに生息するボスモンスターでしたら経験値を沢山貰えます。しかし……」
「しかし?」
「そのモンスターって正直かなり強いんですよ。特に攻撃力がやばいんです」
火山エリアに生息するボスモンスターの名は【ボルケーノザウルス】。
討伐すればかなり美味しい経験値を貰えるのだが、討伐難易度はかなり高く、この層のフロアボス(次の層へ行く為に倒す必要のあるボス)より強いとの声もある。
特に攻撃力が高く、一発でも嚙みつかれようものなら、この層のプレイヤーのステータスであればおおよそは死ぬであろう。
「でも倒せたら面白いよな?」
「面白い……?」
「ああ! それにプレイングも磨くことが出来る。一石二鳥所か一石三鳥だな」
「分かりました。確かにプレイングを磨く事は大切です」
二人は、店で回復薬等を購入すると、火山エリアへと向かった。
時間がかかるので、アルカの飛行での移動だ。
「暑いですね」
「そうか?」
アルカのアバターが特殊なのか、あまり暑さを感じなかった。
「この辺りには、トカゲのモンスター、えーと……ファイアリザードが沢山居るんだな」
四足歩行の赤茶色のトカゲ、【ファイアリザード】がそこら辺に居る。
「火を吐いて攻撃して来ます。気を付けてください」
「分かった」
アルカは、肉体を用いての攻撃をファイアリザードに浴びせた。
「相変わらず豪快な戦い方ですね」
「なるべくMPは節約したいしな」
「私は、通常形態だとコストパフォーマンスが悪いので、変身します」
キメラは、魔法少女形態へと変身する。
「変身能力良いなぁ」
キメラは、ファイアリザードを魔法を用いて撃破していく。
「俺もやるぜ」
尻尾でスイング攻撃を行い、敵ののけぞっている間に、【咆哮】で攻撃した。
すると、アルカのレベルは、【16】へと上がった。
「よし! レベルアップ!」
レベルアップによりアルカは、スキル【メタルウイング】を取得した。
メタルウイングは、翼を鋭い鋼へと変えるスキルである。
「おお! 攻撃系スキルじゃないけど攻撃に使えそうなスキルを手に入れたぞ」
アルカは、早速メタルウイングを使用し、ファイアリザードを撃破する。
「時間は大体、10秒くらいか」
翼を鋼へと変えていられる時間は、10秒間だけであった。
「だが、これは防御にも使える良いスキルだ。活用していこう」
「アルカさん、新しいスキルを覚えたんですね」
「中々強いスキルだよ……というかボルケーノザウルスの出現条件って何なんだ?」
アルカは、思い出したかのようにボルケーノザウルスの出現条件をキメラに問う。
「火山エリアに生息する敵を一定数倒すと特殊エリアへと転送され、そこで戦闘を行えるそうです」
「なるほど」
「忘れてましたが、パーティ登録しておかないとどちらか片方しか行けないのでパーティ登録お願いします」
「分かった」
GWOのパーティ登録機能は、ログアウトするまで継続される。
アルカは、キメラを自身のパーティに追加した。
1時間後。
「中々現れないな」
「確率もあるらしいですから……それにしてもかなりの数のファイアリザードを倒しましたね。ファイアリザードの装備が一式作れそうですね」
「作るのか?」
「私は、【魔法少女形態】になると専用装備となるので、別な所にお金を使いたいですね」
「そういえばそうだったな。俺はサイズが合わなくて装備出来ないだろうからなぁ」
「でしたら鍛冶師の方に頼んでみるのも良いかもしれませんね」
「鍛冶師?」
【鍛冶師】とは、装備や武器を強化、作成出来る職業である。戦闘向けでは無いが、需要のある職業だ。器用値が一定値あると、初期の職業選択候補に出現する。
「そんな職業があるんだな」
「はい。GWOは、戦闘が苦手なプレイヤーも多いですから、進んでそういった生産職に就く方もいるらしいです。最も、職業システムが追加されたのが最近なので、強力なものを作成出来る方はほとんど居ないみたいですが……」
話しながら、ファイアリザードを倒していると、地面が揺れる。
「うおっ!? 何だ?」
「別エリアに転送されます!」
「見つけました! 【ハイドロレーザー】!!」
アルカに何者かが放ったスキルが飛んできたが、アルカとキメラが別エリアへと転送される方が早かった。
「消えました……」
二人は別エリアへと転送された。
火山エリアと似てはいるものの、シンプルな平地のフィールドとなっており、モンスターも居ない。
「来ますよ」
「よし、行くか!」
空からボルケーノザウルスが降ってきた。
ボルケーノザウルスは叫びをあげる。
外見は、赤茶色のティラノサウルスといった感じである。
「ボルケーノザウルスは攻撃力がかなり高いです! アルカさんでも食らえば死ぬ可能性があります!」
「そいつは気を付けないとな」
アルカは、メタルウイングを使用すると、ボルケーノザウルスへと突っ込んだ。




