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242.油断大敵

 ステータスが3倍となったドラゴンキングと戦うこととなったアルカとキメラ。

 全身が鎧かと見間違えるかのような巨大なドラゴン、すなわちドラゴンキングが2人の目の前にいる。


「キメラちゃん! あいつの属性は分かるか!?」

「いえ! 分かりません!」

「そうか! ならば、ゴリ押しだぜ!」


 アルカは走り、ドラゴンキングの頬をぶん殴る。


「効かんぞ!」

「くっ……!!」


 ドラゴンキングは両手でアルカを握りしめ、地面へと叩き付けた。


「ふんっ! 弱いぞ!」

「これが……3倍の力か……」

「ふっはっは! その通り! これぞ宝玉の力だ!」

(言ってねぇ)


 ドラゴンキングは以前は優しいリーダーだったが、宝玉を取り込みすぎ、暴走してしまった結果今の性格となってしまった。

 という設定である。


「アルカさん! 隙をありがとうございます!」


 【フォームチェンジ】でヒートスカイフォームとなったキメラが連続で蹴りを入れる。


「鋼には、火が効くんですよ!! 溶けますからね!!」


 ヒートスカイフォームは物理に特化した火属性のフォームだ。

 ちなみにキメラの説明はこのゲームでは当てはまらない。


「【フレイムキック】!!」


 ダメージは与えられているが、やはり弱点をついた訳では無さそうだ。


「ふははは! 俺に弱点はない! 多くの宝玉を取り込んだ結果、俺の無以外の属性攻撃は相手の弱点を全てつき、逆に俺が受けるダメージは全て半減する!」

「なっ! そんなの有かよ!」

「俺を誰だと思っている? ドラゴンキングだぞ!」


 ドラゴンキングが口から光線を放つ。


「【エレメンタルブラスト】!!」


 アルカは地面で転がり、射程範囲からズレる。


「小娘から先に始末してくれるわ!」

「キメラちゃんの耐久だと不味い!!」


 ヒートスカイフォームは空中戦が得意ということもあり、一直線の光線など、かわすのは容易であった。


「こざかしいぞ!」


 始末できずに不機嫌なドラゴンキング。

 そんなドラゴンキングに向け、アルカはスキル攻撃を放つ。


「【ヴェノムブレイカー】!!」


 紫色に染められた手が、ドラゴンキングの頭に振り下ろされる。

 アルカの攻撃力は高いのだが、3倍のステータスなので、大ダメージとはならなかった。

 だが、ここでアルカは案を思い付く。


「キメラちゃん、俺思ったんだけど、これ片方が囮になって片方が攻撃をしまくれば勝てるんじゃないのか? 幸い相手はただステータスが高いボスだ」

「そうですね。思った程の強敵ではなさそうです! ただ、長期戦は覚悟しないといけませんね!」


 そして、10分程同じような戦法を取った結果。


「ようやくHPが半分まで削れましたね……。長いです……」


 アルカの攻撃力があってもこれだ。


「こうなったら……私も攻撃に参加です! 【ヒートナックル】!!」

「ぐぬぅ……!!」


 炎の拳がドラゴンキングにヒットする。


「おお! キメラちゃんの攻撃力も凄いな!」

「ありがとうございます! どんどんぶち込みますよ!!」

「え?」


 次々に炎の拳をぶち込んでいくキメラ。


「キメラちゃん! 戻った方がいい!!」


 囮役として、空に戻ることを勧めるアルカ。

 ここでキメラがやられてしまっては、作戦が成り立たないからだ。


「大丈夫ですよ! 私はゲーマーで世界一ラッキーな女ですっ!」


 ドラゴンキングがキメラを掴む。


「【エレメンタルブラスト】」


 逃げられないキメラに極太光線がヒットする。

 そして、ぐったりとしたキメラを壁に放り投げた。


「キメラちゃん!!」

「ア、アルカさん……すみません。油断してしまいました」


 キメラはヨロリと立ち上がる。

 変身は解けているが、【マジカルチェンジ】の効果でHPは1残っている。


「キメラちゃん……滅茶苦茶久しぶりに、あれをやるぞ!」

「あれって……?」

「合体だ!」

「そういえば……それがありましたね! いやぁ、思い出しますねこの展開。まるで私とアルカさんが初めて会った時のことを思い出しますよ!」

「じゃあ行くぜ!! スキル発動!! 【コンファイン】!!」


 アルカの腹部から鋼の爪のようなものが飛び出し、それでキメラを掴み、体内へと収納する。

 これにより、アルカはキメラのスキルを発動することが可能となった。


「ふはははは! 味方を食ったか! お前も中々の悪党だな!!」

「それはどうかな?」


 アルカはキメラのスキルを発動させる。


「【マジカルチェンジ】!!」


 アルカが光に包まれる。

 そして、その光の中から少女が現れた。

 黒髪ショートで紫の瞳が特徴的な、13歳くらいの黒マントを羽織った少女だ。


「さて、この姿で久しぶりに行くぜ!」

「弱そうになったものだな!」

「どうかな!! てんこ盛りだ食らえ!!」


 昔はマジカルチェンジ中はあらかじめセットされているスキルしか使用できなかったが、それはアルカとキメラが出会った時の話である。


「【ネクストチェンジ】!! 【女神モード】!!」


 次なる段階へ変身するキメラのスキル、【ネクストチェンジ】。

 そして、アルカの【女神モード】。


 それらのスキルを一度に発動させる。


「時間はない! 一気に行くぞ!!」


 アルカはスキル【破壊道】を発動。

 右手から極太光線が発射される。


「まだだ! 【スターブラスト】!!」


 星型の弾丸からL時にした指から次々と発射される。


「な、なんだこの威力は!?」

「友情パワーだ……と言いたい所だけど、ただのゴリ押しだ!!」


 本来であればこんな制御しにくい戦法は通用しないだろう。

 だが、ドラゴンキングはその巨体故、素早くない。

 ステータス的な意味合いでの素早さは高かったのだが、それを活かせてないのだ。


「【メタルウイング】!!」


 マントが鋼の翼へと変化し、それをドラゴンキングを斬る。


「ば、馬鹿な……!!」


「トドメだ!! 【スターブラスト】!!」


「ぐ……宝玉の力がもっとあれば……ぐおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 ドラゴンキングのHPは削れ、ドラゴンキングはその場に倒れた。

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