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241.vsドラゴンキング

 砂漠にポツンとたつ喫茶店。

 名前はまだない。


 そんな喫茶店に訳ありのNPCを雇った。

 名前はまだない。


「ということで、皆で今日、名前を決めようぜ」


 アルカは皆に言った。


「お店の名前と」

「ボクの名前ですか」


 キメラと店員が言った。


「と言う訳で、案がある人いたら遠慮なく言ってくれ! ちなみに店員さんの名前だが、正直俺も思い浮かばない。だったら、特徴なり何なりを後付けしてそれから名前を連想すればいいと思った!」


 逆転の発想である。

 店員の現在の外見は、小学4年生くらいの年齢にケモ耳と尻尾を装備したメイド服の少女といった感じだ。

 中身のAIは違っても外見は、小学生くらいの見た目という以外、ケモ耳喫茶の他の店員とあまり変わりがない。


「あ、あの! 名前ですが、ボクが自分で決めて来たんですけどいいですか!!」

「えっ!?」

「すみません! 折角考えてくれようとしていた所を……」

「ただもう既に決めていることに驚いただけだ。むしろ安心したぞ。俺達、ネーミングセンスがあんまり良くないからなぁ……」

「そうなんですか? ごほん! では、発表しますね!」


 店員は巻物のような紙を広げて皆に見せる。

 そこには【ミル】と書かれていた。


「ミルちゃんか。シンプルでいい名前だな! なんか理由とかあったりするのか?」

「はい! 喫茶店で料理をする上で様々な料理にミルクを使用します。そう、様々な料理にマッチします! だからボクも個性豊かな皆さんに溶け込めるようにと思い、そこから2文字取りました!」

「おお! 理由もしっかりしてる! 流石だ!」


 何が流石なのかは分からないが、アルカは拍手でミルを褒めた。


「ミルちゃんですか! 名前もかわいいですね! 後はお店の名前ですね……。あっ! そうです! 【砂漠の喫茶】というのはどうでしょうか!」

「そ、そのまんまだ!」


 だが、一応オーナーがキメラになっていることもあり、決定権はキメラにあるのかもしれない。


「どうですか!? ちなみに理由は砂漠にあるからです!」


 特にこだわりも無かったようで、皆も「まぁ、別にいいんじゃないの?」といった感じであった。


「いいですね!」


 ちなみに、このようにミルは目を輝かせていた。


「とりあえず! これで店の名前も決まったことだし、やる事は1つだ! ドラゴンキングを倒しに行こうぜ!」


 聖なる漆黒の面々とミルは、ケモ耳タウンのワープホールに乗り、ドラゴンタウンの近くにまでワープした。

 そして、ドラゴンタウンへと入る。


「ドラゴンキングはあの要塞にいるらしい」

「いかにもボスがいそうな感じね!」


 アルカが要塞を指さした。

 クローの言う通り、いかにもボスがいそうな感じである。


「それにしても、第2層のボスってどのくらい強いんだろうな?」

「きっと私達の敵じゃありませんよ! 私達は今まで、もっと強いであろうプレイヤー達と戦ってきたんですから!」


 キメラの言う通り、相手はただのボスだ。

 今まで戦ってきたプレイヤー達と比べるとはるかに劣るであろう。


 皆はドラゴンキングの要塞に入ろうとする。


「なんだ貴様は!」


 龍族の兵士がアルカに槍を向ける。


「ドラゴンキング様へのおみやげを持ってきました」

「みやげだと?」


 ミルは前へ出る。


「獣人か……さぞ、ドラゴンキング様もお喜びになることだろう。案内する……ん?」


 兵士が聖なる漆黒の面々を見る。


「なぜそこまでゾロゾロとやって来る?」

「俺の仲間だからな!」

「邪魔だ邪魔だ!」


 すると、アルカとキメラとミル以外のメンバーが外へ弾き出された。

 見えない壁という奴だ。


「せめて2人だ」

「な、なんで他に私なんですか!?」

「そいつの近くにいたからだ!」


 ということで、アルカとキメラとミルはドラゴンキングの部屋へと案内される。

 全身鎧かと見間違う程の銀色の巨大な龍がそこにいた。


「ハハハ! よくぞ土産を持って来てくれたな! 感謝する!」


 本来、囮となる獣人はケモ耳と尻尾を装備したプレイヤーであれば良かったのだが、今回はマジの獣人を連れて来てしまった。

 それにより、条件を満たしてしまった。

 ドラゴンキングが強化される条件を。


「くく、その匂い……俺の本能を刺激するぅっ!!」


 ドラゴンキングの力がみなぎる。


『ドラゴンキングのステータスが3倍となりました』


「へ?」


 アルカとキメラはポカーンとする。


「マジで!?」

「3倍ってやばくないですか!?」


 ドラゴンキングはミルを捕食しようと近付いてくる。


「NPCのボクの場合、ここで食べられたらどうなってしまうのでしょうか……?」


 ミルは不安になった。


「ぐふぅ……っ!! 何をするぅっ!!」


 だが、そんなことはさせない。


 アルカはドラゴンキングの顔面をぶん殴った。


「さて、いくら敵のステータスが強化されようとも、ここまで来たらやるしかないですよね!」


 キメラも【マジカルチェンジ】を使用し、変身する。


「【光の波動】!!」


 キメラの手から光の球体が発射される。

 敵へのダメージはあまりないようだ。


「くっ! こざかしい! 人間どもが先に食ってやろうか!! ああ!?」


 ドラゴンキングはアルカ達に敵意を示した。


「ミルちゃん、離れてろ! ここは俺達がやる!」

「そうですよ! 私達の戦いっぷりをそんな近くで見ていたら、かっこよすぎて夜眠れなくなっちゃいますよ!?」

「そういうことだ! 安心して遠くで眺めてろ!」


 ミルは頷いた。


「は、はいっ! 絶対勝ってくださいね!」

実はブレイドアロー社の社長は新キャラであって新キャラではなかったりします。

是非、探してみてください。

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