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233.闇のダンジョン攻略【後編】

 闇のダンジョンの試練は、最後の1人になるまで戦うサバイバルゲームであった。

 最後に残ったのはアルカとカノンであった。


「3体同時操作だと!?」


 3体のロボを同時に操作するカノンに対し、アルカは驚く。

 どのくらい凄いかは分からないが、何となく凄い事は分かった。


 実際、操作が複雑なラジコンを1台のスマホで一辺に操作しているようなものなので、カノンの器用さがうかがえる。


「ふふっ」


 カノンは楽しそうに笑みを浮かべると、サイバーレックス3体をジェットエンジンで飛行させると、スキルを発動させる。

 スキル【サンダーレイン】、下に向けて雷の雨を降らすスキルだ。

 青白い稲妻が降り注ぐ。


「ぐっ……!」


 アルカはかわそうとするが、広範囲の攻撃x3なので、全てかわす事は叶わなかった。

 一定確率で麻痺状態となってしまうが、運良くそうはならなかった。


(MPはまだまだあるからね)


 ロボットは武器として分類される。

 MPに関してはテイムモンスターのように個別で持ち合わせているので、カノンのMPを消費せずに戦闘が可能だ。


 カノンは続けて【サンダーレイン】を放つように操作を続ける。

 アルカはかわしながら飛翔する。

 サイバーレックスを直接撃ち落とすつもりのようだ。


「【ヴェノムブレイカー】!」


 カノンは3体のジェットエンジンを上手くコントロールし、地面へと着陸させ、回避する。


「危なかったね。君のスキル攻撃を食らってしまってはぶっ壊れてしまうだろうからね」


 当たらなくては意味がない。


 アルカは右腕を挙げる。

 広範囲スキル【ダークマター】を放つ気だ。


「隙が大きい技だね」


 【サンダーインパクト】を1体に使用させると、アルカのスキル発動を阻止する。

 青白い電気属性の光線がアルカにクリーンヒットする。


「くっ! モロに食らっちまったぜ」


 アルカは地面へと落下した。

 おまけに麻痺状態となってしまった。


「君は耐久面も強い。けど、身動きが上手く取れない状態で火力が高い攻撃を一斉に受けたらどうかな?」


 カノンは3体のサイバーレックスに【サンダーインパクト】を指示する。

 更にこれで確実に仕留める為に、スキル【オーバーリミッター】を発動させる。

 次のスキルでの攻撃、特殊攻撃力を2倍にするが、オーバーヒートしてしまい、10分間機体が動かなくなってしまうスキルだ。


「くそっ!」

「はっはっは! トドメだ、アルカ君!!」


 と、その時。


 ガガガガガという音が3体のサイバーレックスから鳴り響く。


「おや?」


 カノンがコントローラーをポチポチさせるが、動かない。

 それ所か、煙が出ている。


「ふぅ……困ったね」


 スキル【武器複製】によって、この場には3体のサイバーレックスが出現している。

 【武器複製】によって複製された武器は耐久値が共通という特性がある。

 分身を2体出すのではなく、全てが本物。

 つまり、1体故障してしまえば、残りの2体も終わりなのだ。


(なぜだ? もしや、【武器複製】と【オーバーリミッター】の組み合わせが悪かったのかな? どの道、検証する必要がありそうだ)


 カノンはうんうんと考え込んでいた。


 そして。


「【メタルウイング】!!」


 何とかストレージから状態異常を回復するアイテムを取り出し、動けるようになったアルカは鋼の翼でカノン本体を斬る。

 カノンの超紙耐久アバターはワンパンで沈んでしまった。


「ふっ! 実にいい勝負だったよ、アルカ君」


 カノンは粒子となり、消滅した。


「あっ、危なかった……」


 アルカは勝負が終わりホッとしたのか、その場に座り込む。


「ヒッヒッヒ! 人間同士の醜い争いを見せて貰ったよ……おめでとう! 他人を蹴落とした哀れな人間」

「性格悪いな……ん?」


 目の前に大きく文字が表示された。


 殴れ!!


「どういう事だ?」


 アルカは指示通りに殴った。

 なぜか回避しようとしない闇の精霊。


「な、何だと!! や、やめろ~!!」


 そして、だんだんと姿を消していく。

 どうやらストーリーイベントの1つだったようだ。


 闇の精霊の姿が消えると、アルカの元へ1つの宝玉が落ちてきた。


「とりあえず、試練達成ってことでいいのかな?」


 紫色の宝玉、【アレキサンドライト】をアルカはストレージへと収納した。


 その後、アルカは闇のダンジョン外部へと戻される。


(よし、これで俺達のチームは宝玉を全部集め終えたな)


 アルカはケモノタウンへと帰還するのであった。


 その後クランホームへと移動すると、他のメンバーが全員集合していた。


「あれ? 俺が最後?」


 ミーナ、極、クローチームが先に来ており、その後リスポーンしたキメラとカノンが来たらしい。


「さ、あんた達が集めた宝玉を見せなさい!」


 クローは机の上に自分達が集めた宝玉を乗せると、アルカにも同じことをするように促した。

 机の上にはルビー、サファイア、ムーンストーンがある。


「待たせて悪いな。これが俺達の集めた宝玉だ」


 アルカは机の上にエメラルド、トパーズ、アレキサンドライトを乗せる。


「おお! 最後の1つはアレキサンドライトだったんですね!」


 キメラは目を輝かせ、集合した宝玉を見渡す。


「本当に綺麗ですね~……っと、すみません。見とれていました」

「そうだな。確かに綺麗だ」


 クローがニヤリとする。


「これでストーリーが進められるわね!」


 全ての宝玉を集めることにより、ストーリーが進む。

 ストーリーの進行状況を確認した所、目的の個所には【敵の拠点へと乗り込め!】となっていた。


 敵、そう、龍族の住む街である。

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