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232.闇のダンジョン攻略【中編】

 闇のダンジョンの試練の内容は、10名でのデスゲーム……と言う名のサバイバルゲームであった。

 現在生き残っているプレイヤーは6名。

 4名中、3名はアルカに消され、1名は運営であるマナカの不意打ちで敗れた。


「残り6名か」


 アルカはメニュー画面から残りの人数を確認する。


「やっぱり一気に倒すのはキツイか」


 そんな事を考えていると弓矢、スキルが飛んで来る。


「うわっ! っとここも安全じゃないな。下に降りるか」


 アルカは着陸すると、戦闘態勢を取る。

 周囲を見渡すが、プレイヤーの姿は見えない。


(隠れているのか?)


 と、その時であった。


「うおおおおおおおおおおおおおおお!!」

「何だと!?」


 4名のプレイヤー、つまりはカノンとマナカ以外の全てのプレイヤーが一致団結し襲い掛かって来た。

 ちなみにキメラはアルカのダークマターに巻き込まれ、既に退場していたようで姿はなかった。


「【サンダーボール】!!」


 アルカは口からスキルを放った。


「おらよっ!」


 プレイヤーの1人が他のプレイヤーをぶん投げる。


「ぐああああああああああああああああああ!!」


 盾代わりにされたプレイヤーのHPは残っているが、麻痺してしまいその場に倒れてしまった。


「終わりだ」


 どこからかやって来、ズガンと……倒れているプレイヤーを撃ち退場させるマナカ。

 どうやら隙ができるのを待っていたようだ。

 1人倒したのを確認すると、再び身を隠した。


「食らえっ! 友情の拳!!」


 他のプレイヤーを盾にしたプレイヤーはアルカをぶん殴る。

 かなりの火力でアルカのHPもゴリゴリと削られていく。

 だが。


「【ヴェノムブレイカー】!!」

「ぐふっ!」


 アルカのスキルを食らい、地面へとめり込む。


「トドメだ! 【爆炎】!!」

「ぐあああああああああああああああああ!!」


 残った2人のプレイヤーは怖気付いてしまう。


「くそっ! 何でこっちが不利になるんだよ!」

「あ、安心しろ! こっちは、まだ2人いるんだ」


 油断大敵である。


「ていっ!」

「おぶっ!?」


 誰であろうか?


「私だ!!」


 パワードスーツを身に纏ったカノンであった。

 パワードスーツの大きな拳でプレイヤーをぶん殴ったようだ。


「あまり使い慣れてないけど、中々調子がいいね」


 更にデカイ剣をパワードスーツの手に持たせ、それで斬る、というよりは押し潰す。


「ていていっ!」


 何発も剣をぶち込む。

 もう一人のプレイヤーはというと……。


「か、身体が動かない……」

「ふっ! 見えない位置から一定確率で麻痺になる弾丸を撃ち込ませて貰った」


 またもや不意打ちを行ったマナカ。


「君! 今だ!!」

「は、はい」


 アルカはスキル【破壊道デストロイロード】を使用し、口から光線を出す。


「ぐぎゃああああああああああああああああああああ!!」

「トドメだ!!」


 【破壊道】で弱った敵に対し、マナカがトドメの一撃を放つ。

 この運営、さっきからトドメをさしてばかりである。


「ふぅ……」


 マナカは拳銃をクルクルと回転させると、先っぽを ふっ! とする。


「後は君達二人か。さて、どう戦……がっ!」


「すまないね」


 パワードスーツの拳を振り下ろし、マナカを地面にめり込ませた。

 レベルが低い事もあり、めり込んだ後数発攻撃され、消滅した。


「は、激しいな」

「はっはっは! ありがとう! これで宝玉は私達のクランのものだね」

「そうだな! あっ、でも最後の1名にならないと終わらないんだっけ……」


 正直、どちらが勝とうが結果は同じだ。


「じゃ、俺の事を倒してくれ! ケモノタウンにリスポーンされると思うから後から追いかけて来てくれ! 先にキメラちゃんとクランホームで待ってるからな!」


 アルカはその場で寝そべった。


「う~ん」

「カノンちゃん?」


 珍しく考え込んでいるカノンであった。


「いや、確かに今ここで君を一方的にボコるのも、逆に私がボコられるのも、効率的には良いと思っている。思っているんだけどね。ただ、キメラ君も言っていたゲームは楽しむものだと」


 カノンはドヤ顔でアルカに言う。


「一方的にやるのもやられるのも、楽しくはない! どうやら、キメラ君の影響を受けてしまったようだ」


「そうか……ま、確かに。俺もそうだ」


「何気に初めてじゃない? アルカ君と戦うの」


「あ、そう言われてみればそうだな」


 2人は戦闘態勢を取る。


「じゃあ、スタートって事で!!」


 カノンはパワードスーツでぶん殴るが、受け止められてしまう。


「やはり、この装備は君とは相性が悪いみたいだ」


 カノンはパワードスーツを収納すると、サイバーレックスを召喚する。

 機械で出来た恐竜型の二足歩行ロボットだ。


「【鍛冶師】の実力見せてあげるよ。【武器複製】」

「複製だと……?」


 【武器複製】を使用すると、サイバーレックスが3体に増えた。


「どういう事だ!?」

「同じクラン同士だし、調べればどうせ分かる事だから説明するね。【武器複製】は戦闘中に武器を複製するスキルだよ。一応ロボットは武器扱いって事になってるからね。こういう事もできるんだよ」


 3体のサイバーレックスが襲い掛かって来た。


「1体ずつ破壊させて貰うぜ!」

ひどいなぁ。私を倒せばそれで終わり何だからそれで勘弁してくれたまえ」


 とは言うものの、3体のサイバーレックスの連携が素晴らしく、カノンに近付けないでいた。


「この分身、本当にNPCか?」

「NPCじゃないよ? 全部私が操作しているんだよ」


 3体のサイバーレックス、全てカノンの手に握られているスマホのような機械で操作しているようであった。

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