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24:究極の職業【無職】

 次の日、すなわち、平日である。

 そんな平日の昼間に、【職業システム】は、ゲリラ的に実装された。

 カケルは、仕事が終わり家に帰ると、GWOガールズワールドオンラインへ、ログインする。


「職業システム、まさか今日実装されるとは思わなかったな」


 【マイホーム】で椅子に座り、職業システムが実装されたという運営からのメッセージを眺めていた。


「ほぅ……色々あるな」


 大きな爪でメニュー画面を操作し、職業一覧を見る。

 初期に選べる職業は、以下の通りである。


【剣士】:主に剣を使用したスキルを取得できる。攻撃力、素早さが通常より高く育つ。


【物理アタッカー】:剣以外の武器を使用したスキルを取得できる。攻撃力、素早さが通常より高く育つ。

 

【ガンナー】:銃を装備する事が可能となる職業。主に銃を用いたスキルを取得できる。


【魔法使い】:杖を装備する事が可能となる。遠距離攻撃系スキルを主に取得できる。MP、特殊攻撃力、特殊防御力が通常より高く育つ。


【テイマー】:モンスターをテイムするスキル(基本スキルとして入手可能)や、モンスターをサポートするスキルを主に取得できる。MPが高く育つ。


【ヒーラー】:自身や味方を回復、サポートするスキルを主に覚える。HP、防御、特殊防御が通常より高く育つ。


【タンク】:HP、防御、特殊防御が高く育ちやすい。防御、特殊防御を上げるスキルや敵を挑発するスキルなどを主に取得できる。


 初期状態は、職業システムの恩恵を受けない【無職】である。

 現在、アルカは【無職】だ。


「今を貫き通す事も出来るのか……、それにしてもこれ以外のスキルは無いのか?」


 アルカが説明を見ていく中、知りたかった情報を発見する。

 そこには、「スキルは、使用していく中で、進化出来る場合があります」と書かれていた。


「おお! 【魔法使い】だったら【パラディン】とかになったりするのか? ますます迷うな」


 アルカの今の戦術は、ユニークスキルを用いて、相手を装備にするか相手の技を奪って使用するのが主である。

 【咆哮】や【超音波】といった、通常のスキルも所持しているのだが、【超音波】は対策されている可能性が高い上、当たりにくい。【咆哮】は、強力だが、背後に回る事で攻略できるという欠点を持つ。

 どの技にも欠点はあるが、アルカの場合、レパートリーが少ないので、美少女コンテストで優勝し、有名となった今、もっと他のスキルが欲しい所ではある。


「せめてこの見た目何だから【ドラゴン】って職業にでもなりたいもんだな。そういえば、ユニークスキルやユニーク武器があるなら、ユニーク職業があっても良いような気がするな……。よしっ! 決めた! 俺は【無職】になる! 【無職】は無限の可能性を秘めた、俺の信じる究極の職業! ユニーク職業を見つけるまで俺は自分探しを続ける」


 こうして、【無職】で居る事を決めたアルカであった。

 目指すは、ユニーク職業取得である。


 アルカは、とりあえずおこなっていなかった第二層を散策しようと、【マイホーム】から出る。

 そのまま、フィールドへと行くと、様々なプレイヤーが居た。


「ん?」


 プレイヤーの名前が表示されている。以前であれば、フィールドやダンジョンでは、他プレイヤーの名前が見られなかった筈である。

 だが、今回のアップデートで職業システム追加と共に修正された。ちなみに、今まで通り隠す事も出来る。

 アルカは、モンスターだと誤解を受けたくないので、公開設定のままにした。


(何だかジロジロ見られるな……)


 アルカは、飛行で移動する事にした。

 火山エリアへ入ったその時であった、火山エリアに飛んでいる【フレイムバード】の脚にぶら下がり、アルカを追う人物が居た。


「アルカさあああああああああああああん!! 勝ち逃げは許しませんよぉ!!」

「へ?」


 口元をニヤリとさせ、目を見開いた少女であった。

 顔はどこか見覚えがある。


「ミ、ミサキちゃん」

「一瞬忘れましたね? 忘れる何て酷いですよおおお!!!!」

「うわっ!」


 ミサキは、ナイフをアルカに向けて投げる。ギリギリの所で、アルカがかわした。


「折角の猛毒ナイフをかわす何て酷いです!!」

「ど、どうしちゃったの?」


 ミサキの外観は、イメチェンされていた。

 青髪のツインテールは、失われており、もみあげが長いショートカットとなっている。以前は、青一色の髪色であったが、現在は、毛先が黒く染まっている。装備も黒を基調とした薄手の装備となっていた。


「貴方は、私に勝ちました。ですがっ……今ここでリベンジマッチです!! 散れ!!」


 ミサキは、アルカに【ハイドロレーザー】をぶっぱなす。


「いてっ!」

「食らった!! 食らいましたねぇ!! ……ってフレイムバードさん!! 暴れないでください!!」


 テイマーで無く、ただ強引にフレイムバードの脚に掴まっていたミサキを振り落とそうと足をブンブンさせている。


「行っちゃいます!! アルカさん行っちゃいますよ!! 追うんですよ!!」

「大丈夫か!? 今助ける!!」


 アルカは、ミサキを助けようと、フレイムバードに【咆哮】を放つ。

 すると、フレイムバードは、更に暴れる。


「私を直接狙わないとは、頭脳プレイのつもりですか!? ってあっ!」


 ミサキが、手を滑らせ、フレイムバードの脚を離してしまう。

 そして、そのまま火口へと落ちていった。


「あああああああああああああああああ!! 次こそ勝ちますよおおおおおおおおお!! 真の勝者は……私だあああああああああああ!!」


 火口へ落ちた瞬間、即死ダメージを受け、粒子となりミサキは消滅した。


「す、すまん」

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