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216.クランのみんなには内緒だよ!

 ブラッディレオはソロで攻略するのが難しい。

 理由はブラッディレオの習性にあった。


「飛んだだと!?」


 ブラッディレオは一度ターゲットを決めたらそのターゲットをどこまでも追いかけ、対象が死ぬまで諦めない習性を持っている。

 パーティーで挑んだ場合、1人が逃げ回り、その間に他のメンバーが背後から攻撃する事で容易に討伐が可能だ。


「ハアアアアアアアアアアア!!」


 ブラッディレオは脚を高速で動かし、空中を走る。

 そして。


「ハウアッ!!」

「くっ!!」


 ブラッディレオはアルカの右翼を噛み千切った。

 アルカは落下するが、そこまで高く飛んでいなかったので大した事ないダメージで済んだ。


「部位破壊能力まで持ってるのか! だが、相手の動きは一直線! だったら!」


 アルカは向かって来たブラッディレオにスキル【超音波】を使用する。

 アルカから発せられた音波でブラッディレオは混乱してしまう。


「ハアアアアアアアア……アアアアアッ!!」


 そしてそのまま壁に激突。

 めり込んだ形になり、身動きが取れなくなる。


 そして相手のHP分のダメージを与えるスキル【ダークネスブレイクバースト】を食らわせる。

 燃費は悪く、本来であればまず当たらない程のノロい&予備動作の多い攻撃だが、今なら当てられる。


「食らえっ!!」


 アルカの口から黒い球体が発射され、ヒットするとブラッディレオのHPは0となった。


「結構簡単に勝てたな。まぁ階層ボスだし、これくらいの難易度が丁度いいのかもしれないけどな」


 無事ボスを倒したので、第2層行へのワープホールが出現した。







 キメラの場合。


「ふぅ……」


 キメラはボスを目の前にし、深呼吸をした。


「ブラッディレオですか、随分とインパクトのある姿ですね」

「ハアアアアアアアアアアア」


 ブラッディレオはキメラに対し威嚇をする。

 しかし、キメラは平然と立っている。


「クランの皆さんにはまだ内緒ですが……今は私1人……新しいスキルを試してみるとしますかね」


 ブラッディレオがキメラに向けて走る。

 だが冷静にスキルを発動させる。


「変身」


 そう言うとスキル【マジカルチェンジ】を発動させた。

 すると茶髪だった髪色は薄いピンク色となり、服装はセーラー服を模もしたフリフリの魔法少女らしい服へと変化する。

 色も水色を基調としたカラフルなものになっていた。


 要するにいつもの【マジカルチェンジ】である。


「驚くのはまだ早いですよ!」


 ブラッディレオの突進を回避する。

 そしてそれに向けて決め顔で格好付けると、新スキルとやらを発動する態勢に入る。


「【フォームチェンジ】!!」


 新スキル【フォームチェンジ】を発動させる。

 キメラの体が炎に包まれる。


「ハアアアアアアアアアアアアアアア!!」


 隙ありだと感じたブラッディレオはその炎へと突進。

 だが、触れた瞬間爆発し、ブラッディレオは大きく跳ね飛ばされる。


 そして、炎が消えるとその中には姿が変化したキメラが立っていた。


「今までの形態は特殊攻撃力を上げて戦う。いかにも魔法少女といった形態でした。ですがこの形態は物理攻撃に重点を置いた形態です」


 キメラは言葉の通じないNPCに説明をした。


 そんなキメラの現在の姿は、赤を基調としたプロテクトに包まれ、背中には深紅の翼が生え、その姿はどこか不死鳥を連想させるかのようなものであった。


「ていっ! はあっ!!」

「ハアアアアアア……ッ!!」


 いつものキメラとは違い、遠距離からスキルを打ち込むのではなく、ブラッディレオに近付き、殴る蹴るの暴行を加えた。


「【ヒートナックル】!!」


 スキルを使用すると、キメラの右拳は熱く燃え上がった。

 そして、それはブラッディレオにヒット。

 大きく吹き飛んだ。


「更にもう一発!!」


 もう一度【ヒートナックル】を発動させると、追加でぶん殴る。


「ハアアアアアアアアアアアッ!?」


 ブラッディレオは叫びながら壁にめり込んだ。


「そして……この形態の一番の特徴は自由な飛行能力!! 通常形態は少し浮くくらいでしたからね!」


 キメラは翼を大きく広げ、空へと飛翔した。


「そう! これぞ私の新しい形態! 【ヒートスカイフォーム】です!!」


 キメラはテンション高く、ブラッディレオに向け言い放った。

 そして、ヒートスカイフォームになった事により、他にも新たなスキルが使用できるようになっていた。


「【フェニックスバースト】!!」


 キメラの体が燃え上がり、その炎が不死鳥になり叫びをあげる。

 そして、そのまま壁にめり込んでいるブラッディレオに向けて片足キックの体制を取り突っ込んでいく。


「食らええええええええええええええええええええっ!!」

「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」


 ブラッディレオにそれがヒットすると、空中で一回転をし、華麗に着地をする。


「ハア……ア……」


 ブラッディレオは最後に弱弱しい声をあげ、HPが0になると爆発し、消滅した。


「ふぅ」


 キメラは【マジカルチェンジ】を解除する。


「ふふっ、これが魔法少女の新たなる力です! 皆さんの前では、まだ温存しておきますよ♪」


 魔法少女は強いのだ。

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