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215.階層ボス、ブラッディレオ

 キメラが来た事により、クランメンバー全員が集合した。


「よし! 全員揃った事だし、早速新生第2層に行くか!」


 新生第2層とは新しい層の事である。

 正式名称は【第2層】。

 今までの層が第1層にまとめられた為、新しい層にも関わらず、このような名称となっている。


「ちょっと待ってください!」


 キメラが手を挙げる。


「第2層に行くにはボスモンスターを倒さなくてはなりません!」

「ボスモンスター?」

「はい!」


 今までも次の層に行く際にはボスモンスターが立ち塞がった。

 それと同じような感じである。

 キメラは「強敵相手ですね! 頑張りましょう」とでも言いたげな雰囲気で張り切っていたが、ここにいるほとんどのプレイヤーはボスモンスターの事をすっかりと忘れていたようで、ポカーンとしていた。


「そういえばいたわね! ま、私にかかれば楽勝だわ!」

「そうだな。最近戦ってきた相手に比べれば、階層ボスを倒すのもそう時間はかからなそうだ」


 クローは槍を振り回し、やる気満々だ。

 対してアルカは最近の強敵を思い出し、「まぁ、何とかなるだろ」と言った感じで言った。


「え? 何で皆さん……というか、クローちゃん以外そんなに冷静なんですか!? 階層ボスですよ!?」

「いやだって、ねぇ? 階層ボスって事は、普通にプレイしていれば倒せるレベルだろ? 何とかなるだろ。【お助け☆ガールズ】の時のセイに比べれば弱いだろ」

「あれは規格外だっただけじゃないですか! ノーカンですよ! ノーカン!」


 キメラは少しムッとしたが、何かを思い出したようで、ドヤ顔で目をつむる。


「ふっふっふ!」

「キメラちゃん……?」

「アルカさんは知らないんですね? 今回の階層ボスの秘密を!!」

「ひ、秘密だって!?」

「そう! 今回の階層ボスに関してはちょっとしたギミックがあるのです!」


 キメラは昼食を食べながらスマホをいじり、情報収集を引き続き行っていた。

 それで得た情報というのが……。


「何と! ソロで初見クリアすると名が刻まれます!」


 どうやら、ソロ&初見でクリアすると第2層の拠点の街の墓石のような石板に名が刻まれるらしい。

 ちなみにソロ&初見&初クリアのプレイヤーは、名が刻まれた金の墓石のような石板が専用で建てられるとの事であったが、既に達成されているのでもう遅い。


「それは燃えるな!」

「ですよね! という事で皆さんソロでクリアしてみませんか!? 最初しかチャンスはありませんよ!」


 皆の反応は様々であった。


「私は生産職だから、誰かと協力しようかな?」


 ミーナは困り笑顔で答えた。


「拙者は挑戦してみるでござるよ!」

「極がやるなら私も!!」


 極とクローはやる気のようだ。


「私はどっちでもいいかな」


 特に興味無さそうなカノン。


「確かに、生産職は厳しいかもしれませんね……手伝いましょうか?」

「キメラちゃん、いいのか? 名が刻まれなくなるんだぞ?」

「全員で第2層を攻略したいんです! 確かに条件が達成できなくなるのは少し残念ですけど、誰かが欠けるのもはもっと嫌だなって……」


 キメラは皆で第2層をエンジョイしたいという考えが強い。

 それが不可能になるのであれば、名が刻まれないのも仕方が無いなと思っているようだ。


「キメラ君。心配は要らないよ」

「会長?」

「ミーナ君の手伝いは私がする。最も、私も生産職だからね。手伝うと同時に手伝って貰うって形になるのかな? どっちにしろ、君は心配しなくていい。私に任せてくれたまえ」


 カノンは余裕そうに答えた。


「会長……ありがとうございます!」

「ま、楽しみなよ」


 話がまとまった所でボス部屋まで急ぐ。

 ボスに挑む条件は、第1層を最後までクリアする事……ではない。

 レベルが60以上あれば、階層ボスがいる部屋前へはじまりの街のワープホールから行ける。

 ちなみに、今までのストーリーとは繋がっていないので、はじまりの街から出た草原でレベルを60まで上げてクリアしても問題無く第2層が楽しめる。

 更に言うと、レベルが1だろうと、60レベル以上がメンバーにいるパーティに参加すればボスへ挑み、そのパーティが勝てば第2層に行く事ができる。

 ここまで条件を緩くした理由は、友達皆で第2層を遊んで欲しいという運営の願いもあったりする。


「じゃあ、皆、第2層で会おうぜ!」

「はい! 頑張りますよ!」


 皆がボス部屋へと入っていく。


「さて、俺も挑戦するか」


 皆がボス部屋へと消えた後、アルカもボス部屋へ足を踏み入れるのであった。


「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!」


 ボス部屋入るとボスが叫んできた。


「随分と騒がしい奴だな」


 ボスの外見はパッと見ライオンであった。

 だが、普通のライオンではない。

 胴がかなり長く、脚が合計100本ある。

 虫みたいだ。


「ハアアアアアアアアアアアッ!!」

「いきなりそう来るかよ!?」


 敵は1人しかいないアルカをターゲットとすると、物凄い速度で脚をテケテケとさせ、正面から襲い掛かって来た。

 アルカは飛翔して回避する。


「危ない危ない……何て素早い奴だ。名前は……ブラッディレオか」

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