第六章エピローグ
「トリックオアトリートー!!」
イベントが終了し、数週間が経過した。
ハロウィンイベント期間中という事もあり、アルカ達【聖なる漆黒】の面々はクランホームにて仮装パーティーを楽しんでいた。
「今日はたっぷり楽しみますわよー!」
なぜか【聖なる漆黒】のクランホームにジルコ達も来ていた。
「何の仮装でござるか?」
「ミーナさんの仮装ですわー!」
「おお! 似てないでござるな!!」
結局、ミサキを1位にして自らも有名になるという、ジルコの野望は果たされなかった。
「今日はこの前のイベントで1位となったミーナさんになりきりますわ!! 皆さん、今の私の姿、写真を撮って拡散してくださいですわ! 有名になってお金儲けしますわよー!!」
「任せるでござる!!」
極はジルコを撮影しまくる。
「アルカさんも撮影してくださいですわ!」
「ごめん! 今からミサキちゃんとハロウィン特別ルールで試合をするんだ」
「そうですの!?」
吸血鬼のコスプレをしたミサキがアルカと向き合っていた。
「今日こそ勝ちますよ!」
「今日のルールは先に全裸になった方が負けだったな!」
「ゲームの性質上全裸にはなれませんが、衣装を全てはぎ取れば勝ちです!! ってアルカさん全裸じゃないですかぁ!! ちゃんと仮装してくださいよ!!」
「悪い、変質者ドラゴンの仮装してた」
「嘘ですぅ!! 絶対仮装してなかったです!!」
ジルコはため息をつく。
「ミサキさんは本当に戦うのがお好きですわね……」
「あれ? そういえば、ミーナ殿はどこへ行ったのでござるか?」
「そういえば、いませんわね」
☆
「ふぅ」
森のエリアで1人、木に向けて弓を構えるプレイヤーが1人。
「ジュウヤ、トリックオアトリート!!」
「うおっ!? 誰だ……って、ミーナか」
ミーナが草陰から顔を出す。
そして、そのままユミリンの目の前まで歩いていく。
「うん! 今日はハロウィンだからね! ジュウヤにお菓子を貰いに来た!」
「ゲーム内で食べても意味無いだろ?」
「意味はあるよ! 一定時間満腹感も感じるし、味も感じるからね。それにしても……本当にVtuber辞めちゃったの?」
ユミリンはVtuberを引退していた。
あくまで、ミーナに惚れて貰う手段として利用していただけなので、続ける理由も無かった。
金銭は手に入るが、あざといキャラを貫くのも精神的にキツくなってきたのもある。
「ああ! 目が覚めた! ミーナに惚れて貰うにはトップVtuberになるんじゃ駄目だって分かったからな! ミーナが言っていた通り、俺はかっこよくて強い男になる!!」
「そうなんだ……何かごめんね?」
「いや、こっちこそごめんなさいだ。それに、あのキャラ通すのもそろそろキツイ」
「確かに……」
「で、俺は思ったんだ。Vtuberじゃ駄目だったら別な手段が何か無いかってな」
「別な手段……?」
「そうだ! このGWOで俺は強くてかっこよくなって、ミーナを惚れさせる!!」
「うん?」
ミーナは首を傾げる。
「という事で、これからも宜しくな! そして、いつかリアルで会おう!」
「ちょっと怖いかな……というか、別にそれじゃ私は惚れないからね?」
「なにぃぃぃぃぃ!? また俺は間違ってしまったのか!!!!」
「間違ってるよ!! 本当、そういう所は変わって無いんだから!!」
「ちょっ!! 怒らないでくれよ!!」
「……お菓子」
「へ?」
「お菓子くれたら……許す」
ミーナは少し不機嫌そうな顔をして目線を逸らす。
「いや……持ってないんだけど」
「じゃあ、許さない」
「そ、そんなぁぁぁ!!!!」
「はぁ……仕方ないなぁ」
ミーナは泣き叫ぶユミリンの腕を引っ張る。
「お菓子、買いに行こ?」
「え……? ちょっ!!」
「「「ユミーナてぇてぇ!!!!」」」
上空からアルカとその背に乗った、極とジルコが声を揃えて思わず叫んだ。
皆様、今までありがとうございました!
これにて、第六章を完結とさせていただきます!
これから先も物語は続いていきますので、引き続き読んで頂ければ非常に嬉しいです!
それと、この作品50万字超えたんですね……。
正直、この文字数ですと、とてもじゃないですが一気読みできないですね……。
という訳で、1か月1話くらいでも良いので読んで頂ければ究極嬉しいです!!
お気軽に感想などもお待ちしております!!
1言だけでも、超究極嬉しいです……がお時間が勿体ないと思われますので、お気持ちだけでも大丈夫です!!
では、繰り返しになりますが、これからもお付き合い頂ければ超神究極嬉しいです!!!!
ここまで来ましたら、私の"意志"が砕けない限り、完結まで持って行こうと考えていますのでどうか宜しくお願い致します!!




