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211.アルカvsミーナ

「行きますよっ!」


 ミーナは黒い矢をダーツのように投げる。


「もしや、俺を錬金術師にしたのは何かのコンボをやる為か!?」


 黒い矢はアルカを追尾する。

 だが、曲がるのは一度までらしく、何とかかわす事ができた。


「鋭いですね! ま、そんな所ですよ!」


 ちなみに矢が追尾するのは、ミーナが黒い矢に錬金術によって付与した効果である。

 弓が装備できないので、そういった工夫が無ければとてもではないが実用性はない。


(だったら、空に逃げるまでだ!)


 アルカは飛翔する。


「考えましたね! でも安心してください。私もそちらに行きますので!」

「何っ!?」

「さっき職を与えるスキルを使用しましたが、あれにはもう1つ効果があったんですよ!」

「更なる効果だと!?」

「そうです! 職を与え、逆に相手から技を奪うスキル……それがこのスキルの本質です! これも1時間限定ですがね」

「一体何を奪ったんだ!?」

「これですっ!」


 ミーナは目を瞑り、両手を翼のように広げる。


「行きますよ……【女神モード】!!」


 ミーナは目をくわっと開いた。


「女神モードだと!?」


 ミーナは以前、女神モードの詳細をアルカから聞いた事があったので、使い方は分かっているようだ。

 ミーナの衣装が全体的に白を基調としたものに変化し、天使のような真っ白な翼が生える。


「くっ! いつでも使えるようにTGをためてから来たのがあだとなったか……!」


 女神モードを使用するにはTGを貯めておく必要がある。

 いつでも使用が可能なようにためておいたのだが、それを利用されてしまった。


「これが師匠の力……師匠……行きますよっ! はあっ!」


 ミーナは独り言を呟くと、黒い矢を手に持ち、アルカを直に刺そうと飛んでいく。


「どうしてもそれを当てたいようだな!」

「分かりましたか?」


 アルカはミーナから逃げるように地面に降りる。


「ここから狙い撃ちです!!」


 ミーナはストレージから黒い矢を10本取り出し、口にくわえる。

 そして、1本ずつアルカに向かって投げる。


「くっ!」


 アルカは再び飛翔し、矢から逃げる。


「おっと、時間切れみたいですね」


 ミーナの女神モードが解除される。

 ミーナは飛翔中のアルカの背中に着地する。


「さぁ! 終わりですよ!!」

「それはどうかな!!」


 アルカはスキル【咆哮】を発動させる。

 鼓膜が破れるような音がミーナを襲う。


「ぐぅぅぅぅぅぅ、耳がっ!!」


 至近距離で食らってしまったミーナ。

 思わず耳を塞いでしまうが、それが隙となってしまう。


「俺が最初に得たスキルだ!! まさか役に立つとはな!!」


 ミーナを振り落とす。

 空中へ投げ出されると、アルカは右手を構える。


「【ヴェノムブレイカー】!!」


 凄まじい勢いで、右手が振り下ろされ、ミーナは地面へと叩き付けられる。


「あぁ……やっぱり強いですね……」


 ミーナはボソリと呟く。

 そして、どこか満足そうな表情をしているのであった。


「【爆炎】!!」


 倒れているミーナに火球が飛んでいき、爆発する。


「ぐっ……相変わらず凄い威力です」


 HPが0になる。

 だが、ミーナは困り眉をしながら笑うのであった。


「よしっ!」


 アルカは地面に降りる。


「楽しいバトルだったぜ!」

「負けです……。惜しいと思ったんですけどねぇ」


 ミーナは立ち上がり、アルカと向かい合う。


「ああ。強かったよ」

「本当にそう思っていますか?」

「それはそうだ。まさかミーナが矢を使ってくるとは思わなかったぜ! で、あの矢はどんな効果があったんだ?」

「生産職を一発で倒せる矢です」

「なっ!? やっぱりヤバイ奴だったか……。だから俺を錬金術師に変えたのか……流石だ」


 ドラリンが2人の前に飛んで来る。


「素晴らしいバトルだったリン! それにしても弓本体が無くともあそこまで矢を使えるだなんて驚きだリン! 弓使いのプレイヤーが怒りそうだリン!」

「えへっ、ありがとうございます!」


 ミーナは少し照れながら答えた。


「本当に2人共素晴らしかったリン! これにてこのイベントを終了……する前に賞品をプレゼントするリン!!」

「おお! ありがとうございます!」

「ごめんだリン。これは3位までのVtuberしか貰えないんだリン……」

「え?」


 アルカは少しがっかりしたが、ミーナが嬉しそうだったのでヨシとするのであった。


「賞品はこれだリン! ユニーク武器!!」


 3位までのVtuberにはユニーク武器が与えられるようだ。

 更に1位のVtuberには賞金まで与えられる。


「やったぁー!! アルさん見てください!! 新しい杖ですよ!! 私、超絶強化ですよ!! あっ、このお金はクランホームの拡張資金に回しますね!」

「それは助かる!」


 ドラリンが飛び回る。


「これにて、イベントを終了させてもらうリン! 皆、改めて拍手をお願いするリン!」


 アルカ、客席のプレイヤー、そしてVtuberの皆が拍手をする。


「では、これからもVtuber活動、客席の皆は推し活動を頑張ってくれだリン! 後……これを機にGWOを始めたプレイヤーがいたのならば、これからもプレイをどうか宜しくお願いしますリン!」


 最後に宣伝をすると、イベントエリアは粒子となり消滅した。

 次回、エピローグでこの章は完結です。

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