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200.ユミーナてぇてぇ

 何かの都合により、日曜日に更新できなかったので本日更新です。

 ちなみにジルコちゃんの名前の由来は宝石のジルコンだったりします。

 ユミリンはVtuberであり、GWOプレイヤーでもある。

 ユミリンというのはその際に用いている名前である。


 ちなみにこれは3つ目の名だ。


 1つ目は【佐藤サトウ十矢ジュウヤ

 2つ目は王子【ジュウヤ・ミレニアム】


 そして3つ目が【ユミリン】である。




 そんなユミリンはアルカに押し潰された瞬間にジュウヤ・ミレニアム時代の事が脳裏を駆け巡った。


 大好きな幼馴染の事。


 その幼馴染を誤って矢で貫いてしまった事。


『あ……ああああああああああ!! し、死んだ? え? 死んだ!? 俺は知らないぞ……俺は知らないぞー!!』


 そして、現実逃避の為逃げてしまった事。


 その後ガケから落ち、色々とあって元の世界に佐藤十矢として戻ってきてしまった事。


 本人にとっても、何とも嫌な記憶であった。








「勝者! アルカ選手!」

「よしっ!」


 アルカがガッツポーズをする。


(ちっ……嫌なもん見ちまったぜ)


 ユミリンは心の中で舌打ちをすると、立ち上がる。


「アルカさん……悔しいけど……すっごーい☆」


 ユミリンはニコリと笑い、両手を頬の隣で合わせた。


「ユミリンもかなり強かったぜ! 俺はちょっとした裏技使っちゃったからなぁ」

「いやいや! あんなの普通考えないよ! アイデアの勝利だよ! 勝ちは勝ちってね!」


 アルカは少し照れながら言う。


「そ、そうか? まぁ、メニュー画面に関してはきっと即修正されると思うけどな」

「そしたら次は私が勝っちゃうかも!?」

「確かにそうかもしれないけど……次も負けないからな!」


 2人は握手をかわしたのであった。


「2人共、熱いバトルをありがとう! ではでは! アルカさんには1万Vコインをプレゼントします!」


 審判が右手を開いてアルカの方へ向けると、手から大量のVコインが放出され、それがアルカの体内に流れ込んでいく。


「これでミーナの順位を大幅にあげる事ができるな!」

「やっぱりミーナさんに投票するんだね……」

「ちょっ、そんなにガッカリしないで!」

「じゃあ、私に入れてくれる?」

「ミーナとの約束があるから……ごめんね?」

「そうなんだ……そうなんだ……。そんなにミーナさんが好きなんだ?」

「大事なクランメイトだからな」


 そう、大事なクランメイトだ。


 その後ユミリンは両手を広げ、アルカだけではなく、コロシアムの客席の皆にも聴こえるように言う。


「どっちにしろライバルだね! 私も! ミーナさんが好きだから!!!!」

「そうなのか!?」


 アルカは驚く。

 そして、客席はざわつく。


「ユミーナてぇてぇ」

「まさかのカミングアウト!」

「キマシタワー!!」


 女の子同士は需要があるようだ。


「百合は人気があるなぁ」


 アルカは腕を組み、「うんうん」と頷いた。

 アルカはそっち方面はあまり詳しくないのだが、他人の趣味はどうでもいいタイプなので特に引きもしなかった。


「って事で、油断しているとミーナさん……いや、ミーナちゃんは私が頂いちゃうからね!」

「どうぞ!」

「いいのっ!?」

「そこはご自由に」

「アルカさん、ノリワル~い☆」


 こうして、アルカは無事に1万Vコインを手に入れたのだ。


 会場の皆に挨拶を済ませると、アルカは極と共にマイホームエリアへと向かう。


「っとこれで投げ銭完了っと!」

「うおおおおおおおおおおおおおおお! 気持ちいいでござるな!」


 ジャラジャラと音を立て、アルカが持つ全てのVコインがミーナに投げ銭された。


 結果。


「2位か……」


 人口の問題もあるが、1万Vコインを投げても1位にはならなかった。

 だが、7位から2位になったのだ。

 十分な進歩と言える。

 そもそも2位が凄い。


「ユミリンどんだけ人気なんだよ」


 1位はユミリンがキープしている。

 この事からユミリンの人気さが伺える。


「正直、さっきの試合はほとんどの人がユミリン殿を応援していたでござるからな」

「マジかよ」

「あっ、でも拙者はアルカ殿を応援していたでござるよ? 後ミーナ殿推しの人もアルカ殿を応援していたでござる」


 ミーナ推しの人も応援していたにも関わらずほとんどがユミリンを応援していた。

 ユミリンを超えるのはかなり難しいだろう。


「後アルカ殿がユミリン殿を押し潰した時、怒っていた人がいたでござる!」

「それはまぁ……仕方ないな!」


 正々堂々と戦ったのだ。

 仕方が無い。


「でも、メニュー画面を利用するとは考えたでござるな!」

「ああ、このゲームのメニュー画面はガラスみたいになってるからな。それを利用したんだ」

「あそこで使わなければ今後修正されないで済んだかもしれないでござるのに」

「あそこで使ってなくとも、運営や他プレイヤーにいつかはバレる」

「それもそうでござるな」


 そういうのはいつかはバレるものだ。


「さて、こうしちゃいられない。Vコイン集めを再開するぞ」


 話を終えるとアルカは立ち上がる。


 張り切るアルカだが……。


「ってメッセージだ」


 アルカの元にメッセージが届いた。

 誰からだろうか……?


「ミーナからだ」

「ミーナ殿?」


 内容はクランホームへ来て欲しいとの事だ。

 どうやら先程のユミリンの告白? が原因のようで、それに関するファンレターが大量に届いているとの事であった。


「大変だな……Vtuberも」

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