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194.Vコイン集め再開

「って事がありましてね! 笑っちゃいますよね!」

「何というか……凄い友達? だな」


 アルカは反応に困っていた。

 全然笑えないからだ。


「でも、今はいいんです。むしろ得したと思ってます! 向こうで18年生きた後にこっちで14年生きてますからね。二度も人生送れる人ってほとんどいないんじゃないですか!?」

「そりゃあ確かに……ん?」


 アルカは脳内で18+14の計算をする。


(精神年齢32歳か)


「どうしました?」


「いや、何でもない」


「そうですか? でも、良かったです。何かスッキリしちゃいました!」


「俺で良ければいつでも話を聞くぜ? ミーナさん」


「呼び捨てでいいって前言いましたよね?」


「あ、ごめん。ミーナ」


 時間になったので、アルカはミーナと別れ、マイホームエリアへと向かった。


「時間ギリギリでござるな」

「悪い! ちょっと用事が」

「ま、拙者も今来た所でござる」

「それなら良かった。で、何見てるんだ?」

「コラボVtuberの順位でござるよ」


 極は少し難しそうな表情をする。


「どうした?」

「今のミーナ殿の順位はあまり良くないでござるな……」


1位:ユミリン

2位:超社長ハイパーシャチョウ

3位:ライドンスズキ

4位:ヨージョクイーン

5位:ミサキ

6位:スターダストサマー

7位:ミーナ

8位:グレイトワッフル

9位:ガラナラフレシア

10位;オーバーヘッドキラー

11位:シルバースリラー

12位:ウインターココア

13位:蜘蛛騎くもき


「7位か。悪くないんじゃないんか?」

「確かに悪くはないでござるが、良くもないでござる。特に1位を狙うのだとしたら、ちと厳しいでござるな。けど、まだイベント初日でござる!」


 Vクライシスは10日間行われる。

 まだまだ勝負は始まったばかりだ。


「そうだな! よしっ、じゃあVコインを集めに行くか!」


 アルカと極はVクライシスのイベントエリアへと向かった。


「さて、どこでVコインを貯めるか」


 アルカは極を背に乗せ、エリアを飛行で移動する。

 Vクライシスのエリアはとても広く、イベントエリアだけで1層分くらいの広さはあった。


「アルカ殿! あそこにモンスターが!」

「行ってみるか!」


 おそらく、Vコインを落とすモンスター達だろう。

 他の多くのプレイヤーもいる事からそれがうかがえた。


「レベル60代のモンスターが多いでござるな」

「おい、あれ何かレベル70だぞ」


 かなりレベルの高いモンスターが生息している。

 Vtuberをあまり知らないが、イベントには参加したいGWOプレイヤー向けなのだろう。


「アルカ殿、回復アイテムは持ったでござるか?」

「ああ! そっちはどうだ?」

「こっちも準備万端でござる!!」

「じゃあ行くか!」


 アルカと極はモンスターを倒し始める。

 アルカと魔法剣士となった極の火力の前にモンスター達は次々と倒される。


「レベルもそうでござるが、能力値的にもそこそこ強いのが多いでござるな!」

「ぶっちゃけこの集め方だとVtuberが全然絡まないからな。俺達みたいなプレイヤーの救済処置で実際は別な方法でVコインを獲得して欲しいんじゃないのか?」

「確かにそうかもしれないでござるなっ!!」


 極は、モンスターを斬り付けながら答えた。

 その後、1時間モンスターを倒し続け、Vコインを集めた。


「極はいくつ集めた? 俺は14だ」

「拙者は10でござる」

「これはいいのか……?」

「どうでござろう? 現段階ではどれだけ投げ銭されたかがランキングに載ってないでござるからな」


 おそらく、圧倒的な差を見せ付けられ、下位Vtuberファンのやる気をそがない為だろう。


「何かもっと稼げる方法があればいいんだけどなぁ」


 モンスターが出ないエリアで休憩していると、アルカの言葉をきいたプレイヤーが慣れない高笑いをしながら近付いて来た。


「オーッフォンフォンフォン! 困っているようですわね!」


 同クランのミサキを優勝させ有名になり、金儲けを企むプレイヤー、ジルコが現れた。


「私もいるよ」


 ジルコの後ろから、隠れていたセイが顔を出した。


「ジルコちゃんとセイ!!」

「イベント前ぶりですわね!! その様子ですと、随分とVコイン集めに苦戦しているようですわね!」

「恥ずかしながらそうだな」

「そんな貴方達に朗報ですわ! 効率よくVコインを集める方法を教えて差し上げますわ!」

「知ってるのか!?」

「知っていますわよ! こちらが証拠ですわ!」


 ジルコはメニュー画面を開いて見せる。

 獲得Vコインは383と表示されていた。


「す、凄い!!」

「教えて欲しいですわよね? 欲しいですわよね?」

「ああ! 是非知りたい」

「そうですわよね! ですが条件がありますわ! アルカさんがセイさんと戦って勝つことが条件ですわ!」

「そう来たか!! あれ? でも戦うのはジルコちゃんじゃないのか。レベルも1だし、何か悪い気がするな……」

「セイさんは貴方にリベンジをする為に頑張って来たのですわ! セイさんはとても優秀で、あれからユニークスキルも得たのですわ!」

「そうか。そういえば装備も新しくなってるな」


 現在セイは、白のTシャツに白のミニスカートに黒いマントを羽織はおっている。

 あまり防御力は高く無さそうだ。

 それにレベルが1だ。


「あんまりジロジロ見ないでよ~。それに、レベルは飾りだから気にしないで」

「そ、そうか。で、俺が負けたらどうなるんだ?」

「これから先得たVコインを全部ミサキさんに捧げてもらうよ!」

「厳しいな……けど」


 アルカは思う。


(セイには悪いけど、サクッと勝って情報を貰うか。本当に悪いけど。レベル1じゃワンパンで終わる筈だ)


 そして。


「その挑戦、受けて立つぜ!!」


 アルカは挑戦を受けるのであった。

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