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第五章エピローグ

「ん~! 美味しいです! 来て正解でした!」

「今日は来夢ライム君の奢りという事で、遠慮なく頼ませて貰ったよ」


 2人の少女が喫茶店でケーキを堪能している。

 キメラの現実世界の姿である、雲英きら来夢らいむ

 同じくカノンの現実世界の姿である、会長と呼ばれている少女の2人である。

 イベント【お助け☆ガールズ】が終了したら、来夢の奢りで新しくできたケーキ屋へ行こうと約束していたからだ。


「そんなに大きな苺パフェ、全部食べられるんですか……?」

「まぁ、残したら君が食べればいいと思うよ。それに実はもう1人来るんだ」

「え!? 2人きりじゃないんですか!?」

「おや? ケンヤ君にフラれたショックで女の子ラブに目覚めたのかな?」

「いやいや! 違いますよ!! ただ、これからこうやって2人で集まる時間も減っていく事を考えますと、2人きりの時間も大事にしたかったなぁ……何て!」

「? 別にいつでも誘ってくれれば行くのだが?」

「……先輩今中3ですよね? それを考えますと、勉強とかで時間が取れないような気も……。それに、高校に行ったらきっと会長は高校のお友達とばかり遊ぶようになる気がするんです。学力的にも私はきっと会長とは違う高校に行くと思うので、それを考えますと……」


 キメラが寂しそうな表情を浮かべた。


「ま、未来の事何て私にも分からない」

「そうですよね……」

「だが、そこまで深く考える必要は無い。会いたいと思えばいつでも会えばいいし、遊びたいと思えばいつでも遊べばいいんじゃないのかな? 少なくとも私はそう思うけどね」

「そうですね……そうですよね! 会長が高校に行っても連絡しまくりますよ!!」

「その意気だよ。おっと後1人が来たようだ」

(会長が呼んだ人? どんな人何でしょうか……?)


 白いカチューシャを付けた女の子が来夢達の席へとやって来る。


「ご、ごめんなさい! 忘れ物して遅刻しちゃいました☆」

「えーと……?」


 来夢が困った表情で会長を見る。


「あー、来夢君には言ってなかったからね。そうなるのも無理は無い」


 会長は指パッチンをすると、謎の少女について答える。


「このは、君もよく知っている筈だよ。美奈君。自己紹介をお願いする」

「了解です! えーと、如月きさらぎ美奈みなです! 錬金術師です!」


 来夢はピンと来た。


「もしかして、ミーナちゃん?」

「そうだよ。キメラちゃん☆」


 なるほど! と来夢が頷く。


「確かに、言われてみれば雰囲気似てるかも!」

「でしょ! このカチューシャも目印になるかもって、身に着けてきたんだ!」

「確かにゲーム内でも付けてるね」


 キメラは先程の不安から一時的に解放された。


(会長の現実世界の知り合いでしたら、ちょっと心配でしたけど、ミーナちゃんは普段会長とは、ゲーム内だけでの付き合いです! 私の方が会長とは普段沢山喋っているのです!)


 キメラは気分が良くなり、ニコニコし、ティーカップのコーヒーを味わった。


「何だかプチオフ会みたいになりましたね! えーと、カノンさん……?」

「そういえば、私の自己紹介がまだだったね。これは失礼した。私の名前は……」

「ストーップ! あえて聞きません! 何かその方がミステリアスです!」

「そうかい? 何だか君にだけ個人情報晒させて悪いと思ってるんだけど」

「大丈夫です! カノンさんって呼んでいいですか?」

「別に君が良ければいいよ」

「分かりました! で、カノンさん。今回はお誘いありがとうございました!」

「気にする必要はない。私もプチオフ会的な事をしてみたかったのだよ」

「嬉しいです! でも、何か悪いですね」

「何がだい?」

「アルさんと極さんとクローさんが仲間外れみたいです」

「はっはっは、別に仲間外れにした訳じゃないよ。ただ、美奈君は来夢君と仲が良さそうだったから呼んでみただけだよ。それに君はVtuber? 何だろ? 私よくそういうの詳しくないから色々と聞ければと思ってね。大まかな事は知ってるんだけど、実は詳しくは知らないのだよ」

「そういう事ですか!」


 ミーナは自分に興味を持ってくれたのが嬉しく、目を輝かせトークを始めた。

 ちなみにミーナは生チョコレートケーキを頼んだ。





 一方その頃、アルカ達はというと……。


「おー! それが暗号の正体か!」


 GWOのアルカのマイホームで極とクローと話をしていた。


「拙者達にとっては暗号でも何でもないでござるよ……というか、むしろアルカ殿の世界には元号が無いのが驚きござるな」

「ああ。元号って言葉は初耳だったな。で、その平成20年? ってのが極とアルカがいる世界何だな! あれ? でも2008年っても言ってなかったか?」


 アルカは腕を組み、漫画的表現で言うと、目をグルグルと回転させ困惑している感じだ。

 そこにクローが突っ込みを入れる。


「私達の話聞いてたの!? 2008年でもあり、平成20年でもあるのよ! OK?」

「頭がこんがらがりそうだな。とりあえず、OK! 2008年ってのは平成2008年って意味でOK?」

「2008年は西暦! 分かる!? 例えばアルカ達がいるこの世界は西暦2021年でしょ? それと同じよ! あんたの学生時代の成績が気になる所だわ」

「西暦……? また謎のワードが……。頭がこんがらがる……。俺はもう駄目だ……」


 極とクローは顔を見合わせる。


「えーと……2021年西暦ではないのでござるな?」

「そうだな。あっ! でもこれだったら1文字の違いだな! 驚く要素は無いけど、聞いて驚け! 今は漆歴うるしれき2021年だ」

「「漆歴……!?」」


 極とクローにとっては、初耳であった。

 そして、極とクローが疲れたような表情で言う。


「かなり私達の世界と似てると思ってたけど、ここまで違うと、これはもう……」

「完全に別世界でござるな……」


 アルカは困惑する。


「え? え? 何か俺やっちまったか?」


 アルカは頭の後ろをかいて照れる。


「無自覚なの!? もう……こうなったら勝負よ!!」


「何で!?」


 本日も、クラン【聖なる漆黒】の皆は、元気にそれぞれの生活を送っているのであった。

今回の話で第五章は終了です。

ここまで読んで下さり、ありがとうございました!


初めましての方も、ありがとうございます!

正直結構な文字数となりました本作ですが、興味をお持ちになりましたら、他の話も読んでくださると非常に嬉しいです。

(読まなくてもこの話を開いてくださった時点で嬉しいです!)


宜しければ、ブックマーク、評価をお願い致します。

勿論、しなくても大丈夫です!


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