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160.大量にお助けポイントを入手

 戦闘を終えたアルカは、巨大化の種の効果が切れ、空中で元のサイズに戻る。

 そして、そのまま地上へ、ドシンと着地をした。


「アルさん! やりましたね!」


 トコトコと、ミーナがアルカに駆け寄る。


「いやぁ! 凄い迫力でしたよ! しかも何か白くなったりしましたよね!? あれ何のスキルですか!?」


 ミーナが言っているのは【女神モード】の事だろう。


「【女神モード】ってスキルだ。他のスキルとはちょっと違ってゲージを貯めないと使えないんだけど、とにかく強い」

「ゲージ?」

「ああ。TGトランスゲージって言うんだけど……」


 アルカはミーナに、手短にTGの説明をした。


「へぇ! いいなぁ! 私も【女神モード】欲しいです!」

「次の女神イベントの時、狙ってみるのもいいかもな」

「そうですね! それに、トランスゲージって言うくらいです! 他の変身もあるのかもしれません!」


 女神ゲージではなく、トランスゲージ。

 そう名付けられている事を考えると、他にもありそうである。

 だが、現在の所はネットにも情報が出回っていない。

 という事は、現時点では女神モード以外、実装されていないか発見されていないのだろう。

 そして、Vtuberとして情報を得ているミーナでさえ知らなかったという事は、女神モードを使えるプレイヤーはアルカと、もう1人くらいしかいないのかもしれない。


「あのぉ……」

「ん?」


 ミラクルが気まずそうに話しに入る。


「盛り上がっている所申し訳ないんだけど、いいかな?」

「おっと、そうだった。悪いな」

「大丈夫だよ。それにしても、凄いんだね! 本当に怪獣を倒しちゃう何て!」

「何て事は無かったぜ!」


 割と苦戦したが、少し照れながらアルカは言ったのであった。


「本当にありがとう! お礼にこちらをどうぞ!」


 ミラクルは、巻物のようなものを2つ取り出す。

 使用すればスキルが取得できる、スキルの書と呼ばれるものだ。

 アルカの使用する【爆炎】もこれで取得した。


「1つは黒い巻物、1つは赤い巻物ですね。どっちにします?」

「スキルを見てから決めようぜって、ランダムスキルの書か……」


 スキルの書には、ランダムスキルの書というものがある。

 使用してからでないと、何のスキルが入っているか分からないのだ。


「私、赤にしますね」

「じゃ、俺は黒」


 2人はランダムスキルの書をそれぞれ受け取り、ストレージに収納した。


「では、私はこれで!」

「ああ! 元気でな!」


 ミラクルはどこかへ去っていった。


「一件落着だな! おっと、ポイントを確認するか!」


 アルカはメニュー画面から、お助けポイントの確認画面を出す。


「どのくらい入りましたかね? 楽しみです!」


 画面には、お助けポイント1000を入手しました。との表示があった。

 これにより、現在の【聖なる漆黒】のポイントは1010ポイント。

 一気に現ランキング1位へと昇りつめた。


「うおおおおおおおおおお! 凄いですよ!!」

「ああ! 1位だ!」


 2人はハイタッチをする。


「次なる依頼を探しましょうか!」

「疲れてないか?」

「ゲーム内だから大丈夫です! ……と言いたい所ですが、脳を回転させてる訳ですから精神的にちょっと疲れましたねぇ……」

「じゃあ、とりあえずはじまりの街に戻るか」

「そうですね」


 今回のイベントでは、アイテムの使用は認められている。

 だが、例外として使用できないアイテムがある。

 それは転移系のアイテムだ。

 それ故に、実際に動いて帰るしかない。


「じゃ、出発するか」

「はい! 失礼しますっと」


 ミーナはアルカの背中に乗る。


「!! アルさん! ちょっと待ってください!!」

「どうした?」


 ミーナがアイテムの残数を確認するのに、メニュー画面を開いた。

 そこで、ある変化に気が付いた。


「順位が……【聖なる漆黒】のランキング順位が2位になってます!」

「何だって!?」


 アルカは急いでメニュー画面を開いて確認する。

 確かに、ミーナの言う通りだ。


「どういう事だ……?」


 現1位のクラン名は【デンジャラスギャンブラーズ】。

 獲得ポイントは、1320ポイントと非常に高い。

 先程までは、上位5位以内にも入っていなかった。

 一体なぜ?

 2人は頭を悩ませると、極からの着信が入った。

 アルカは画面をタップし、通話に応答する。


『大変でござる!』


 何やら、焦っているような感情が声に現れていた。


「ど、どうした!?」

『先程、はじまりの街に3時間限定でカジノ場が設置されたでござる!』

「カジノだと!?」


 アルカは察した。

 デンジャラスギャンブラーズとやらが、急激に1位になったのは、そこのカジノで一儲けしたからだと。


「極とクローはどこにいるんだ?」

『はじまりの街でござる』

「そうか。近くにキメラちゃんとカノンちゃんはいないのか?」

『あれから会ってないでござる』

「そうか……こうなったら仕方が無い……」


 大規模クランな訳でもない、【聖なる漆黒】の場合、ここで大きくポイントを引き離されては挽回ばんかいするのは難しいだろう。

 そう考えたアルカは、極に命じる。


「極……そこのカジノで勝てば、お助けポイントが増やせるんだよな?」

『そ、そうでござる!!』

「よし、子供に任せるのもあれだが、今からだと俺も間に合いそうもない。頼めるか……?」

『拙者がギャンブルを!?』

「ああ、幸いにも今手に入れた1010ポイントがある。それは俺達が入手したものだ。それを使って、再び1位にまで昇りつめてくれ!」

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