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14:蟹型モンスターでレベル上げ

 アルカと極はレベル上げの為、第1層の海岸エリアへと来ていた。

 海岸エリアは文字通り、砂浜があり、そこには蟹型の小型モンスター、キャンサーが居る。

 キャンサーは水を飛ばすスキルやハサミを使用した攻撃を仕掛けてくるのだが、かわすのは容易である。その割には経験値もスライムを倒すより、多く貰える。つまり初心者がレベル上げをするにはお勧めのエリアなのである。


「極はこうやってレベル上げしてたんだな」


 アルカは蟹を食いながら言った。モンスターでも美味しいらしい。


「そうでござるよ」


 極は刀を振るいながら言った。

 1時間でアルカのレベルは9になっていた。

 対して、極のレベルは上がっていない。適性レベルを過ぎるとレベルが上がりにくくなるのに加え、キャンサーの経験値では極のレベルまで行くと物足りないのだ。


 レベル上げをしていると、1人の少女が歩いてやって来た。


「なぬぅ!? きっ 貴様は!!」


 極が驚いた。

 その少女とは、青髪のツインテールをたずさえた、エレメンタルシスターズの次女、ミサキであった。


「おっ! 久しぶり……? いや、この前会ったばかりか」

「えーっと……この前のドラゴンさん……?」

「そうだけど……って自己紹介して無かったけ。俺の名前はアルカ。こう見えてプレイヤーだ」


 この前出会った時は、いきなり斬りかかって来たので、自己紹介もしていなかった。

 ダンジョンで出会うとどう見てもモンスターなので、ミサキも悪気があった訳では無い。

 それにミサキはヴァーチャル配信者だ。視聴者を楽しませる事を大事にしている。となれば初見のモンスターにも勇猛果敢ゆうもうかかんに挑んでいくというものかもしれない。


「この前はすいません。まさかプレイヤーだとは思わなかったので……」

「別に良いぜ? 俺も楽しかったしな。それにプレイヤー同士の戦いや駆け引きもゲームの醍醐味だいごみだろ?」

「そう言って貰えると嬉しいです」


 アルカとミサキが会話をしていると、極が抜刀の構えを取りながら、ミサキに言う。


「おい! 相手なら私がするでござるよ!」

「ふえ?」

「アルカ殿を油断させて倒す気でござるな!? 知ってるでござるよ!」

「そ、そんな事しませんよ」

「配信しているのでござるな? コメント欄はどうなっているでござる? きっとアルカ殿を倒せとか書かれているでござるよ……ならばそれを阻止するのが武士たる拙者の役目!」


 極はミサキに対し斬りかかるが、ミサキの右手から出たスキル【ハイドロレーザー】が、極の刀の刃の部分を的確に打ち抜いた。刃は折れ、宙を舞い、地面に突き刺さる。そしてその出来事に極の身動きが止まる。


「なっ……」

「ご、ごめんなさい……あ、それと今は配信してないです。今日はオフで来てるんです」

「そ、そうでござったか! すまぬな! 拙者は話を聴かないでござるからな!」


 アルカは拍手をする。


「凄いぜ! あそこまで的確に刃を狙う何てな!」

「ま、まぐれですよ」

「だとしても凄いぜ! 極より強いんじゃないか?」

「確かにレベルは高いですが、強くは無いですよ」

「そうか? まっ頑張れよ! ……っとそうだ。次のイベント、美少女コンテストには出場するのか?」

「はい。戦闘系のイベントらしいので、いつも通りすぐに負けちゃいますけど」

「そんな事言うなよ! 勝負はやってみなくちゃ分からないぜ。俺も出場するから宜しくな! ミサキの全力、期待してるぜ!」


 アルカは手を振り、ミサキに別れを告げる。

 極は、折れた刀でキャンサーをぶん殴っていた。


 そして1時間後、アルカのレベルは10へと変化する。


「アルカ殿! やったでござるな!」

「ああ! だけど今日は遅いから明日にしようぜ?」

「そうでござるな。それに明日にはイベントの詳細が発表されるでござるからな」

「ワクワクするぜ」

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