130.スキルの確認
アルカはクローと別れた後、【マイホーム】へと帰還し、自らのスキル一覧を開く。
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★【コンファイン】※元第一の瞳
プレイヤーを自身に装備する。自身がダメージを受けた場合、代わりに装備されたプレイヤーがダメージを受ける。更に装備したプレイヤーの能力値を上乗せし、それのスキルを使用可能になる。
使用後、1時間は使用不可。
【咆哮】
至近距離で使用した場合、ダメージの他、相手の聴力を1分間奪う。
パーティメンバーにも影響があるので注意。
【超音波】
ヒットした相手の動きをランダムにしてしまう音波を放つ。
★【スキルイーター】※元第二の瞳
相手の攻撃系スキルに対し、発動出来る。
自らの現在のHPからみて半分を削り、そのスキルを無効にする。
無効にしたスキルは特殊ストレージへと移動し、1つまでストックする事が出来る。
ストックしたスキルは、1度のみ、このスキルを発動させたプレイヤーが使用出来る。
【トルネード】
小型の竜巻を発射する。
【メタルウイング】
1分間、自らの翼を鋼へと変化させる。
【爆炎】
火球を口から発射する。
当たった個所を爆発させる。
★【スピリットコントロール】元第三の瞳
レベルが自分より上か、下のプレイヤー相手にのみ、発動する事が出来る。
相手プレイヤーのコントロールを10秒間得る。
その際、このスキルを発動したプレイヤーは、行動不能となる。
【装備破壊】
現在装備している装備を全て破壊する。
★【ダークネスブレイクバースト】※元第四の瞳
ドス黒い球体を作り出し、そこまで速くないそれを発射する。
当たった相手は、残りHP分のダメージを受ける。
★【プレストフォルム】※元第五の瞳
5分間、自らの形態をプレストフォルムに変化させる。
属性は風となり、素早さを大幅アップさせる。
その反面、耐久面は下がる。
★【停滞音波】
翼を羽ばたかせ、風と共に不協和音を相手に送る。
風にヒットした相手は、10秒間動けなくなる。
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大きな変化、それはスキル名として、【〇〇の瞳】という名称が消えていたという点だ。
それ以外は特に変更点はない。
翼の瞳が無くなったのだから、当然かもしれない。
「★がユニークスキルか。名前が変わっただけで、効果は変わってないか。そういえば本来であれば俺の翼の目ん玉は全部で8つあったわけだ。つまり、後3つのユニークスキルを手に入れられる事が約束されているという訳だ」
だが、既にレベルは70。
カンストしている。となれば、今後のアップデートでレベルの上限が解放され、その時に開放されるか。あるいは別な条件があるのかもしれない。
ちなみに【停滞音波】については、瞳スキルではないので、関係ない。
「ステータスについては全体的に上昇されてるな」
進化しただけあって違う。
レベルダウンのアイテムでも無ければ、進化は不可能であったので、今回は偶然のラッキーであった。
「このゲーム……他にも取り返しのつかない要素とかありそうだな」
ユーザーが解明していない謎はまだ存在する。
「独自調査してみるか? でもこれだけプレイヤーがいれば、一通りやり尽くされてそうだしな……う~ん」
アルカは腕を組み、考える。
「そもそも……このゲームって何で開始時点でこんなにアバター格差あるんだ? 俺とか、最初3体のモンスターから選んで旅立つ所で、裏ボスモンスターを選んでるようなもんじゃん」
その考えは最もであった。
不満を訴えるユーザーもいるが、逆にそこがイイ! というユーザーも多い。
その理由として、1つとして全く同じアバターというのは存在しないというものがある。
同じアバターが存在しない、つまり、GWOの世界に正真正銘1人しかいない。
故に愛着がわいてしまう。
それに、このゲームをやっている全ユーザーが思う事がある。
それは自分のアバターに抵抗が無い事だ。
“アバター”という言葉の通り、もう1人の自分かのように違和感が無いのだ。
これもブレイドアロー社の技術の高さ故なのだろうか?
「まっ、俺には丁度いいけどな。さて、と……何するかな」
レベルもカンストしたアルカ。
いつも何かしらの事件が起きるのだが、幸い今は平和だ。
「自分から動いてみるか……おっ、丁度いいところに運営からのお知らせが……って俺無理じゃん」
初めてから一週間のプレイヤー限定で、応募できるキャンペーン情報であった。
何と、自分で考えたスキルが自分専用のユニークスキルとして与えられるというものだ。
その他に、汎用スキルとして採用される賞もあるようだ。
「あれか、漫画とかでよくある。『君の考えた技が登場するぞ!』みたいな。でもこういうのって現実的なスキルじゃないと授与されなさそうだな」
何の弱点もない……例えば発動した瞬間見た相手を即死させるスキル何てものは、却下されるだろう。
もしそのようなスキルを与えてしまえば、採用した運営の首が飛ぶ。
「おまけに、応募した内容が完全に再現される訳じゃないみたいだ」
強すぎる設定で応募した場合ほとんどは却下されるだろうが、それでも運営が「おっ!」と来た場合は、何かしらのデメリットが付与され、採用されるようだ。
「ま、そんなもんだよな」




