表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

120/325

120.今までで一番の強敵かもしれない

 勝敗は決した。

 極のHPバーは0……アルカの勝利である。


「よしっ! 極に勝ったぜ!」


 アルカはマッスルポーズをし、極にアピールする。

 ギリギリの戦いだったいうこともあり、非常に嬉しそうな表情をしている。


「後少しだったのでござるがなぁ……それにしてもアルカ殿のスキルは、ユニークスキルが多い上にどのスキルも強いでござるな」

「それを言ったら極のスキル無限使用もやばいだろ。禁止か制限されるべきだ」


 極も負けて悔しそうではあったが、同時に嬉しそうな表情もしている。

 この勝負、お互いが非常に楽しんでいたのだ。

 極が相手と言うこともあり、童心に帰り、アルカもテンション高く戦闘していた。


「むぅ……。ま、今回は負けでござる。後の2試合も頑張るでござるよ?」

「当然だ!」


 アルカと極は握手をかわした。


「では……拙者の秘密暴露は後日させていただくでござる……。覚悟するでござる!!」

「ん? ああ! どんとこい!!」


 どうせ大した事ないんだろうな。

 とか、アルカは考えていた。


「ギリギリの戦い! 正に“ショー“! 素晴らしい! そして何より……2人とも、とても楽しそうで良かったぞ」


 カノンはあんなに楽しそうにしているアルカは、はじめて見たので、少し驚いていた。


「次の試合も10分後だ。準備を頼む」


 と、カノンがアルカに言うと、フィールドに1人のプレイヤーが飛び出して来た。

 神ゴッドだ。


「お゛い゛! 次の試合は……私だああああああああああああああああああああ!! おめぇら、応援しろよな! お゛い゛!!」


 観客の反応は。


「おい、あれ」

「神ゴッドだ……」

「マナー悪いんだよな」

「でもスキルは強い」

「声でっか」


 あまり応援しようと考えているプレイヤーはいないようであった。


「へっへっへ……! お゛い゛! ア゛ル゛カ!! お゛い゛!」

「お、俺?」


 神ゴッドはアルカの元へゆっくりと歩いてくる。


「今どんな気持ちだ? 怖いのか? お゛い゛!」

「えーと……良い勝負にしよう」

「へっ! へっへっへっへ!! へへへへへへ!! へーい!!」

「?」


 神ゴッドは突然、両手を宙へ伸ばし、その場で回転し始める。


「善!! はい、善!!」

「えーと……」


 神ゴッドはお辞儀をする。


「お゛い゛! おめぇ、中々善人だな! 私には劣るがなぁ!! お゛い゛!!」

「あ、ありがとう……?」


 神ゴッドは、ガムをフィールドに吐き捨てると、アルカと距離を取る。


「10分と行かず、今すぐやらせろ!!」


 神ゴッドはやる気満々のようだ。


「えーと……回復してからでいい?」

「今や゛る゛の゛おおおおおおおおおおおおおおおお!!」


 と、その時、アルカのHPとMPが全回復した。


「アルさん!」

「ミーナ!」


 ミーナがアイテムで完全回復させてくれた。

 神ゴッドはミーナを見るとニヤリと笑う。


「こ☆れ☆は……!! ミーナだ!! お゛い゛!! 錬金術師!! 夢は叶ったか?」

「えーと……」

「あっ、そーだな。覚えてないか! お゛い゛!」


 ミーナはアルカの後ろに隠れる。


「アルさん。この人何か怖いです」

(カノンちゃんは何でこんな奴呼んだんだ……? 絶対失敗だったろ)


 アルカは、ミーナに店に戻るように言うと、戦闘態勢を取る。


「分かった。今からやろう」

「そう来なくちゃなぁ……!!」


 電光掲示板のカウントが0になると、神ゴッドは叫ぶ。


「ぬほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

「!?」


 アルカはスキルかと身構えたが、違ったようだ。


「最初に言っておく。私の攻撃力はカスだ! すっげぇカスだ!」

(何だこれ……作戦か?)


 今まで相手した事のないタイプという事もあり、1つ1つの言動が気になって仕方が無い。


「ノリ悪ィな! お゛い゛!! さっきの小娘との戦いはもっと激しかっただろうが!!」

「ちょっと様子を伺おうかと……」

「いい訳してんじゃねぇぞ!! お゛い゛! それともあれか? 愛しのあの娘には、ほの字ってかぁ!? かぁ~!! ラブラブのラブコメディかっつーの!! 腹いてーぜ!!」

「いや、このゲームって全員女の子アバターだから、極のリアルが女の子とは限らない気が……」

「男だったら、おめぇがホモって事で解決だろうが!!」


 威勢は良いが、攻撃して来ないので、アルカは攻撃の体勢に入る。

 【爆炎】を使用したので、火球が神ゴッドに向かっていき、油断していたという事もあり、クリーンヒットする。


「がああああああああああああああ!!」

「よしっ!」


 神ゴッドにヒットした火球は爆発し、そのまま壁に叩き付けられる。


「いいね……やっぱ戦いはこうじゃねぇとな゛!!」

(どういう事だ……!?)


 確かにスキルは直撃したはずだ。

 その筈だが、HPゲージは満タンのままだ。


「あ、心配すんじゃねぇ!! 攻撃を受けた際にその分のダメージを回復させて貰っただけだからなぁ……!! そして、今の私は神の名に相応しい職業を得ている……何とユニーク職業に進化したんだぜぃ!? お゛い゛!!」

「ユニーク職業だと……!? だが、それとその回復力に何の関係が……」

「いいか! お゛しえてやる! 私の今の職業は【不死身】!! 回復系スキルをMPの消費を無しで使用でき、更には一発で倒されそうなダメージを受けた際にHPを1残すんだぁ!!」

「嘘だろ……!?」


 だが、それは事実であった。


「これから始まるのは……絶望のショーだな!! お゛い゛!!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ