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115.信じて信じてレベル上げ

 アルカがコノミ達とレベル上げをしていたその頃。

極とパスタは打倒アルカの為、秘密の特訓を行うべく、作戦会議をしながらゲーム内のカフェで珈琲を堪能していた。


「では、まずどこに行くでござる?」

「そうね、私はもうちょっとレベルを上げたいわ」


 2人の現在のレベルは、極が57、パスタが38であった。


「そうでござるか。拙者もアルカ殿に挑むのであれば、レベルをカンストさせたいでござる。とは言っても、どこでレベル上げするでござるか?」

「第6層とかどうかしら?」

「なぬっ!?」


 いくら強いプレイヤーと言えども、パスタは期間的にはバリバリの初心者だ。


「確かに今はこの前のアプデで、フロアボスさえ倒せば次の層にまで行けるようになったでござるが……パスタ殿のレベル的にキツくないでござるか?」


 今まで、フロアボスに挑むには、レベル制限があった。

 だが、現在は“ソロ”でフロアボスを倒す事ができれば、次の層に行く事ができるようになった。

 だが、パスタのレベルで第6層に挑もうと思う者はほとんどいない。


「あら? こう見えても第5層のフロアボスを倒して第6層へ到達しているのよ?」

「な、なんとっ!?」


 既に6層へと到達済であった。


(そこそこレベル上げ頑張ってた拙者でも苦労したのでござるよ!?)


 パスタの化物っぷりに目を丸くする極であった。


「えーと……では、6層へ行ってレベル上げという事で……」

「ええ。宜しく頼むわ」


 パスタはニコリと微笑んだ。


 そして、第6層へとやって来た2人。


「どこのダンジョンを攻略するでござるか?」

「そうね。攻略というより、今回はレベル上げが目的だから、ここに行きましょう」


 パスタはマップを開き、冬のダンジョンを指差した。


「こ、ここでござるか!? 冬って季節ダンジョンの中で一番難易度高いでござるよ!?」

「別にボスを倒そうって訳じゃないわ。まっ、倒してもいいんだけど」

「え?」

「冬のダンジョンには経験値を大量に落とすと言われる、アイスアリゲーターがいるわ。そのモンスターを倒しましょう。

「何とも強そうなモンスターでござるね」

「そうね。でも極ちゃんならきっと大丈夫」


 こうして、現ダンジョンの中で一番出現モンスターのレベルが高いとされる、冬のダンジョンへと向かった。


「いきなりでござるか……」


 目の前に、モンスターの群れが出現した。


「いい経験値ね」

「そう取るでござるか。良いでござる! 拙者も新武器を試すでござる!」


 パーティ対抗トーナメントで愛刀を失った極は、新武器を取得していた。

 正確には、【鍛冶師】であり同じクランメンバーである、カノンに作ってもらったのだ。


「初陣でござる……“流星刀シューティングスターブレイド”!!」


 極は、新しい愛刀、【流星刀シューティングスターブレイド】を抜く。


「私も行くわ、ヒートウルフ!!」


 モンガルコラボで手に入れたヒートウルフを召喚する。


「おお! って見とれてる場合じゃないでござるな!!」


 極はモンスターを次々と斬りつけていく。


「ヒートウルフ! ファイアボール!」


 ヒートウルフが可愛らしい声をあげ、スキル【ファイアボール】……要するに火の玉を放つ。

 火力は高いと言えないスキルであるが、属性の相性により、冬のダンジョンのモンスターには結構なダメージが入った。


「極ちゃん、離れて!! ……トドメよ! プロミネンス・バーン!!」


 ヒートウルフの全身からオレンジ色のオーラが、目に見えるように出る。

 そのまま両手を目の前に出すと、巨大な火球が相手に向かっていき、それが敵の周囲に分散すると、そのまま中央目掛けて爆発しながら燃え上がる。

 結果、敵は全滅である。


「す、凄いでござる」

「極ちゃんもね」


 パスタはヒートウルフの召喚を解除する。


「えへん! 拙者も伊達に修行は積んでないでござる!!」


 極は褒められて嬉しかったのか、ドヤ顔で無い胸を張る。


「元気ねぇ……私にもそんな時期があったわぁ」

「え?」


 一体何歳なのだろうか? 極は疑問に思った。


(アバターの年齢は少女でござる。しかし、話し方とかの雰囲気が大人っぽいでござるから、大学生くらいだと思ってたでござるが……もしかして、もっと年上?)


「? 極ちゃん、何か考え事?」

「あっ、いやっ、パスタ殿は落ち着いてて大人っぽいなと思ったでござる」

「ふふっ、こう見えても昔は極ちゃんみたいな感じだったのよ。何か昔の私に似てるわ」


 パスタは何かを懐かしむかの表情をし、極を見つめた。


「良くも悪くも、年を重ねると色々経験して、変わっちゃうからねぇ」

(……何歳でござる?)


 そんな感じで話をしながら、アイスアリゲーターの狩場へと向かった。

 レベル上げに最適という事もあり、他のプレイヤーも割といた。


「先客が多いのね。これじゃ全体攻撃で焼き尽くすのは無理ね」


 アイスアリゲーターは無限に湧くので、取り合いになる事は無いのだが、全体攻撃で他のプレイヤーを巻き込むのはマナー違反だ。


「だったらあれを使うわ。練習に丁度良いわ」


 パスタはサンドシャークを召喚する。

 そして、スキル【武器変化アームドチェンジ】を発動させる。


「な、なんとっ!?」


 サンドシャークが粒子となり、更にそれが形を変えながらパスタの手に収まる。

 先程までサンドシャークまでだったそれは、サンドシャークを思わせる外観の剣となっていた。


「サンドシャークが剣になったでござる!」

「これで対象を絞りやすくなったわ。2人で行くわよ!」


 その剣は、パスタと敵のレベル差を思わせない程の威力を誇っていた。

 その秘密は、サンドシャークの能力がそのまま剣に反映されているからだ。



 そして、数時間レベル上げを行った。


「今日は楽しかったわ。ありがとう、極ちゃん」

「こちらこそ、凄い物を見せて貰ったでござるよ!」

「それにしてもMP回復のアイテム助かったわ」

「拙者、GWO内では、かなりのお金持ちでござるからな!」

「そうだったわね。でもありがとう。イベントでは絶対に勝つわよ!」

「おう! でござる!!」


 次回、サマーフェスティバル。

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