108.打倒、アルカ!!
そして、同日の13時。
昼ごはんを食べた後、再びアルカのクランホームへと、5人は集合する。
「いよいよパスタ殿と会えるのでござるな!! 気合を入れてお昼はパスタ料理を食べてきたでござる!!」
「へぇ、極は料理とかするんだな」
「夏休みはよく友達が料理を作りに来てくれるのでござるよ。拙者もする時はするでござるが」
極の言う“友達“とは、槍崎黒亜の事である。
彼女は料理も上手で、親が共働きの極の為に夏休み中は、よく料理をしに来てくれるのであった。
(そんなに仲の良い友達がいるのか……あぁ、極がドンドン遠い所へ言ってしまう……いや、元からそうだったかもしれないけど)
とかアルカは思っていた。
「そういえば、パスタさんとはどこで待ち合わせをしてるんです?」
キメラがアルカに尋ねた。
「俺の“マイホーム”だ。最初はGWO内の喫茶店とかも良いかと思ってたんだけど、誰も居ない所でゆっくりと話した方が良いと思ってな」
アルカの【マイホーム】に13時30分に集合という約束をしていたようだ。
アルカは皆を連れ、久しぶりに【マイホーム】に向かう。
そして、待ち合わせ5分前に彼女が到着した。
「こんにちは」
「パスタさん、こんにちは。今日は来てくれてありがとう」
「いいのよ。今日は暇だったし。あ、はじめて会う方もいるわね。はじめまして、パスタです。宜しくお願いします♪」
パスタはニコリと笑い、皆にお辞儀をした。
「あ、あのっ! 拙者、極と言います」
興奮を押さえ、極はパスタに挨拶をした。
「極ちゃんね。宜しく」
「よ、宜しくお願いでござる。それで……拙者、モンスターガールズの大ファンで、パスタ殿がモンガルを使って活躍してるって聞いて拙者嬉しくて……」
「モンガル好きなのね? 私もよ。ちなみに好きなガールズは? 私は決められないけど、強いて言うならスカイエルちゃんね」
極は表情を明るくさせる。
「拙者も! 拙者もスカイエル好きでござる! 勿論他にも好きなガールズは一杯いるででござるが、スカイエルにはいつも助けられてるでござる。あ、でもそれを言ったらサンドシャークもお気に入りでござる!」
「あら? 好きなガールズまで同じなのね。仲良くしましょう♪」
「えへへ/// で……それででござるが、コラボで入手したガールズを見たいのでござるが……」
「いいわよ」
パスタはコラボガールズをいっぺんに呼び出した。
街の中やマイホーム等であれば、MPの消費無しでこのような事が出来る。
「うわわわ!! 凄い! 凄いでござる!!」
極は目をキラキラと輝かせ、スクリーンショットを撮りまくった。
「モンガル好き同士、盛り上がってくれて何よりだぜ」
アルカ達は楽しそうに話す二人を、少し遠くから見ていた。
「そうですね。あの二人は良く似ていますね」
「確かに、髪の色が同じだし、姉妹みたいだよな」
「確かにそれもありますが……」
「?」
「魂の形や色も似ていますね。カンですけど」
「魂……? あっ、俺最近勉強したぞ! 確かvtuberの中身の事だよな!」
「まぁ、そんな感じですね」
実際は違った。
ミーナは以前、別世界でリアル錬金術師だったので、何となく魂の形や色を感じ取る事が可能なのだ。
最も、現在はゲーム内であり、そもそもこっちの世界に来てから異能は何一つ使えなくなっている。
まさしく、“カン”という表現が相応しかった。
「? つまり、中の人同士も似てるって事か?」
アルカは1人、頭の上にハテナを浮かべていた。
「あぁ……満足したでござる。本当にありがとうでござる!!」
極は非常に満足した表情を浮かべていた。
召喚されていたガールズ達も粒子となり消えた。
「こちらこそ楽しかったわ。また会いましょう」
ニコやかに手を振ったパスタ。
「ってちょっと待って! サマーフェスティバルについてのお話は!?」
アルカが帰ろうとしたパスタに突っ込みを入れた。
「あら、うっかり」
「忘れてたの!?」
ちょっぴり天然な人のようだ。
「……という事で、サマーフェスティバルで俺と戦って欲しいんだ」
「なるほどねぇ」
アルカは、サマーフェスティバルでやりたい事をパスタに説明した。
「貴方とは戦ってみたかったのよね。むしろこっちからお願いするわ」
「ありがとう! これで盛り上がる事、間違い無しだぜ!」
アルカはガッツポーズをした。
「正々堂々、楽しい勝負にしましょう」
「拙者もサマーフェスティバルでアルカ殿と戦うでござる!」
「じゃあ2人で修行しちゃう? 私レベルまだ低いからレベル上げもしなくちゃいけないけど」
「おお! 秘密の特訓って奴でござるな!」
2人は打倒アルカの為、意気投合したようである。
「極ちゃんは今から大丈夫?」
「OKでござる!! という訳で、アルカ殿! 次会う時はイベントの日でござる!」
極はアルカにサムズアップを向けた。
極とパスタはアルカのマイホームをあとにした。
「何か俺、敵キャラみたいになってる……」
「いいじゃないか。誰かの目標になるのは初めてかい?」
「そういえば……そうだな」
アルカは今まで生きてきた中で、誰かの目標になった事が無かった。
「よし、期待に答える為に俺もレベル上げ頑張るか!」
「頑張ってくれたまえ」




