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107.1人知らない人がいる

 2021年8月22日。

 本日はクランホームで集合し、その後パスタと会うという流れだ。

 現在の時刻は午前9時。

 特に早くも無い時間に、アルカのクランメンバーは集合した。


「久しぶり! 皆! 夏休みは楽しんでいるか?」


 アルカが皆に問うと、楽しんでいる意の返答が帰って来る。


「私とキメラ君は肝試しを楽しんだよ。キメラ君のビビりっぷりは、今思い出しても愉快な気持ちになるね」

「会長がおかしいんですよ。もっと怖がりましょうよ……」


 キメラとカノンは肝試しを行ったようだ。


「拙者は友達とプールに行ったでござる」

「プール!?」


 極はプールに行ったようである。

 それを聞いたアルカは驚く。


(もしかして……極って中年ニートじゃなくて、学生とかなの? えっ?)


 もしや大学生とかなのでは? とアルカは考えた。

 もしそうであれば、学生じゃないのは、このクランで自分1人だけとなってしまうからである。

 だが、アルカは自らの表情を平然としたものに戻す。


(フッ、別にリアルがどうであれ、関係無いぜ! 俺は成長したんだ! 寂しさなど感じない!)


 と、考えるようにした。

 実際は寂しさを感じているような考え方だ。


「皆さん、非常にリアルが充実していますね! 私の活躍は是非動画を見てください! 色々なvtuberをこのゲームで倒しましたよー!! そして! 念願のアイテム増殖のスキルも得ました! これでたこ焼き食べ放題です!!」


 どうやら、ミーナはGWO内で様々なvtuberと戦ったようだ。

 新スキルも入手しており、計画通りと言った所であろうか。


「おお! 凄いな! 俺は相変わらず仕事の毎日だ……」


 アルカは座り込み、顔を地面に向けた。


「お疲れ様です」


 キメラがアルカに敬意を表し、お辞儀をした。

 それに対し、生徒会長のカノンは……。


「ハーハッハッハ!! 大変だね、社会人は」

「ちょっと会長! 何言ってるんですか!」


 遠慮せず、率直に自分の考えを口に出したのであった。


「別に悪い事では無いだろう? 大変なのは事実だ。正直、私は大人に何てなりたくないよ。毎日毎日時間に拘束される何て、考えただけで、あー、やだやだ」


 カノンは「やれやれ」ポーズをし、ヘラヘラとしながら言った。

 一通り話を聞いたアルカは立ち上がり、伸びをする。


「よしっ! 今日は嫌な事は考えないようにしよう! 楽しもうぜ!!」


 こうして、会議が始まった。

 午後からはパスタと会う約束をしているので、午前中の内にサマーフェスティバルの予定を決める予定のようだ。

 クランホームの地下に一行は向かう。

 地下は蝋燭が壁の至る所に設置されており、結構明るい。


「じゃあ、サマーフェスティバル予定を決めるぞ。確かこの前は、たこ焼き屋とアイテム販売とショーをやりたいとの事だったな。今の所、全部可能そうだけど、担当とかどうする?」


「私、たこ焼き屋やりたいです! 折角自分でドロップしたたこ焼き機ですし」


 と、キメラ。


「私はアイテム売りたいです! 一杯儲けますよ!」


 と、ミーナはドヤ顔で言った。


「じゃあ私とアルカ君はショーをやろう」

「俺も?」

「何言ってるんだ。前にも言ったけど、君が戦うんだよ。私はプロデューサーだ」


 有名なゲストを呼び、pvpのショーを開く事を計画していたカノン。

 アルカも「ま、いっか」と承諾した。


「拙者は……どうしよう?」


 極は悩む。


「極君もショーに参加するかい?」

「それいいでござるな! でもいいのでござるか?」

「何がだい?」

「盛り上がるでござるか?」

「君もそこそこ有名だからね。それに第2のプロデューサーになってもいいのだよ?」


 2人の会話を聴き、アルカは心の中で、プロデューサー二人も必要か? と突っ込んだ。


「じゃあ、拙者もそっちにまわろうでござる。アルカ殿とGWOで戦うのも悪く無さそうでござる」

「そういえば、このゲーム内で極と戦った事無かったな」


 そんな感じの理由で極もショー担当になった。


「何だかサクッと決まっちゃったな」

「アルカ君、何言っているんだ? ショーの対戦相手探しが残っているだろう?」

「そういえばそうだった」

「ま、そっちはもう私の方で進めたんだけどね」

「早い……」


 カノンは既に動いていたようだ。

 結果、対戦相手のメンバーは、


 期待の新人、パスタ。

大人気vtuberグループ【エレメンタル☆シスターズ】よりミサキ。

 美少女コンテストの敗者、かみゴッド。

 そして、極。


 といった豪華メンバーが集結する事となった。

 パスタに関しては午後からの話し合いの結果によるが……。


(1人知らない人が居る)


 アルカの脳味噌から神ゴッドの記憶は抜け落ちていたが、アルカはそのプレイヤーに会った事がある。※20話に登場。


「神ゴッドって誰?」

「美少女コンテストに出場していただろ? 覚えてないのかい?」

「うん」

「ハッハッハ! 神ゴッド君……かわいそうに!!」

「というか有名人なのか?」

「口が悪い事で有名だよ」


 神ゴッドは口が悪く、専用のスレッドが建てられる程の有名人であった。


「炎上が怖いですね」


 キメラはそんな人物を呼び、自分達が、特にvtuberのミーナが炎上しないか心配であった。


「そこは心配無用だ。実はスレッドでショーの宣伝をしていたのだが、逆に好評だったよ。神ゴッド君は強いからね。アルカ君との対戦を見たいという人は多かったよ」

「そこまで動いていたのか……」

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