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103.クワガタの奇声

 次の日の夜、アルカはGWOでとある誘いを受ける。


「虫取り大会! 一緒に行こう!」

「君は確か……あのバンドクランのえーと……」


 水色ロングヘアの幼き少女、リルに誘いを受けた。

 リルとの接点はパーティ対抗トーナメントでの決勝戦で戦った相手チームというだけで、話したことも無い。

 そもそも、リルは極が倒したので、直接戦ってすらいないのだ。

 なぜそんな誘いをしてきたのだろうか?


「リルだよ! 覚えてよ」

「ごめん。リルちゃん。で、何で俺が? いつもの仲間はどうしたの?」

「忙しいみたい。で、暇そうな人を探してたの!」

「そ、そうか。でも虫取り大会は期間長いみたいだし、俺と行くよりも後々別な日にいつものメンバーで行った方が良くない?」

「ダメ! 限定ユニークモンスターをゲットするの! 待ってたら居なくなっちゃうよ!」

「限定ユニークモンスター……?」

「そう!」


 【虫取り大会】にはユニークモンスターが登場する。

 顎の長いクワガタのモンスターであり、是非ともそれを入手したいという考えのようだ。

 1匹しか登場しない……という訳では無いのだが、1名のプレイヤーが仲間にしてしまうと、以後登場しなくなってしまう。

 その為、狙いのユニークモンスターがいる場合は、早めの行動が大事という訳だ。

 ちなみに限定ユニークモンスターはカブトムシのモンスターやセミのモンスター等、クワガタ以外も存在する。


「だから、今から行こうよ!」

「俺は良いけど、リルちゃんは大丈夫? 今もう夜だし。お母さん心配しない?」

「大丈夫!」

「それなら良いけど……ってあれか。アバターが小さいからと言ってリアルが小さいとも限らないよな」


 と、思いつつ。喋り方から小学生くらいだろうなとアルカは思った。

 リアルの事を詮索するのはマナー違反だと考え、【虫取り大会】の会場へと足を運ぶ事にした。

 目的地へ向かいながら、二人は話をする。


「リルちゃんの職業は、確かテイマーだったよね?」

「うん! かっこいいモンスターとか、かわいいモンスターとか、ちょっと変わったモンスターとか……とにかく色々なモンスターを仲間にできて面白いからテイマーにした! アルカは?」

「俺か、俺は無職だな」

「無職?」

「職業を選んで無いって事」

「ええ!? 勿体無いよ!」

「中々決められなくてね。というよりユニーク職業とかあったらそれになりたいと思ってあえて決めてない。このゲーム一度職業を決めたら、転職難しいらしいし」

「ユニーク職業とかそんなのあるの?」

「あるといいなって思ってね」


 実はユニーク職業というものは存在している。

 が、実際の所3人しかそれになれていない。

 そして、3人共あまり有名なプレイヤーではないので、情報が少ない。


「ここが虫取り大会のエリアか」


 第1層から行けるイベントエリア、【虫の森】へと到着した。

 人の手が加えられていない森といった感じのエリアだ。


「よーし! シャインナイツァーを見つけるぞー! おー!」

「シャインナイツァー?」

「狙ってる限定ユニークモンスターの名前だよ! 顎が大きくて長くて色も綺麗なの!」


 【シャインナイツァー】。クワガタ型のモンスターだ。

 顎の長さと渋い虹色の身体が特徴的なモンスターである。

 その顎を使用しての攻撃は、騎士が剣を振るうようにも見える。


「成る程。顎が長いんだな。どれどれ」


 二人は手分けして探すが、通常の虫モンスターばかりで、シャインナイツァーらしきモンスターは見当たらない。

 そして、2時間が経過する。


「シャインナイツァー!! どこー!!」

「似たようなモンスターじゃ駄目かな? ほら、あのモンスターとか似てるよ?」

「全然違うよ!」

(き、厳しいな……)


 これではテイム以前の問題だ。

 と思っていると、モンスターの声が2人の耳に入る。


「ホワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」


 森中にモンスターの奇声が響き渡る。

 そう、これがシャインナイツァーの鳴き声。

 奴は近くにいる。


「!? 何だこれは!?」

「シャインナイツァーだよ! 近くに来てる!!」

「なんだって!? やっと会えたな!!」


 シャインナイツァーが上空からアルカを襲う。


「上からかよ!」


 その一撃でダメージを負い、吹っ飛ばされてしまう。


「手段は選ばないってか!? 面白ぇ!!」

「倒しちゃ駄目だよ? ギリギリまで弱らせたらそこで攻撃をストップしてね!?」

「分かった!」


 アルカはスキル【メタルウイング】を使用し、鋼の翼でシャインナイツァーを攻撃する。


「ホワアアアアアアアアアアア!!」


 翼と顎がぶつかり合い、火花が散る。

 何度もぶつかり合うが、その数と同じだけお互いが宙で弾かれる。


「固い、甲虫ってだけあるな」


 【メタルウイング】が解除される。

 シャインナイツァーはその隙を逃すまいと、スキルを使用する。


「ホワアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


 【ブリザードボール】を使用したようで、氷の塊が発射された。

 ちなみに以前は氷系の技は水属性扱いであったが、アプデで氷属性が追加された事により、技の属性が変更された。

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