秘密の関係
ここからは一部15歳以上の表現があります。
読む際は注意をおねがいします。
「さぁ、続きをしようか」
と囁く言葉に逆らえずにベッドの上へ乗る。
その後、俺は初めて男に抱かれた。
なんともいえない体験だった。
最初は屈辱的な体制や行為に悔し涙を流し、それを忘れるほどの激痛と圧迫感に襲われて矢崎にすがりついた。
矢崎は、それでも止めずに優しい言葉とそれに反してしぶとく突き上げてくる。
次第に尻の奥からあついものがたぎり、熱が快感となって体全体を支配していく。
まるで矢崎から侵食されていくかのように自分自身がわからなくなっていく。
「あ、あっ、お願い。
おねがい」
などと最後は自ら欲しいとねだり、思考がそこで完全に停止した。
こうして俺は『王子』の『下僕』になった。
「とんだクリスマスになっちまったな」
目を覚ますと横には矢崎がすやすやと寝ていた。
寝顔は『王子』なのに昨夜の顔は、獲物を楽しそうに狩るナニカだった。
(まだ尻に何かが挟まってるような感覚がする。
会社休みたいけど、1番忙しい時期だしなぁ。
無理だよなぁ、ちくしょう)
ズキズキ痛みを抑えて朝1番に出社した。
まだ店内にいる社員は、早番の数名だ。
その中で昨夜を忘れるように予約してあるクリスマスラッピングや伝票整理をする。
しばらくしてポケットに入っていたスマホが震える。
矢崎からのメールには
『勝手にひとりで出ていくな。
出ていくときはちゃんと言え。
今後は朝と夜の飯を俺の家で作って一緒に食べること。
因みに洗濯と掃除もしといて。
休日とかないから、そのつもりで。』
(あいつは俺を下僕という家政婦にするつもりか)
てっきり夜のお相手のみの関係だと思っていたがそれだけじゃなさそうだ。