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転移者があふれるこの世界で  作者: 卯月 未
第一章 転移者の後輩
3/4

第三話 国を学び、魔法を学ぶ

シンジ達全員の分の料理が運ばれてきていた。

シンジが料理を見るとそれは見たことのある

料理ばかりで入っている具材は違ってもほとんど

前の世界と全然遜色はなく、味も全く引けを取らないおいしさだった。

しかし、会話はまったく弾む様子は四人共もくもく

と食事をしているだけだった。

それを見かねたハルナが話題を振った。


「え、えっとね、せつかくの歓迎会だからさ改めて

それぞれの自己紹介をしてみないかな?」


「まず私から行くね、名前は知った通りハルナで

前世界ではOLをしてて、この世界に来て

だいたい5年くらい経ったかな?年は28かな多分

後衛を担当してるよ〜、改めてみんなよろしくね」


ハルナは自己紹介を終わるとタツの方を向いて

『次よろくし』と読み取れる笑顔を向けていた。

それに気づいたタツはため息をつくと自己紹介を

始めた。


「えーと僕の名前はタツです。前世界では

小学生をしていました、この世界に来てから

3年ぐらい経って今は14才で、一応前衛を担当しています」


ナツミは緊張を少ししているようで、深呼吸をして

シンジを少し見て自己紹介を始めた。


「えっと私の名前はナツミで、前世界では中学生でしたこっちに来てから2年経って16才で、

担当は後衛です。シンジ君これからよろしくね」


ナツミから出された手にシンジは少し躊躇してが

握手に応じた。

握手の後シンジは気を取り直すと自己紹介に入った


「名前はシンジです。前世界じゃあ高校生だった

16才で、黒魔法とか使ってみたいです。

新参者ですが頑張りたいと思うのでよろしくお願いします」


シンジが言葉締めくくってから会釈をすると、

丁寧に三人とも会釈を応じた。


「へぇーシンジは年上かぁ年上だけどこっちでは僕の方が先輩だしみんなタメ口なんでそれで良いかなシンジ?」


「もうタメ口なんだな‥、うんそれで構わないよ。

それでさっそくなんだけど魔法とかどうやって覚えれるか教えてくれないかな?」


その言葉を聞いてハルナは魔法ならナツミだなと

いう感じの顔をすると


「ちょうどいいね、ナツミもこの前新しい魔法を使いたい言ってたし、みんなで店まで行こうか。

道中でこの世界の状況についても話したいしね」


シンジの歓迎会はみんなが自己紹介をしただけで

終わり、ハルナが全員分の食事代を払って幕を閉じた。


四人は大通りを歩きながらシンジにこの世界の

情勢などの情報を話し始めた。


「まずねシンジ君、今君がいるここはね

総合交易都市ダンテっていう国なの。この国の特徴はね王様がいなくてーどの国にもよりも多くのお店があって、しかもどの種族も気兼ねなく暮らせてるんだよ〜」


「ちなみにねシンジ、ここは王様がいない代わりに

ペデスタルっていう商人達の集まりが仕切って、

毎年のことを決めてるんだ」


「へぇーそうなのか、そんなにこの国は平和ないい国なんだな。それならこの国以外の国はどんな感じなんだ?」


「う〜んとね私もね5年間ここにいていろんな所に

いったけど、どの国も一癖も二癖もあってね。

独裁国家や無法地帯、ドラゴンがいる国なんかもあるんだよ」


「ハルナさんあれも話しておいた方がいいんじゃないですか?」


ハルナはその言葉を聞くと少しいやそうな顔をするも少しずつそれについて話し始めた


「この世界には魔王軍と俗称されるやつらが

いてね。魔王軍は一人の王と九人の将軍がいるらしいんだけど、やってる事は村の人々を助けたこともあれば虐殺することもあって、国を攻めたと思ったら他の国を守ることもあるらしくて全く目的が

分からなくてギルドも国々も迷惑している存在なんだ」


「そんなファンタジーにいかにもいそうな奴もいるんだな。結構この世界っていかにもファンタジーな

事が多いですね」


ハルナが「そうだねー」なんて言ってその後に細々としたことをシンジに教えているとナツミが「みなさん見えて来ましたよ」と言うと三人はその本屋のような場所に視線を移動させると、四人はその本屋に向かい扉を開けた。


「いらっしゃい、おお!ハルナちゃんじゃないか、

久しぶりだな、しかもナツミちゃんとタツの他に

一人増えてるじゃないかよかったじゃないか!

夢だった五人パーティーまであと一人だな頑張れよ」


ハルナは「私が頑張っても仕方無いんだけどね」

なんて言ってそのままタツまで混じって雑談に

発展していた。その間シンジはナツミに魔法について色々学ぶことになった。


「えっとシンジ君はハルナさんから魔法と魔術とか

基礎的な知識は聞いたんだよね?」


「ああ、そうだな一応白魔法と黒魔法とか八属性と

魔術については聞いたな」


「分かった、おさらいのために色々説明するけど気にしないでね、えっとまずは魔法は白魔法も黒魔法もセンスがほとんどで出来るか出来ないかは決まって。まずは単純な白魔法の方からいこうか」


ナツミは雑談中の店主に一声かけると隣の大きめの

部屋を借りた。シンジもそこについて行くとナツミはカバンから本を九冊取り出すと


「属性は炎 水 地 雷 自 氷 光 闇 の八属性とその他の無属性に分かれている。これらがその全属性の魔導書だよ、ちなみにこれら魔導書はこの本屋で買ったんだよね。でもこれまで一人だったしシンジ君に魔法のセンスがあったら一緒に買いに来てみても楽しいかもね」


その後ナツミに教えられてシンジが九冊すべてで

初めのページのセンスを測る用の魔法を試すと

すべての属性で僅かながらのセンスがあることが

分かった。


「やっぱり、この感じは俺は魔法向いてないのかな

大人しく武器を使うかな‥、いやまだ黒魔法がある

あきらめるのはまだ早いわな。ちなみにナツミちゃんはどれくらいのセンスだったの?」


「えーと私は全属性中の上ぐらいだったかな」


シンジが「え、そうなんだ凄いね、俺はその表し方で表すとどれくらいなの?」なんて聞くとナツミは

「そうだね、下の中ぐらいだと思うかな」

それを聞きシンジが露骨にショック受けてる間にナツミは店主のいる部屋に行き二つの本を持ってシンジのいる部屋に戻ってきた


「えっと次に黒魔法について説明を始めるよ?

まず黒魔法には魔導書はあっても属性はない、

だから代わりに色んな魔術があるの。例えば今持って来たのは召喚術と傀儡術の本だよ。

じゃあ黒魔法のセンスを測ろうか」


ナツミはその言葉の後ナイフを取り出して、

シンジの腕に傷をつけて少し血が出るように切った

シンジは事前に血を使うことはハルナに聞いていたので、少し顔をしかめる程度にすんだ。

それから血を使いセンス用の魔法を二冊とも試すと

傀儡術ではナツミ曰く中の下程度らしいが、

召喚術はナツミも驚く上の中という結果だった。


「おおーまじかやっぱりうれしいな、こうも使いたいと思っていた黒魔法でこんなにセンスがあるなんて」


「良かったね、これでこの召喚術中心で戦っていけるねシンジ君、でも大丈夫?私は黒魔法を使えないから教えられないし、シンジ君も毎回血を流すのは痛いでしょ?」


その言葉にシンジは広角を少しを上げて笑うと


「全然平気ですよ、確かにいちいち血を流すのは面倒ですけどそれを差し引いても黒魔法は使えるし

せっかくセンスがあるんだから使わなきゃもったいないでしょう?」


ナツミは「確かに、じゃあこれから頑張っていこうね」と返すと隣の雑談の方を見て、まだ終わりそうな気配が無いのを察すると「まだあっちは終わりそうに無いから召喚術を出来る限り練習しよっか」

ナツミの言葉にシンジはうなずくと

雑談が終わった時間、所謂日が暮れる時間まで

血を流しては召喚術を使うを繰り返していた。


「すごいね!シンジ君、あれだけの時間で召喚術で

剣とか武器を召喚することが出来るなんて、しかも犬も召喚するなんて、流石センスがあるだけはあるね」


「いやーそうなのかな?ただ結構疲れましたね

血を使うのって案外負担が大きいんですね」


ナツミが「じゃあ帰ろっか」とシンジに促すと

シンジとナツミは元の部屋に戻り雑談の終わった

店主にナツミは新しい九冊を、シンジは召喚術と傀儡術の二冊の本をハルナに買ってもらった。


その帰りは四人で色んな事を雑談しながらギルド

の前まで戻った。そこでシンジはギルドよりも大きめの隣の建物に案内された。

次にその建物の三階のある一部屋に案内されると、

そこはベッドが五つある生活感のある大きい部屋だった。


「う〜んと、ここはなんなんですか、店の看板には

宿屋って書いてたようですけど」


「うんうん、いい質問だシンジ君。そしてご指摘の通りこの建物は宿屋だけど、それは二階まででその上の三階と四階はギルド専用の部屋でね。

そしてこの部屋は私たちパーティの部屋で全員が

この部屋で暮らすことなってるから」


「え、それまじなんですか?しかも男女共に一緒の

部屋なんですね‥」


「そうなんだよシンジ、しかもハルナさんは着替えも普通にするししかも見られるとただこっちに笑顔を向けてくるだけだから余計に怖いんだよ。シンジも気をつけろよ」


「ああ、肝に銘じておくよ」


それからシンジは部屋の説明とかをハルナに受けて

四人でナツミの作った夕食を食べたり、交代ごうたいで宿屋に風呂に入ったりして、もうすっかり就寝に相応しい時間になった。


「そういえば、このパーティのお金ってハルナさんが

管理しているんですよね?ナツミちゃんもタツもお金持って無かったですから」


「ああ、そうだね基本私が管理しているね。その方が安心だろ?ギルドから毎月支給されるお金が何に使ったか分からないなんて。しかもまだ二人とも一応未成年だからね。シンジもこのシステムでいいだろ?」


「さすが元OLですね、俺もそれでいいです」そういってシンジはすでに寝ている二人を起こさぬようにしながらベッドに入り、今日知ったこの世界ことを整理したり明日から始まるギルドの仕事を想像しながら眠りについた。

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