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第二章 2話 ……見覚えがある気がする。

 銀色の巨人が出現して、みんなどうしたらいいんだかわからなくなってる。

 俺だってわからん。


「安田くん、とりあえず早く鑑定してよ」


 鈴木さんが鑑定しろと急かしてくる。

 まあそうだな。

 とりあえず部屋に置き忘れた眼鏡を取りに行かんと。

 でも急ぐ必要はそんなにないんじゃないだろうか。


「見るからにヒーローだからそんなに慌てなくてもいいんじゃないだろうか」


 鈴木さんと東くんが、そうかな?的に首をかしげてる。

 だってあれヒーロー丸出しじゃないか。


「いやいや安田くん、確かにヒーローだけれどもね。フラットな感覚ならあれ凄く怖いからね。100メートルサイズの巨人で、なぜか銀色なんだよ。凄く怖いからね」


「自分も鈴木さんの意見に賛成ですね。ていうか安田さん、なんで鑑定しないんですか?あの鑑定できる眼鏡どうしたんですか?」


「……部屋に忘れて来た」


「……まあ、そんなことだろうと思ったよ」


 ……しかし、女性型の銀色の巨人か……なんで女性タイプなんだろうか?

 どうせだったら俺の好きなモヒカン飛ばす男性タイプだったらよかったのに……よくみたらあれ無駄に巨乳だな。

 ……んん?

 ………………んんんん?

 ……なんかあれ……んん?


「どうしたの安田くん、変な顔して」


「……俺なんかあの銀色の巨乳に見覚えある気がする」


「なに言ってるんですか安田さん。妙な角度からのセクハラですか?セクハラならぶっとばしますよ」


 心は乙女の東くんにセクハラ認定されそうだ。

 ぶっとばすのはやめて。


「いやいや、もちろんあんなにでっかい銀色の塊自体見たことは無いんだけど、無いんだけども、何て言うか比率?腰とお腹と胸の比率が、見覚えあるような、無いような……」


「安田くん。なに言ってるの?いやホントに」


「安田さん、あなたホントになに言ってるの?」


 いや俺も自分でなに言ってるのか今一つわからんけどさ。


「……いや、やっぱ見覚えあるな。俺の人生で唯一、なまで見たことあるオッパイはあれ一つだけだった気がする。いや、あれ二つだけだった気がする」


「東くん、安田くんがどっかのエロじじいみたいなこと急に言い出したけど、これ大丈夫かな?」


「……どうでしょうか?大丈夫か大丈夫じゃないかで言えば、この人は最初からあんまり大丈夫じゃなかった気が……」


 その時、今まで微動だにしなかった巨人の目が光った。

 ……あ、動き出した。周りをキョロキョロしてる。

 え、今まで意識無かったかなんかだったのか?

 なにやら巨人は何かを探しているようだ。

 あ、顔の横に手を当ててでっかい声を出す時のポーズになった。

 え、しゃべんの?デュワとかジュワとか言うのか?


『たつおーみっ!!!!龍臣っどこだーっ!!無事かーっ!!』


 ……すごいでっかい声で、巨人が俺の名前呼んでるわ。

 もう、声でかすぎて、海が荒れちゃってるんですけど。


「やっぱあれ俺の知り合いだったわ」


「「ええー」」


 鈴木さんと東くんのええーがハモった。


「や、安田くんは銀色の巨人の知り合いがいるの?」


 鈴木さんが変なこと聞いてくる。


「いや、いないよそんなの。多分巨人に変身できる能力かなんかが発現したんじゃね?おっぱいの比率感で同一人物だとわかっただけだよ」


「安田くん。おっぱいの比率感って何?」


 おっぱいの比率感はおっぱいの比率感だよ。




「……よし、じゃあちょっとアイツ倒してくるわ」


「え!?なに言ってるの?知り合いなんでしょ!?」


 うん、知り合いだけどね。

 ちょっと思うところがあるから倒してくるわ。


「まんじゅういくぞ、俺を運んでくれっ、アイツのおっぱいにパンチしてやるっ!!」


 リンリンリン。


 え?おっぱいにパンチ?のリンリンリンだ。

 よくわかってないが、まんじゅうは俺を運ぼうとして魔法のマジックハンドで俺の胴体をぐるぐるまきにしてきた。


「安田さんっ、セクハラですよ明確にセクハラですよっ」


 中身が乙女の東くんが敏感に反応してきた。

 そうです。セクハラです。

 ちょっと嫌がらせのセクハラしに行ってくるわ。


「飛べっまんじゅうっ、アイツにセクハラパンチしてやるっ」


 リンリンリンっ。


 セクハラパンチって何!?のリンリンリンと共にチートレベルのまんじゅうによる空中移動が始まった。


 ゴウゴウと風が鳴る音が聞こえる。


 銀色の巨人がみるみる近づいてくる。

 間近でみるととんでもないでかさだ。

 とんでもないでかさの銀色のおっぱいめがけてまんじゅうが飛ぶ。



 うおおぉぉーーーーっ!!

 いっけえぇーーーーーーーーーっ!!!!




 ぱよおぉぉーーーーーーーーーーーーーーーんっ!!



 ああ。


 とんでもない反発力だ。

 すべての衝撃がおっぱいに吸収されてしまった。



 ……我が……人生に一片の悔いなし。


 ばっしゃぁぁぁんっ!!


 海に叩きつけられたが我が人生に一片の悔いなし。


 一緒に海に落ちたまんじゅうが俺を引き上げてくれて、びしょびしょの体で海の上に浮かんでる。

 そして今度は銀色の巨人の頭の辺りに運んでくれた。


『た、龍臣、無事か!?今なんで私の胸にぶつかってきたんだ!?』


 銀色の巨人がしゃべってくる。

 近いからすごいうるさい。


 あ、そうこうしてる内に光の巨人が光の粒になった。

 あ、巨人の頭だったとこになんか人影があるな……。

 あ~、人影がこっち飛んでくるわ。

 人影が近づくにつれてだんだん姿がはっきりしてきた。

 ……あー、やっぱあいつだわ、うわー。


「龍臣っ、龍臣!!無事かっ大丈夫かっ」


 人影がふわふわ飛んで近づいてきながら叫んでる。


 光の粒を纏わせたショートカットの全身ジャージの胸のでかい女が現れた。

 目の前に浮きながら、なにやら泣きそうな顔してこっち見てくる。

 ……なんだろうか、感動の再会的なシチュエーションなのか?

 苦手な雰囲気だわー。


「……いや、お前何しに来たの?」


「元恋人心配して、宇宙越えてまで探しに来てやったのに、何しに来たのってなんじゃあっ!!」


 俺の元恋人の叫びが海にこだました。




挿絵(By みてみん)



「えー、知り合いの唯川京さんです」


「どうも安田の『元恋人』の唯川京です」


「あ、どうも鈴木義一です」


「東秀千代です」


 鈴木さんと東くんが自己紹介しだした。

 今はみんなで飛行船の中のカワウソ部屋だ。

 移動は今日は中止になった。


 京と俺見ながらみんなニヤニヤしてやがる。

 ……分かりやすいリアクションしやがって。


「どうも安田様の従者のピンタ・リバーフェニックスです」


「カワウソがしゃべってるじゃないかっ、かわいっ」


 ……分かりやすいリアクションしやがって。


 京が鈴木さんや東くん、カワウソ達みんなとも改めて自己紹介している。


「よろしくな」


 ガッ、ガシッ。


「は、はあ」


「よろしくな」


 ガッ、ガシッ。


「あ、よろしくお願いします」


 京がみんなの肩に手を置いてがっちり握手してる。

 相変わらず平社員を激励する社長みたいな挨拶しやがる。


 ていうか、こいつついてくる気だな。

 安田パーティーに入るつもり満々だなこいつ。


「なんなんだ龍臣、さっきからブスッとした顔して、ニコニコしろよ。宇宙越えてまで私が来てやったんだぞ」


「だからブスッとしてんだよ。そもそもお前別れてから何年も会ってないのになんでそんなフラットなんだ。気まずさとかねえのかよ」


「たった数年会ってないくらいでなんだ、相変わらず小さい男だな」


「うるせえよ、お前あんな別れ方しといてなんでそんなナチュラルなんだ」


「おい、あれは誤解だと言ったろう。相変わらず小さい男だな」


「小さい男を繰り返すんじゃねえよ。誤解でもなんでもない。犯罪スレスレどころか犯罪だった」


「ちょっと安田くん、喧嘩はだめだよ」

「そうですよ安田さん」


 鈴木さんと東くんが間に入って仲裁してくる。


「じゃあ、ちょっと鈴木さんと東くんに話聞いてもらって判断してもらおう」


「おい、やめろ我々カップルの恥を晒すな」


「もうカップルじゃないだろ、聞いてよ鈴木さん達」


「えー、何?すごいめんどくさい予感しかしないんだけど、でも聞きたい野次馬根性で聞きたい」


「自分も聞きたいです」


 聞く気満々の鈴木さんと東くんに俺は別れた時の話を始めた。

 といっても別に複雑でもなんでもない話だ。


「最初はこいつが転勤だかなんだかで四国に行くことになって、一生養ってやるから一緒に行こうって言われてさ」


 鈴木さんが変な顔しながら首を傾げてる。


「……それはヒモになれ宣言ってこと?なんていうか、すごいね」


「そうヒモ宣言、まあ正直俺はそれに多少心ひかれたんだけどね」


「いや、ひかれたらダメでしょ、安田さんは昔から安田さんだったんですね」


 東くんが変な納得顔してる。


「……素直に来ればよかったんだ。一生養ってやったのに」


 ……なんでこの女はこんなに堂々とヒモになれって言えんの?

 女郎を買い取る金万商人みたいな思考してんな。


「俺その時もう塾で働いてて生徒もいたし、生徒が受験戦争まっただ中だったのよ。それで、まあ、一緒に行くのは無理だとお断りしたわけさ、受験間近な生徒さすがに投げ出せないからね」


「うん、まあわからなくもない話だね。それで?」


 鈴木さんが納得顔で先を促す。


「まあ、それでしんみりしながら普通にお別れをしたのさ」


「……自分そういう経験無いからわからないですけど、それ多分普通のお別れですよね」


 複雑な性別事情を抱えた東くんでもそういう感想になるよな。


「……そう、そこまでだったら普通だった。問題はその後、てかその日の夜だった。いまだになんだかよくわからんこいつの部下なんだか、家来なんだかよくわからん屈強な二人の男が俺のこと拉致しようと部屋に忍び込んで来たんだ」


「……ええー、なんだかよくわからん部下なんだか家来なんだかよくわからん屈強な二人の男?」


「そう、よくわからん過ぎてよくわからんを二回使ってしまうほどよくわからん屈強な二人の男に拉致されそうになったの」


「「……ええー……」」


 鈴木さんも東くんももう、ええー、しかでないよな。

 そりゃそうだ。俺もいまだに、ええー、て思ってる。

 肝心の拉致容疑の女はそっぽ向いてやがる。


「だから、誤解だ。あれは別に私が命令したわけではなく、アイツらが私の意を汲んで勝手にやってしまったんだ」


「悪徳政治家が秘書に悪事働かせる時の手法じゃねえかっ!!明確に口に出さずに周り動かして、バレたら自分は責任逃れするやり方じゃねえか!!」


「ぐぬっ、悪徳政治家のやり口なら犯罪じゃないだろうっ!!捕まらないから悪徳政治家なんじゃないのかっ!!」


 なんだこの女開き直りやがった!?


「何開き直ってんだこのやろうっ、あの日大変だったんだぞ、一階の大家さんは木刀振り回すわ、田中君はなぜか醤油の瓶もって火事だ火事だって叫んでるわ。地獄だったんだぞっ」


「うるさいうるさいっ、だから素直に一緒に来ればよかったんだっ!!」


「まあまあまあ、二人とも落ち着いて」

「そうですよ。喧嘩はダメです」


 鈴木さんと東くんが仲裁に入ってきた。


「……先生、とりあえず、夕食にしませんか?」


 ずっと静かに話を聞いてたピンタさんが会話に入ってきた。

 ああー、そうだな。

 そろそろ飯の時間か。


「……私は龍臣の肉じゃがが食べたい」


「「「「……」」」」


 みんな愕然としている。

 この女あんな言い合いしたばっかなのに、夕食のリクエストをまさかの俺にしてきましたよ。


「……日本の調味料とちょっと違うから多少味変わるぞ」


「一向に構わん」


 なに海王さんみてえな返事してんだ。


「え、安田くん作るの?」

「あの言い合いの後に安田さんにリクエストしてきた唯川さんもすごいですけど、作るつもりの安田さんもすごいですね」


 鈴木さんと東くんもビックリだろう。

 もういいよ別に。


「モモさんコンロ一つ使わせて」


 カワウソ族のコックであるモモさんに許可を貰う。


「え、ああ、それは構いませんけど……」


 俺は一人で台所に歩いてく。

 ジャガイモ冷蔵庫だっけかな。


「どれどれ、私がジャガイモを剥いてやろう」


「そのくらいやれよ。お前がリクエストしたんだから」


 変な女がニコニコしながら台所についてきた。

 えーと、ジャガイモはと、あ、あった。


「お前、宇宙越えてきたとか言ってたけど、どんなとこから来たの?ていうか地球の人間全部どっか異世界に飛ばされたって知ってる?」


「何?地球の人間全部なのか?世界中で行方不明が多発してどうだって言うのはニュースでやってたからな。私もそうだと思ってたが、そうか、地球上の人間全部だったのか……」


 話を聞くとこいつは気がついたらジャングルっぽいとこにいたらしい。

 ジャングル以外なにもなくて、芋掘ったり川で魚取ったりして何ヵ月か過ごしてたら、急にでかいヒーローになれる気がしたらしい。

 そしてワープできそうな気がしたからワープして俺を探しにきたらしい。


 なにそれ、たくましすぎない?

 急にでかいヒーローになれそうな気がして、ワープできそうな気がするってどういう感覚なの?

 あ、100メートル位の身長になって、光の速さ越えて別の宇宙に行けそうだわ。

 て急に思ったの?

 なにこのおっかない女。


「龍臣」


「んん?」


「私は、来て迷惑だったか?」


「……別に迷惑ではねえよ」


「そうか」


「……俺は、基本的に誰かにおんぶにだっこで生きてきたし、これからも生きてくつもりだから、俺みたいなヤツを助けてくれようとする物好きは、まあ、あれだ、大歓迎だ」


「……ンフフ、そうか大歓迎か」


「……ニヤニヤしてないでイモの皮剥いてくれ」





「……あ、眼鏡あったわ」


 冷蔵庫の中に入ってた。冷蔵庫の中のメロンが眼鏡かけてるわ。

 なんでやねん。

 みつかんねえなと思ってたら、こりゃカワウソ子供組のイタズラだな。

 眼鏡がいい感じに冷えてるわー。



名前 ヤスダ ♂

年齢 26才

職業 最強の教師

称号 手を差し伸べてしまうアホ


レベル 86

HP  899/899

MP  0/0


ちから   196

はやさ   224

みのまもり 218+100

ちりょく  255

せいしん  255

きんりょく 196



所持スキル


ケンカキック


ブーメラン(十)


ウルトラ鑑定


滅竜烈火神殺拳


パーティーメンバーステータス確認



 おう!?

 ふと見えた自分のステータス欄に見覚えの無い記述がある。

 なにこれ?滅竜烈火神殺拳!?

 なにこの中二感ばりばりの必殺技っぽいやつ!?



スキル名 滅竜烈火神殺拳


発動条件及び説明


勇者ヤスダが宇宙規模でも希に見るバカなセクハラをしたせいで発現したスキル。

技名を大きな声で叫べば叫ぶほどあらゆる状態異常が治る。

思いきり力をいれて殴れば殴るほど体力が回復する。

腹から声を出して全力で拳を叩き込めばどんなに瀕死の状態でもあらゆる状態異常が回復し寿命すら延長されます。


なんと回復スキルです。

訳がわからないことをしたので訳がわからないスキルが発現しました。



 やべっ。

 銀色の巨人のおっぱいにダイブしたらワケわからんスキル生まれた。

 なんだこれ。

 回復スキルなの?

 滅竜烈火神殺拳なのに滅の要素も火の要素も殺の要素もまるで無い。

 むしろ真逆の要素しかない。

 まさしく訳がわからないスキルだ。



「どうした龍臣、ん?眼鏡かけ始めたのか?」


 おっと、スキルに驚愕してたら不審に思った京に話しかけられた。


「……かけたりかけなかったりだ。俺も色々あったんだ」


「どれ、似合うのか見てやろう」


 京が妙に至近距離に近づいてくる。

 なんやねんこの女、間合いが近いんだよ。

 あ、鑑定が発動しちまう。



名前   唯川京 ♀ 

年齢   2142才

職業   侍

称号   姫


レベル  56

HP   648/648 状態異常、吸血鬼(始祖)

MP   413/813


女子力 2


装備


所持スキル


刀術レベル4


柳生新影流皆伝、真空波、その他


体術レベル4


喧嘩空手二十段、柔術、その他


呪術レベル5


ヒーロー化(巨大バージョン)


余談


始まりの吸血鬼と呼ばれるおじいちゃん吸血鬼が生み出した最古の吸血鬼の一人、下級吸血鬼は紫外線等が弱点だが始祖の吸血鬼には弱点らしい弱点はない。

他人の血液から多少の生命力を奪い自分の寿命をのばせる。

日本最古の吸血鬼一族つむぎの里の女王。

異世界に行ってから吸血鬼になったのではなく日本に居る時から吸血鬼でした。

ヤスダは巨乳の女にすぐ騙されるどっかの快盗三世みたいな弱点があるため、ヤスダにステータスにでない程度のうすいうっすーい呪い(自分以外の巨乳の女との相性が悪くなる)をかけている。

地球に帰れる資格あり。



捕捉


ヤスダとのお別れ拉致事件は、敵対する吸血鬼一族がヤスダを狙っているのではないかとの情報が発端で起きた事件。

ヤスダが公園で出会って、意気投合しコンビニおでんを奢ってあげた老人が敵対する吸血鬼一族の王様だった。

その後色々あり、敵対する一族と唯川京の一族との間に安田不可侵条約がむすばれた。


捕捉2


吸血鬼とは地球に居た神の一人、というか一匹がある人間に与えた加護が発端で生まれた存在。

具体的には、その神はマルチーズそっくりな姿をしていた。(ただし色は緑)

そしてマルチーズそっくりな神が目をつけたその人間は犬を撫でるのがとてつもなく上手く、犬の神はこの人間は絶対に死なせたくないとお腹を撫でられながらハッハハッハしながら決意した。

そして緑のマルチーズ神に加護を与えられ誕生したのが吸血鬼という存在。

吸血鬼になるにはお決まりの、噛まれたり血を飲ませたりすれば一定の確率でなれる。

吸血鬼達は魔術的な素質があり、神に選ばれればなれるみたいなことを言って信じているが、実は吸血鬼になれるかどうかは犬を撫でるのがうまいかどうか、InuNade値、通称IN値によって決まる。

IN値が一定以上、つまり犬を撫でるのがうまければ吸血鬼になれる。

犬を撫でるのが上手い長生きの人々の集団、それが吸血鬼である。

その事実に本人達は全く気づいていない。

吸血鬼って自分含めて愛犬家が多いなあ、みたいなことはみんな思ってる。




 …………………………プププ、こいつ女子力2しかねえ。


「どうした龍臣?」

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