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magi code  作者: ロジカル和菓子
3章 魔道学園、スクオラ編
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負け犬の矜持④

 ルシエラとアイラと合流するとまずルシエラは進化したという認識阻害の魔法を三人にかけて、アキヤマ一行は例の廊下の突き当たりに向けて出発した。突き当たりまでの道は何度か生徒とすれ違ったものの、進化したというだけあって、そこそこ魔力の高い生徒に対してもその認識阻害の魔法が正しく動作しているようで、誰にも見つかることなく突き当たりにたどり着くことができた。


 突き当たりについた俺たちは魔法陣に書いてある文字通り、廊下においてあるドラゴンの像に魔力を注ぐことにした。


 まずは騒ぎを起こさないようにするため、気になっていた地下牢の間に先に行くことにして、風ドラゴンの像に魔力を注いだ。すると風のドラゴンの像の頭の部分に書いてあった魔法陣が光りだし、続いて俺は扉を開くための魔法陣を実行した。


「ラン」


 魔力を込めて静かにそう言うと魔法陣が実行され扉が開いたので、3人で階段を下っていく。


「なんだかドキドキするのです」

 アイラは緊張した面持ちでそう言った。


「わ、私は緊張なんかしないけど……確かにちょっとだけ……」と強がるルシエラ。


「この状況で全く緊張しない奴なんていないだろ。……あ、ついたみたいだぞ」


 3人で会話をしながら階段を駆け下りていくと、気づけば目の前には見覚えのある大きな扉が待っていた。その扉を開くとそこは無骨なカジュアルさのかけらもない構造になっていた。それは機能性だけを求めた、というよりは人のことを考えて構造されていないと表現した方がいいのかもしれない。


 右側は完全な壁となっており、そして左側には地下牢という名の通り牢獄が広がっていた。牢獄と表現したものの、そこは快適そうな部屋であった。ソファに雑誌に本に娯楽の類も充実されていて、ベッドもふかふかだった。中にいる人も特に不満げなく生活しているようで、表情は明るい。


「なんだ……? ここ」


 俺は驚きの声をあげた。想像していたのと180°違う光景がそこには広がっていた。


「地下牢……ではなかったのですか?」


 アイラは目を丸くしてそう言った。


「牢獄……には見えないわよね」


 ルシエラも同じ反応だ。


 3人とも反応は同じで、牢獄と聞いていたのにこの様子。まるでマンションの一室だ。そう考えるとこの人たちは随分と余裕のある生活をしているように見える。


「すみません。少し話いいですか?」

 俺は話を聞いてみようと、牢獄の中にいる人に向かって話しかけた。しかし、外からの声は聞こえていないのか、こちらの方を見向きもしない。そもそも中からこちら側を見ることさえできていないのかもしれない。


「ダメだ。反応がない。仕方ない。とりあえず一回出て合成の間に行こう」

 俺は二人にそう告げた。二人は黙って頷いたので、3人とも階段を駆け上り、次は雷のドラゴンの像に魔力を注いだ。そして扉を開く魔法陣を実行し、階段を再び駆け下りた。そして大きな扉を開けると先日見たキメラ合成のための機械類がびっしりと並んでいた。


「それじゃあ……派手にやってやるか」


 俺は二人を見ながらそう言った。


「それなら私に任せて欲しいのです。一発でかいのをぶちかましてやるのです」

 アイラはそう返してきたが、俺はそれを拒否する。


「いや、その役は俺に任せてくれ。あと爆発は響くから避けたいんだよ。まぁ見てろって」

 俺は嘘はついていなかったが、本当のところ、破壊の主犯格の汚名は俺が被りたかったのが本音だった。爆発が目立つと言うのも本音ではあった。俺はこのために、機械破壊専用の魔法を用意してきた。


「また自分を犠牲にするつもりなのです?」

 アイラは俺の方をじとりと睨んでそう言った。


「いや、もしもの時のためだって」


「やっぱり……。まぁこう言う時のアキヤマさんは言っても聞かないので仕方ないですが」

 アイラはため息をついて、呆れたように言った。だってここに来る前さえクソみたいな生活をしてきたんだ。転生してからぐらい女の子にかっこいいとこ見せさせてくれたっていいだろ。


「なんか知らないけどアキヤマが主犯格になるってことね! よろしく!」

 そんな俺に対してもルシエラは相変わらずの反応だった。くそ。汚名はルシエラに被ってもらえばよかった。しかしそんなことを気にしている時間はない。とにかく早く事を終わらせないといけない。


「ラン!!」

 俺は早速用意してきた魔法陣を実行した。これはサラの魔法を改良したものだった。


 まず魔力を溜め、雷の魔素に変換。最初に攻撃したオブジェクトから一メートル以内のオブジェクトに攻撃対象を移動。それを攻撃する対象がなくなるまで繰り返すと言うものだった。中央の機械に向けて魔法は放たれ、機械から機械へと雷が広がっていき、攻撃を受けた機械類はぷすぷすと音を立てた。機械を触って見ると確かに壊れたようで俺は安心して二人に終わったことを告げる。


「よし。これで完了だ。さっさとトンズラしよう」


 二人は頷いて合意を示したので、俺たち3人は再び階段を駆け上がった。そしてそのあとは用意した逃走経路でここを脱出するだけ……のはずだった。しかし廊下に出る扉が先ほどと形が異なっているではないか。


「あれ? ここの扉の形こんなんだっけ?」

 俺はその疑問を解決する事なくその扉を開いた……。するとそこは予定していたはずの廊下ではなくだだっ広い空間だった。床には何やら巨大な魔法陣が書いてある。


「は?」

 俺は思わずそんな声を出した。突然のことで理解が追いつかなかった。


「「!?」」

 二人の反応も同様だった。


 意味はわからないが、まずい状況だということだけはわかる。

 冷や汗が背中を流れ、俺たちはその場に立ち尽くしていた。

 すると、入ってきたのとは反対側の向こうのドアがゆっくりと開き、誰かが入って来た。

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