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magi code  作者: ロジカル和菓子
3章 魔道学園、スクオラ編
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模擬戦②

「それでは次は……。アランとアキヤマ。移動してください」

 ラストールの指示に従い、例の印の位置に移動する。


「おい。アキヤマ。最初に言っておくことがある」

 アランはこれまで全く開かなかった口を今になって開いた。


「なんだ?」


「その……。ありがとな」


「へ?」

 てっきりボコボコにしてやんぜ的なセリフを想像していただけにそれは予想外の言葉だった。


「へ? じゃなくてな! ほら。あれだよ。お前が大怪我を負った授業。あれはお前の助けがなかったら俺の方が大怪我をしていただろうさ。だから、あの時助けに入ってきてくれて……その……だから……ありがとうな」


 なにこの子ツンデレなんですか? 男のツンデレなんですか? と失礼なことを考えながら感動していると、突然キッとこちらを睨んできた。


「だが! それとこれとは話が別。お前が病み上がりだからと言って手加減はしねぇ。覚悟しとけ。あ! あと勘違いすんなよ、さっきの言葉はこの試合でお前をぶっ殺しちまったら感謝が言えねぇから先に言っといただけのことなんだからな!」

 テンプレのようなツンデレと物騒なセリフの共存。本当にぶっ殺しに来るだろうから笑えない。しかしこれは男と男の勝負。こちらも無駄にカッコつけさせてもらう。


「手加減なんていらねーよ。そんなんされて負けた時の言い訳にされたらタマンねぇからな?」


 あえての言葉。あえての挑発。アランには策を巡らさずに真っ直ぐに攻めてきてほしい。その方が俺の戦略に乗ってくれやすいだろうから。


「んだとぉ!! 上等だ!! んじゃはじめんぞ!!!」


「いやあの君らねぇ……合図出すのは私なんですが……まぁいいです……。はい。ラン」

 ラストールが元気なさげに魔法陣を実行すると、今度はさっきの試合の時とは違うステージが出現した。それは土の魔法の時とほぼ同じステージだった。土の地面とちらほら生える木。


「ついてるぜ。お前、不運だったな。俺の家名は知ってるか?」


「ギルバート。だろ? 知ってるよ」

 ほんとは昨日初めて聞いたんだけど。


「ギルバート家は土魔法の名門だぜ? お前、死んだな?」


「それも知ってるし。御託はいいからさっさと始めるぞ」

 シンシアに習ってアランを挑発する。今日はいつになく構えずに模擬戦に挑戦できている気がする。授業の時はあんなにビビってたのに。


「ヘっ。そうだな。では……。ギルバート家の次男。アラン・ギルバート! 参る!!」

 正々堂々と名乗りを上げてかかってくるアラン。かっこいいなぁ。主人公みたい。でもあれ?次男なんだ。跡取り筆頭候補って言ってなかったか……?


 そんな疑問が湧いたが後回し。今は目の前の戦いに集中と自分を諌める。


「アキヤマ! 参る!」

 なんか雰囲気に合わせて自分も名乗りをあげる。


「ラン!!」

 先に魔法を実行したのはアランだった。手にした魔法陣が光り出すとアランの周りの地面から槍の形の土の塊がメコメコと地面から湧き上がってきた。そしてそれは一直線に俺の方向に飛んでくる。


 いやそれ刺さったら死ぬよね?


「ラン!」

 俺は初級の土の壁で防御しようと魔法を発動させたが、アランはそれを見て笑った。何がおかしいんだ? と一瞬おもったが、それは土の槍が壁に到達してからわかった。ザシュと心地いい音がなると土の槍は壁をたやすく貫通して俺の方に飛んできた。


「どひゃあ!?」

 昔の漫画ばりの奇声をあげて槍を必死に身一つで避けた。しかし数が多いためいくつかは体をかすめ、切り傷がいくつかできた。幸い体を貫通する槍はなかったものの。威力は本物だった。


「そんな壁で防げると思ったのか? 俺の魔法はただの土の塊を相手にぶつける魔法じゃねぇぞ」


 そう言えば、この前リサから説明を受けていたのを思い出した。アランは巨大化と硬化魔法をよく使うって……。土魔法と硬化……相性が良さそうな組み合わせだ。


「くそッ!!」

 序盤から苦境に立たされる俺。対しアランは容赦することなく次の魔法を放つ。

「ラン!!」


 しかし、この程度の事態、想定していなかったわけではない。少し魔力は張ってしまうが……。

「ラン!!」

 アランの土の槍の魔法に対し、俺は再び土の壁を出した。ただし先ほどとは長さが全然ちがう。壁というよりは正方形の土の塊を生成した感じだ。

 槍は先ほどと同じくザシュザシュと土壁に突き刺さったが、今度は長さがあるので、そのまま正方形の土塊に突き刺さったままになった。それを見てアランは再び笑った。


「おもしれぇ! んじゃこんなんはどうだ!? ラン!!」


 アランが魔法陣を発動させると、彼の前の地面から巨大な土の塊が現れ、そしてそれはみるみるうちに見覚えのある形になっていった。そう。それは……。


 ドリル。


 そう……ドリル。それは凶悪な形。


「そんなチンケな土の塊、くり抜いてやるぜぇ!?」

 その巨大なドリル型の土の塊はもちろんアランに硬化されており、猛烈に回転しながら俺の方に突き進んできた。それは見事に土の壁をドリドリと掘り進めてきたので、一瞬で危険を察知し、その場を離れた。その判断は大正解だったようで、ドリルは見事土壁を貫通して俺が元いた場所に突き刺さっていた。いや刺さるというかもはや掘り進めているといった方が正しいのかもしれないが。


「あっぶな!?」

 俺は走りながら次のことを考えた。明らかに土の魔法で対決するのは間違っている。でもそこをあえて土魔法で勝つ。なぜならこの戦いの目的は勝つことではないから。俺の目的はただ一つ。S+ランクに到達し、追加課題とやらを受け、調査を進めること。それだけだ。


 昨日存分に考えた。アランは土魔法の名門家の後継。なら絶対に勝負は土魔法でしてくるはず。そのうえで、Sランク1位と言われるアランの得意な土魔法を土魔法で破れば評価は高いだろう。S+になれる確率は高い。


 ならその土俵で戦うまで。でもさすがにそう簡単には勝たせてはくれないとは思っていた。作戦と新魔法はいくつか考えてきた。そのどれかでうまく勝てたら……いいのに。アランが次の攻撃を仕掛けてくる前に先手を打つ。


「ラン!!」


俺が発動した魔法陣は、こうだ。


[1, charge magic power, to 2]

;魔力を貯める、命令文2へ

[2, convert earth form=human, to 3]

;魔力を人間の形に土の魔素に変換、命令文3へ

[3, control the made object, (if the object is braked) to 1 (around the object), to 4]

;作成したオブジェクトを動かす、(もし破壊されれば)(そのオブジェクトの近くで)命令文1へ、または命令文4へ

[4, convert magic power of the object, to 5]

;そのオブジェクトを魔力に変換、命令文5へ

[5, compression the magic power to the limit, end]

;その魔力を限界まで圧縮、終了


 発動すると即座に目の前に人型の土塊、昔やったゲームではゴーレムと呼ばれていたような形のものが出来上がった。なんだか、本当に魔法使いになった気分になって高揚した(実際魔法使いになっているのだが)。


 そして。次はコントロール。


 ……ってどうやってやるんだ?


 その瞬間、昨日のアイラの言葉を思い出した。

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